阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

『駆けつけ警護』が生み出すリスクと、紛争地の現実を踏まえたPKOでの貢献のために

2016年11月30日 23時55分46秒 | 政治
『駆けつけ警護』が生み出すリスクと、紛争地の現実を踏まえたPKOでの貢献のために

 11月15日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊に新たに「駆け付け警護」を任務に加えることが閣議決定された。今日、主力部隊が、青森空港から現地に向けて出発した。

 『駆けつけ警護』が運用される南スーダンは、7月に大規模な戦闘が発生。約270人が死亡するなど深刻な衝突が続発し、政府軍兵士による市民の殺害も頻発しているとされる。PKOの現場(1992~1993年カンボジア、1994~1995年モザンビーク)や、パキスタン、東ティモールなど様々な紛争地域で平和構築活動に関わった経験から言うと、紛争の現場では自分たちがどのような理由で誰に攻撃を受けているかわからないことも多い。攻撃対象を混乱させるため、兵士たちは所属とは異なる軍服を着ていることがあり、誰が攻撃して来たのか容易に判断できないからだ。さらに南スーダンにおいては政府側・反政府側のどちらにも、武装勢力の民兵が戦闘に参加している。

 このような状況では、駆けつけ警護を行う自衛隊員も混乱する。確かに襲撃を受けている民間人や国連職員を見殺しにせざるを得ない現状の改善になる可能性はある。しかし、私の経験では、軍と一体化して見られることは、むしろ状況が危うくなる可能性が高い。また、例えば人質の救出は、米国の特殊部隊でさえも成功させるのは至難の業だ。現地の民間人が襲撃された現場に駆け付け、救出できる状況は非常に限定的だ。また、一瞬の躊躇が自衛隊員の命を危うくする局面も起こり得る。自衛隊は憲法上他国軍とは交戦できない。しかし、交戦相手の特定は難しく、図らずも政府軍兵士と交戦になる可能性はある。

 意義とリスクを比較した時に、リスクの方が遥かに大きいのではと考えざるを得ない。

 そもそも派遣する前提が間違っている。

 安倍政権は南スーダンでは『紛争は発生していない』と強弁し、現地の武力衝突はあくまで『発砲事案』であると説明している。日本の自衛隊派遣はPKO5原則が守られ、戦闘当事者の間で停戦合意が行われていることが条件となっているので、現実とはかけ離れた解釈をしているのだ。しかし、現在行われている戦闘が、どうして『紛争』ではないのか。戦闘しているのが誰かもわからないところで、どうやって『軍』と『軍以外』を分けるのか。

 南スーダンで政府軍と戦闘を続ける反政府勢力のトップ、マシェル前副大統領は、朝日新聞のインタビューに対し「7月に起きた戦闘で、和平合意と統一政権は崩壊した」と語っている。稲田朋美防衛大臣は10月8日に陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察するため、南スーダンを訪れている。しかし、首都ジュバ市内を防弾仕様の車で移動し、国連南スーダン派遣団のトップと会談するなど、会談中心にわずか7時間滞在しただけであった。現場視察は、国連施設内で避難民向けの退避壕を整備している自衛隊員の活動を、写真撮影などを含めて約5分間見ただけとのこと。とても、現地の治安について判断を下せる視察ではなかったようだ。

 紛争地であっても、人々の生活があり、子供たちの無邪気な笑顔に癒されることも多い。しかし、そんな平穏なひとときがいつ、銃声や爆撃によって破られるのかわからないのが紛争地だ。

 私は、現地が危険だから自衛隊は行くべきではないとは考えていない。PKOの現場に危険が存在しうるのは当たり前であり、ひとたび現地に派遣されれば、自分たちだけ安全な場所で活動したいという論理は通用しない。世界のPKOの現状は、部隊を送ることで外貨稼ぎをしたい発展途上国と、紛争の拡大を何としても食い止めたい周辺国が中心だ。そして、1994年のルワンダで虐殺を防げなかった苦い経験から、PKO部隊は中立であるよりも平和執行型、つまり、紛争の当事者になっても人道的措置を行うことが主流になっている。そこに無理やり自衛隊を派遣することのメリットとデメリットをもっと冷徹に判断すべきだ。安全であると国内向けには説明し、現地では危険なところには行きたくないとゴリ押しするのでは滑稽な存在と見られるだけだ。安倍総理は撤退を躊躇しないと言っているが、各国が一体化して活動を行っている時に、自分たちだけが危険だからという理由で撤退など簡単にできるはずがない。そんなことなら最初から行かないことだ。平和的な方法での貢献はいくらでもある。アフリカのPKO部隊の能力構築などもひとつの方法であろう。


