今日こんなことが

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分杭モデルと命名

2014年05月27日 | 

分杭峠の”ゼロ磁場”は、口コミで自然に広まったのではなく、当時の長谷村(今は伊那市に編入)の観光戦略として広まった。
こういう「パワースポット」の売り出し方は、客観的事実に反する点で問題あるが、観光戦略としてはその斬新さを評価したい(疑似科学的な表現をやめて、「気のスポット」とするなら私は文句言わない)。

実際、ここのパワーを体験するために、全国から人がやって来ているのには驚いた(駐車場には関東・中京はもとより、「新潟」「奈良」「鳥取」ナンバーも)。
遠方からの客は日帰りは無理だから、それだけで一人当り宿泊代1万円は地元に落す。
峠の渋滞を避けるために駐車禁止とし、シャトルバスで送迎すれば、自然を破壊して広い駐車場や客の収容施設を造る必要もなく、排気ガスで木を枯らすこともなく、来客全員からシャトルバスの往復運賃をかせげる。
客は、自然の気を浴びにくるのだから、人工施設は求められず最小限ですみ、客の安全確保のための最低限の設備以外に、コストはかからない。
土産には、無限に汲み取れる水を「秘水」として売ればいい。これもコスパ最高。
客の方も、この地を聖地としてありがたがり、気の場で黙って坐るのが目的なのでマナーがいい。
つまり客層が自然と選ばれ、招かねざる者は来ない。

宿も、瞑想室など客がありがたがる設備(何もない空間)をたいして費用をかえず増設し、
無理して大深度の温泉を掘らずに、水道水に峠の”気”の入った石やトルマリンなど他の効きそうな鉱石を浸すことで、浴槽内で”鉱泉”にしてしまえばいいわけだ。これもいい手だ。
料理につかう水や飲むお茶もすべて、”気”の入った石を通していることをアピールすることで、この地固有の”ありがたみ”という価値が付加される。
かように客はこの地で”パワー”をふんだんに浴びれるので、もう完全にプラシーボ効果にハマる。
そうなれば、連泊し、リピートし、自ら”効能”を口コミで広報してくれる。

設備やサービスのコストはかからず、自然は破壊されるどころか、むしろ丁寧に保護される。
なので、観光資源は無傷のまま枯渇しない。

これからの観光は、このような自然の(実在するかどうかわからないのだから枯渇しない)”パワー”を売りにすれば、最高度のコストパフォーマンスを得られる。

巨大な人工的テーマーパークを莫大な費用をかけて建築し維持する方法がある一方、このような今ある自然に見えない(低コストの)価値を付加して、何も加えずそのまま味わってもらうだけの方法もある。
元来自然が好きな私は後者を応援する。
ゼロ磁場や気のパワーは実在しなくても、山や沢、木々のダイナミックで繊細な息吹に感度を高めて正対する行為は、それ自体で価値があると思うから。
それこそが自然からの”真のパワー”だと、いつか気づけばいい。

この観光戦略(ビジネスモデル)を”分杭モデル”と名づけたい。

ただ、私のような計測オタクが、望まぬ情報をまき散らすのは防げないが。

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