おどみゃぼんぎりぼんぎり ぼんからさきゃおらんど ぼんがはよくりゃ はよもどる
(俺が家に帰るのは盆だけだ、盆が終わったらすぐに帰らなければならない)
ぼんがきたちゅうて なにうれしかろ ぼんがはよくりゃ はよもどる
(盆が来たからと言って何が嬉しいものか、またあの商家に戻されるだけさ)
にがいもんたい たにんのめしは にえちゃおれども のどこさぐ
(苦いものだよ他人の飯は 煮えてはいるが喉を通らない)
おらがうっちんだちゅうて だいがにゃいてくりゅきゃ うらのまつやま せみがなく
(俺が死んだからと言って 誰が泣いてくれるだろうか 裏の松山の蝉ぐらいのものだろう)
おらがうっちんだら みちばちゃいけろ とおるひとごち はなあげる
(俺が死んだら 道の傍に埋めてくれ 通る人が花を手向けてくれるだろうから)
はなはなんのはな つんつんつばき みずはてんから もらいみず
(その花は何だろうか 椿の花だろうか 水は天から貰う水だ)
おどみゃぼんぎりぼんぎり ぼんからさきゃおらんど ぼんがはよくりゃ はよもどる
(俺はこの盆を限りにこの世からは居なくなる そうすれば次の盆には必ず家に帰ることができるじゃないか)