 1992~3年にかけて展開されたUNTAC(国連カンボジア暫定統治機構)においては、紛争4派の和平合意が崩壊し、完全に紛争状態になっていたにも関わらず、政府はPKO5原則は崩れていないと現実とは異なる答弁をしていた。日本の自衛隊は士気も高く、現地では正確な仕事ぶりで信頼を得ていた。現場の実情を知らない政治家による判断が、活躍できる可能性を奪うのみならず、命のリスクを高めている。

 カンボジアPKOにおいては、自衛隊は当時もっとも安全と言われたタケオ州で施設大隊が活動し、国連の指揮下で活動していた文民警察や私たち国連ボランティアなどの文民要員は最前線で活動していた。実際に、文民警察の高田晴行氏、私の同僚だった中田厚仁さんは待ち伏せ攻撃によって殺害された。現地では駆けつけてくるのを悠長に待っている余裕などない。私たちは『軍』とは一体化しないことで攻撃されるリスクを回避させようとしていた。現地の言葉を覚え、ともに生活をすることで信頼関係を構築し、彼らからの情報に基づいて安全対策を講じていた。従って、状況を把握しない自衛隊が突入することで、より危険な状況を招く可能性もある。そこで交戦になって民間人に被害を与えた場合、部隊全体、また現地にいる私たち文民の活動がさらなるターゲットになる可能性が生まれる。

 政府軍が反政府武装勢力に扮して活動をしていることも多々ある。私が1995年10月、私はカンボジア・カンポット州で武装グループに襲撃を受けたことがあるが、給料が十分に支払われず、強盗団として暗躍していた政府軍の兵士であった。
 
 PKOの多くは安全だから活動するのではなく、危険だからこそ局面を打開するのが現地の期待だ。日本側の都合に合わせた現地情勢の解釈をし、日本側の都合に合わせた活動を要請し、日本側の都合次第で撤退するのでは、本当の信頼を得ることはできない。

 今後、自衛隊をPKOなどで海外派遣を検討する際には、事前、そして活動中の情報収集と分析のために前線に国会議員を駐留させてはどうか? 事前の情報収集に基づいて日本が可能な活動を提案する。国会が安全として派遣を決定した以上は、前線で活動を見守り、検証する。稲田大臣のようにまるでアリバイ作りのごとく駆け足で視察をするのでは意味がない。現地の状況を総合的に判断すべく、自衛隊やピアソンPKO訓練センター(カナダ)のような場所で一定の訓練を受けた上で情報収集・分析を任務とする役割を与える。最低でも数週間から数か月のローテーションを組み、自衛隊が任務を行う間、現地の宿営地に滞在する。各国部隊、難民キャンプや国内避難民キャンプ、またNGOの活動現場にも滞在し、現地の一次情報を自ら収集し、日本が可能な貢献について提案・報告を行うのだ。国会議員にはこのような能力に長けた人材もいるし、このことは日本がインテリジェンス能力を高める上での財産にもなるだろう。そもそも、危険かどうかの判断は国会にいてもわかるわけがない。自分の命が危険に晒されて初めて可能になると私は思う。


自衛隊から派遣された停戦監視員の方々と。他国軍の幹部クラスとともに治安情勢について情報収集と分析を担当していました


選挙実施の指導をしていた私とスタッフ


有権者教育を行う私


選挙当日、投票所の監視を務めた国連文民要員、現地スタッフ、文民警察とともに


モザンビークのPKOにおける選挙キャンペーンの視察時に


政治評論家だった舛添要一氏が研修中の私たちを現地取材に。より長期間、より現場に入って情報収集活動を行うことで、より良いPKO活動を行う問題提起は可能だ
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

