最近、将来のことを考える。
将来というと夢があるが、一般には老後と言い換えた方が判りやすい。
懐事情が最近とみに苦しくなってきたからだろう。
風呂に入りながら考えた。
と言うより、思いだしたと言った方が正確かも知れない。
父のことだ。
20年以上も前に亡くなった父。
その父がまだ働いていた頃のことだから40年近く前のこと。
いや、もっと前かも知れない。
父の老後の話だった。
「2000万円あれば老後は大丈夫だそうだ。」
父も母も預金は充分にあると思っていただろう。
ところが、インフレが進み価値がどんどん下がっていった。
今になれば笑い話だが、笑ってばかりも居られない。
日本の政治家は20年も続くデフレを転換したいと考えている。
私のような年金暮らしにはデフレはありがたい。
支給される年金の価値がそれほど下がらないからだ。
もしここにインフレが起きたら、私の生活はどうなるのだろう。
父の晩年と同じことにならないだろうか。
76歳で亡くなった父は老後の為に貯めた金の大半を使い果たした。
しかも亡くなる10年前から生活費の一部は私が支えていたのに。
同居生活だったから家計に月額5万円ほど入れて貰ってはいた。
それは父母の食費としてで、それ以外は自分たちで賄っていた。
質素な生活をしていたから老夫婦二人で月額15万円程度だろうか。
年金は二人分の国民年金に数万円の厚生年金。
生活費はほぼ賄われていたかも知れない。
しかし、交際費にはほとんど貯蓄を回していただろう。
孫たちへのお祝いはいつも盛大にしていた。
お寺関係のお付き合いも多く、毎月相当額のお布施をしていた。
趣味は父が水泳と書道と表装、母は絵画と和裁。
そうしたお金は貯蓄から放出していたのだろう。
さて、私に立ち返ってみよう。
年金は今年の七月を最後に確定年金が無くなる。
この10年で退職金のほとんどは使い尽くしてしまった。
生活を見直さないと公的年金だけでは生活できなくなるだろう。
仕事も不定期で、安定的な収入にはならない。
この先インフレにでもなったら、多分生活は破綻するだろう。
その時は家も土地も売り払うしかないのかな。
正月早々暗いことを考えてしまった。