日本にとっての好機にするしかないートランプ大統領が現実に

2016年11月10日 00時01分13秒 | 政治

 ドナルド・トランプ候補が圧勝した。ウォール街や巨大エネルギー企業、軍産複合体、製薬会社などの巨大企業が巨額の政治献金を行い、戦争を含めた政策を『買う』システム。1%の既得権益者に利益供与する代わりに残りの人々を置き去りにする政治。多くの人がこの現実に目覚め、ヒラリー・クリントン候補では何も変わらないと考えた人々が、どれほど個人的には嫌いであっても、トランプ候補に変化へのいちるの望みを託した結果であったと思う。そもそも大富豪であるトランプ氏自体が既得権者なのに、どうしてこれを壊してくれると考えるのか私には理解できないが、ヒラリー・クリントン候補があまりにも既得権の権化のようなイメージを持たれていることも大きな要因だろう。

 堤未果氏によるとクリントン夫妻が2001年以降に受け取った講演料は5300万ドル(53億円)になるそうだ。これが純粋な講演料であるはずもなく、政策をお金で買う政治を象徴している。トランプになってこれが変わるとも思わないが、とにかく現状を変えて欲しいという切羽詰まった人々の声を託すのがヒラリーでは有り得なかったことがトランプ大統領を生んでしまったのだと考えざるを得ない。

 私はバーニー・サンダース民主党大統領候補が火をつけたこの問題意識が結果的にトランプ候補を後押ししたと感じている。この3月にワシントンD.C.で講演した時、ちょうど大統領選挙の予備選がワシントンで開催されていた。私が対話した市民社会の中で、バーニー・サンダース氏の圧倒的な支持に比較してヒラリー・クリントンは全く人気がなく、今日の結果を予感させた。

http://blog.goo.ne.jp/xd…/e/73e096b0b6f3f4d1022aad1728642fbe

 世界の多くの国で、このシステムを壊したいと考える人々が異議申し立てをしている。しかし、もっとも変化が必要な日本は変わらない。変われない。その危機感を改めて感じた投票結果でもあった。

 しかし、トランプ大統領では、安倍総理といえども米国追従一辺倒というわけにもいかない。日本が初めて主体的な外交を行い、自立度の高い日米関係を構築する契機になれば、トランプ大統領の存在が日本の新たな状況を生み出す結果になるかもしれない。

 
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ここから必要なのは一致結束して代表を支え、ともに闘うこと

2016年09月15日 23時31分06秒 | 政治

 今日は臨時党大会に参加。蓮舫候補が代表に選出されました。闘いが終わればノーサイド。まず私たち全員が、全力で新しい代表を支えていかなくてはなりません。

 蓮舫候補、前原誠司候補、そして玉木雄一郎候補の訴え。それぞれに魂を込めてのスピーチは素晴らしいものでした。本物の危機感と、今こそ絶対に党を再生させる本気が滲み出ていたと思います。

 蓮舫議員が唱える、提案、対案を示すことで政権担当能力を示し、国民に選択肢を提供する路線。前原誠司候補が訴えたAll for All。つまり全ての人が負担をして、全ての人が受益者となることで分断を乗り越え希望を分かち合える社会の実現。そして玉木雄一郎候補が示した『こども国債』を通して子育て・教育予算の完全無償化を実現させる決意。それらは矛盾するものではなく、一致して取り組むべき課題だと思います。

 代表に選ばれた蓮舫候補の話で印象的だったのは彼女の名前の由来です。蓮は平和の象徴。戒厳令と白色テロの時代の台湾に生きてきたお祖母さんが、平和な世の中で生きてほしい。泥沼の中できれいな花を咲かせる蓮の舟(舫)のような女の子になって欲しいという思いを込めて名付けてくれたそうです。今の民進党の代表になることは泥舟の船頭になることかもしれません。しかし、まさに泥舟を蓮舫(蓮の舟)に、きらりと輝く、そして力強く進む大きな船にしなくてはならない。その使命を全員で担うのが私たちの役割だと思います。

 ただし、嵐の中の船出です。二重国籍に関する彼女の説明がブレた印象、それは私も同じです。この点については、より踏み込んだ説明が必要だと思います。一方で、世界的に国境や人種の壁や低くなる中、国境を超えた結婚により二重国籍を持つことはますます増えていくでしょう。そんな人々をヒステリックに糾弾する日本であれば、多くの外国人が日本で働き、生活することに躊躇するでしょう。私自身は岡田前代表が言うように多様性を象徴する蓮舫氏が代表になることは素晴らしいと思うし、いつか日本のリーダーになった時、それを誇りに思う日本でありたいと思います。

 批判・反対から提案を明示し、安倍政権に論戦を挑む政党に。政権与党がさまざまなしがらみゆえに実現が難しい政策を国民目線で作り上げ、国会で議論する。政治によって生み出された不公正を政治の力で変えていく。そんな役割を果たすことができれば必ず支持を回復できると確信しています。

 広島カープが25年ぶりの優勝を遂げました。圧倒的に資金力では不利な状況で長年低迷しましたが、無名の選手を鍛え上げ、粘り強く闘っての優勝。この姿こそ我々が見習わなくてはなりません。一朝一夕に信頼回復はできませんが、生まれ変わる勇気を持ち、地道な努力を一歩一歩積み重ねることが唯一の方法だと思います。今回の代表選、そんな党に生まれ変わる転換点にしなくてはなりません。


代表選挙の討論会で


臨時党大会での蓮舫新代表決定後。


私自身は路上で、駅頭でひたすらファイトを続けるだけです。


まずは少しでも知ってもらうこと。ポスター掲示へのご協力は本当にありがたいです。


コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

急斜面での森林作業を経験して

2016年08月25日 20時44分42秒 | 政治

 昨日、今日は大台ケ原に連なる大台町の山中で森林作業をお手伝いさせて頂きました。急な斜面を数百メートルよじ登ったところが二日間の仕事場。まずは斜面に点在する間伐材にワイヤーをかけて滑車を使って一か所に集めます。そこでチェーンソーを使って3メートル強に切り、さらに滑車で麓に運ぶのが作業です。

 私の役割は、斜面に点在する間伐材に這うように移動してワイヤーをかける補助作業。急斜面の上に足元が崩れやすく、掴むものもほとんどないので、常に谷間に滑落する危険がある中での作業でした。もっとも私がどれほど役に立ったのかわかりません。作業員の方が斜面を移動する手間が少しだけ省けたぐらいだと思いますが…。二日目の今日はトビという道具を使って昨日の作業で集積された間伐材を転がし、ワイヤーをかけやすくする作業の他、チェーンソーを使って間伐する作業も行いました。

今、林業は機械化されていて、これほど過酷な環境での森林作業は、今はほとんどないとのこと。機械を使うためには斜面を削って道路を作らなくてはならないのですが、伐採後には使い捨て道路になる例が多いそうです。機械を使って皆伐してしまうと森林環境は破壊され、山崩れなどの原因にもなります。したがって、環境に配慮しながら間伐材を手作業で運び出すこのような作業には大きな意義があります。一方、植えてから50年ほどの杉の間伐材は、こんなに過酷な作業で運び出しても一本8千円ほどとのこと。価格競争ではとても勝負にならず、補助金をもらっての事業です。しかし、このような仕事に従事している若い森林作業員の方々からは体を張って地域の環境を守る事業に従事している誇りを強く感じました。

 林業は、森林資源を有効活用することで、防災、再生可能エネルギー産業、さらに観光産業の振興にもつながる重要な産業です。木造建築の高層化を可能にする法整備、CLTに代表される新たな木質部材の開発など林業に対する予算確保を後押しすることは地域の活性化につながります。本来は大きな可能性のあるこの仕事に、若者たちがもっと夢を持てるように環境整備するのは政治の役割と改めて強く感じました。



チェーンソーで間伐を行う


木を切り倒した直後の私。30年ほど経過した杉を間伐しました。


トビを使って丸太を動かす私


ワイヤーをかける作業


急峻な斜面を移動する


滑車を使って麓まで間伐材を降ろす


今回作業を行った斜面。数百メートルの急斜面を何度も足を滑らせながら登りました。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

松阪牛の産地を歩いて地域の課題をヒアリングする

2016年08月23日 21時46分44秒 | 政治

 今日は松阪市の飯南、飯高地区を『平和コンパス』で一緒に活動している樋口喜一郎さんに案内して頂き、様々な地域の課題をヒアリングして歩きました。

 特に特産松阪牛の飼育で高名な方を訪ねてのお話は興味深いものでした。芸術品のような霜降り肉は、交配の妙と、干し草を煮込んで食べさせていることなど、丹精込めた飼育によって生まれること、350キロ前後の牛が一番味が良く、急激に大きくして脂肪分の多い牛にはしないこと、最近、『松阪牛』のブランドは範囲が広くなったが、全体の6%程度と言われる特産松阪牛の飼育にこだわって育てていることなどをお聞きしました。広く清潔な牛舎。血流を良くして肉質を安定させるため、ビールを飲ませたり、マッサージをしたりして育てていると言われる牛の色艶の良さ、また、おとなしく優しい目を見ていると、まさに家族の一員のような愛情を注いで育てていることも実感しました。

 7月末に新しいポスターを作成し、各地を歩いて掲示のお願いをしています。三重4区(松阪市、多気郡、津市の旧久居市、一志郡)全体で200枚ぐらいに増えましたが、まだまだ目立つ場所には少ないので、しばらくは最優先で取り組みたいと思っています。ご協力を頂ければ幸いです。









コメント
この記事をはてなブックマークに追加

売られていないケンカを買いに行くことはテロの要因になり得る-安倍政権の憲法改正を阻止すべき理由

2016年07月05日 17時25分02秒 | 政治

 三重県選挙区は大接戦、大激戦になっています。芝ひろかず候補は、今のところ僅かにリードを許していますが、無党派層の支持では明確にリードしています。投票率が上がれば勝ち、低調に終われば負けます。少しでも選挙を盛り上げ、投票所に足を運んでいただくためには何をすべきか、何を訴えるべきか、最終盤の活動は、そんな視点で駆け回っています。

 昨日(4日)は松阪地区の決起集会があり、1258人が参加して下さいました。関係者、参加者の方々には心から感謝を申し上げます。また、3日は市民連合主催の集会があり、2000人が参加しました。『戦争ができる国にはしない』一念で老若男女が集結し、会場をピンクのプラカードが埋め尽くす様子を見て、選挙の風景が大きく変わりつつあると実感しました。

 先日、トルコ、バングラデシュ、イラクで相次いでテロが発生し、バングラデシュでは7人の邦人が犠牲になりました。海外での開発援助に関わっていた者として、何とも痛ましく思います。バングラデシュはグラミン銀行のプロジェクトをリサーチしたり、国会議員としてもチッタゴン丘陵地帯の平和構築に関わるなど、私自身も多くを学んだ国です。
犯行現場になったグルシャン地区のレストランは何度か訪れたこともあります。私が深刻に捉えるべきと思うのは、これがイスラム国(IS)の犯行であり、『非イスラム教徒』として日本人がターゲットになり、残忍な方法で殺害される理由になってしまったことです。ISによるテロのターゲットがより広範囲に広がりつつあることを実感します。

 私自身、海外で平和構築活動を行う中で何度か襲撃や脅迫を受けるなど身の危険を感じることがありました。特にアフガニスタンとパキスタンの国境地域にいた2002年には、『米国の対テロ戦争を支持する』小泉首相(当時)の判断により、自分自身が憎しみの連鎖の中に身を置いていることを痛感し、切実な命の危険を感じました。支持しただけでこのような状況を招くのですから、米国による戦争を下請けするために『売られていないケンカを買いに』集団的自衛権を行使することになれば、日本国内がテロのターゲットになる可能性が極めて高くなります。世界的に見て警備が極めて脆弱な原発が狙われる可能性も否定できません。

 今回、安倍総理は憲法改正を争点から隠していますが、憲法を改正し、集団的自衛権行使の範囲を広げる意志があることは明確です。しかし、日本がテロリストに狙われる口実を与えてしまった時、私たちが払う経済的、社会的コスト、そしてリスクは膨大なものになります。このような状況を未然に防ぐためにも、安倍政権による憲法改正は何としても阻止しなくてはなりません。

 そのためにも、三重県選挙区では芝ひろかずの必勝に向けて最後の瞬間まで全力疾走を続けます。










コメント
この記事をはてなブックマークに追加

民進党よ、都知事選は攻めに徹した戦略で臨め

2016年06月21日 00時19分33秒 | 政治

 参議院選挙に続いて都知事選挙が行われることになった。民進党には攻めに徹した戦略で臨んでもらいたい。安倍政権の暴走を止め、緊張感のある国政を取り戻すためにも。

 民進党はもっとスターを生み出す発想が必要だと思う。猪瀬知事、舛添知事と二代続けて自民党が推薦した知事が政治資金に関する不祥事で辞職。今回の都知事選挙は、少なくとも相手は逆風からのスタートになる。知事や市長はいわば地域大統領。国政に比べて政策や個性をアピールする機会も多く、オリンピックの顔になる特別な役割も担うことになる。改革への情熱とリーダーシップがあり、発信力のある候補を擁立できれば十分に勝てる可能性があり、それが民進党への支持を取り戻す大きな可能性を生み出すことにもなり得る。

 現状では蓮舫参議院議員がベストに近いと思っていたけれど、彼女の不出馬は残念。乾坤一擲の勝負をして欲しかった。しかし、良い候補者になる可能性がある人を全力で説得し、全力でサポートして何としても勝たなくてはならない。もちろん、相乗りなどは論外だ。



舛添都知事の問題を例に、金持ち優遇の政治から、公正な社会をつくるための政治に!とJR松阪駅前で訴える



コメント
この記事をはてなブックマークに追加

国連ボランティア終身名誉大使・中田武仁氏の逝去に思う

2016年06月17日 23時19分22秒 | ボランティア

 中田武仁氏が逝去されました。心からご冥福をお祈り致します。

 武仁氏との出会いは1993年4月11日。ご子息・中田厚仁氏の追悼式の場でした。厚仁さんが生まれた時に庭に植えた桜の一枝を持ってプノンペンに来られた武仁氏。壇上に立ち、毅然とした態度で英語でスピーチされた姿の気高さに、体が震えるほどの勇気と誇りを感じました。

 『親おもう 心にまさる 親心 けふの音づれ いかに聞くらん』

 吉田松陰が刑死した時の辞世の句です。「誰かがやらなければならないことがあるとすれば、僕はその誰かになりたい」そんな自らの意志を実現するため、平和な日本を離れ、カンボジアでももっとも危険なコンポントム州を志願して、若い命を散らした最愛の息子。知らせを聞いた気持ちはいかばかりかと思うと、私はもう、胸が詰まってまともに目を合わすことはできませんでした。それでもご挨拶しなければと思い、勇気を振り絞ってプノンペンでの研修期間中ルームメートとして過ごしたことなどを話しました。

 柔らかいまなざしで私を見つめ、落ち着いた口調で言われた言葉、心に焼き付いています。「お世話になりました。おかげさまで厚仁も幸せな人生を送れたと思います。ありがとうございました」

 その後、私の著書『心にかける橋』の推薦文を書いて頂いたり、何度か講演にも来て頂きました。『世界市民』としての生き方について、また、厚仁さんに影響を与えたポーランドでの経験などについての感動的なお話に、多くの私の友人、また学生も大きな影響を受けました。

 1995年10月1日、私自身もカンボジア・カンポット州で武装集団に襲撃されたことがあります。命の終焉を覚悟した全身が凍り付くような恐怖、一瞬の後に実感した生きる喜び。それは自分にとって運命的な瞬間でした。自分の命が大切であると同時に、他人の命も同様に尊いのです。身近な人が命を奪われ、自分自身も命の危機に瀕した経験は、自分の使命を明確にしてくれました。平和の尊さ、戦争の悲惨さを伝え、平和構築に寄与すること-私の政治活動の原点です。昨年末に訪れたナカタアツヒト学校について報告できなかったことが未だに心残りです。

 この写真は追悼式などでの遺影にも使われました。任地コンポントム州に向かう厚仁さん。私と握手した時の輝くような笑顔、忘れられません。(1992年9月8日撮影)

 映像:『世界を変えた100人の日本人 カンボジアの民主化のために生きた若者 中田厚仁』
 
コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

サミットにおける安倍総理の『リーマンショック前夜』偽装の茶番

2016年05月30日 20時25分44秒 | 政治

 安倍総理は昨日、消費税増税を2年半再延期する方針を示した。世界経済は危機的状況にあり、リーマンショック級の事態が迫っているのがその理由だそうだ。そうすると再増税は次の次の参議院選挙の後になる。そのときは安倍総裁の任期が終わっている。約束したはずの消費税増税からは逃げて逃げて支持率を維持し、悲願の憲法改正によって米国の戦争を下請けできる国へと突き進もうとしている。

 安倍総理によるこのようなまやかしは珍しいことではない。しかし、従来は関係者への事前の根回しや身内のメディア、ネット応援団などと一体化して行うのが常とう手段だ。その意味では見事なまでに用意周到なのだが、今回は、世界の首脳の前で唐突に、都合のいいデータだけを表面的につまみ食いしてリーマンショック級の危機が迫っていると宣言し、財政出動への協力を求めた。キャメロン英首相、メルケル独首相などは即座に拒絶し、安倍総理の提案はサミットの首脳宣言には盛り込まれなかった。当然であろう。

 数日前の蔵相会議では麻生財務大臣は消費税増税は予定通りと約束をしている。この数日のうちに大きく世界経済が変わったわけでもない。どうやら身内の財務大臣にさえも相談せずに暴走したようだ。

 サミットの議長という立場で仕組んだ茶番が失笑とともに却下されるとは世紀の大失態だ。 

 海外メディアは容赦なく批判をしている。英国の高級紙The Timesは、安倍総理を指していると思われる風刺画で『Bloody Idiot』と表現しているが、柿沢未途衆議院議員が外務省に確認したところ、『程度のひどいアホ』というニュアンスの言葉だそうだ。まさに国辱ものだ。

 このようなめちゃくちゃな理屈を作り上げたのは、消費税増税ができない状況をアベノミクスが失敗したからだと認めたくないからだ。

 2014年11月、消費税増税の延期を争点に衆議院選挙を解散した時の安倍総理の説明を引用する。

「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。」

 「リーマン・ショック並みの経済危機」あるいは「東日本大震災級の大災害」が起らない限り、2017年4月の消費税増税実施に踏み切ることを明言していたのだ。これは国際約束であり、衆議院を解散した結果成立した消費税法の改正によって法律にもなっている。消費税増税が可能になるようにアベノミクスを軌道に乗せますと言いながら、とても上げられる状態にならなかったため、リーマンショック級の自体が予測される世界経済の失速が迫っていると根拠もなくこじつけようとしたのだ。世界各国の首脳はそれぞれに経済発展と財政再建を両立させる努力をしている。その結果、米国は利上げを行おうとしているが、本当にリーマンショック前夜であれば利上げを行うなどあり得ない。日本よりも遥かに良い経済状況を実現している首脳がこのような茶番に付き合わされる理由はなく、即座に拒否したのは当然である。

 私たちも消費税増税には反対だ。それは金持ちを大金持ちにするアベノミクスが失敗し、逆進性の強い消費税増税を行える環境にはないからだ。私は1%の富裕層のための政治ではなく、残りの99%に安心と希望を与える政治に変える必要があると考えている。5月11日のマニフェスト会議(インターネットテレビ会議)では、その実現のためにはデフレ脱却まで消費税を5%に戻し、所得税、相続税の累進課税の強化や、環境税・炭素税の本格導入、資産課税強化など、金持ちから税金を取って公正な再分配を行う制度構築が必要と訴えた。平等性を促進する税制は総需要拡大に効果があることが明らかだからだ。

 一度破った約束をもう一度衆議院選挙で問うのは税金の無駄遣いであり、国民の政治不信を増大させるだけだ。

 安倍総理が行うべきは衆議院解散ではなく、内閣総辞職だ。



暗くなる直前まで街頭演説で上記のような内容を訴えていました。
コメント (3)
この記事をはてなブックマークに追加

オバマ大統領の広島訪問に思う(2)-具体的方法を語らずして核廃絶の本当の決意は示せない

2016年05月29日 00時54分45秒 | 政治

 オバマ大統領が広島を訪問しました。71年の時を経て現職の米国大統領が広島を訪問したことには大きな意義があると思います。

 オバマ大統領は、大学を卒業した後、多くの仲間がウォール街を目指す中、ニューヨークの出版社と公益法人で4年間勤務。その後、シカゴに移りコミュニティー開発プロジェクトに参加して、失業者の再教育、貧しい黒人向けの公営住宅建設プロジェクトなどに携わったそうです。また、学生の頃からどうすれば核のない世界を作れるか、研究し、自分のテーマにしていたそうです。彼が見せる政治的意志には、より良い社会を作ろうとする純粋な思いを感じます。

 広島で見せた表情や態度には品格があり、スピーチも格調高いものでした。これが大統領になったばかりの頃なら良かったのかもしれません。しかし、プラハ演説で核なき世界の実現を誓い、ノーベル平和賞を受賞しながら目立った実績は上げていないオバマ大統領にとって、広島でのスピーチは核兵器廃絶の実現に向けて本当の覚悟と戦略を示す最高のチャンス。ところが、詩的な言葉だけで終わらせ、核廃絶に向けた具体的な計画を何も語らなかったことが残念でなりません。

 米国では、今後30年間に1兆ドル(110兆円)もの巨額の税金を投入しての核兵器の小型化、ステルス化など再開発プロジェクトが進行中です。あのスピーチでは米国の核兵器に対する姿勢を変えるほどの影響力を持つとはとても思えません。個人の願望として核なき世界を目指す気持ちはわかりますが、米国大統領としてやっていることとは明らかに矛盾します。

 ひとりの人間としてのバラク・オバマ氏は好きなのですが、大統領として考ええると、今回の広島訪問は大統領としてのレガシー(遺産)作りの一環としか思えないのが残念なところです。




(上記写真はwashingtonpost.comより引用したプラハ演説の様子)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

オバマ大統領の広島訪問に思う-まずは原爆のリアルを伝える資料館を

2016年05月27日 15時09分42秒 | 政治

(1)各国の戦争資料館と広島の原爆資料館の大きな違い

 私は『紛争後の平和構築(Post-Conflict Peace Building)』が専門分野であるため、各国が戦争をどのように記録し伝えるかに関心を持ってきた。ユダヤ人の強制収容所として悪名高いアウシュビッツや、ポル・ポト派による殺害や拷問の場であったカンボジアのツールス・レン強制収容所、ベトナム戦争における米軍の残虐行為を展示した戦争証跡博物館などは殺された人々の断末魔の叫びが伝わってくるような展示であり、私の人生にも大きな影響を与えた。

http://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/ecc89998caca585167369a741c8686b1 
アウシュビッツで想う平和の意味

 昨年は特に、日本にとって不都合な真実にどのように向き合うかをテーマに、中国の『南京大虐殺紀念館』、日本軍による人体実験や細菌戦の研究がされたハルビンの『侵華日軍第731部隊罪証陳列館』、また、満州事変から満州国建国、そして日中全面戦争へ至る歴史過程を中国側の視点で展示した『9・18歴史博物館』などを訪れた。それぞれが、日本人として見学することがいたたまれなくなるほど膨大な資料を展示し、またジオラマなどを使って効果的に伝える工夫もなされている。

 痛感したことは、戦争の資料を展示することにはそれぞれの国における歴史的役割があり、政治的メッセージを最大限込めたものになっていることだ。結果として国家としての品格など、様々な要素が浮き彫りになる。多くの場合、他者の残虐行為は詳細に展示するが、自分たちの過ち、非人道的行為に正面から向き合い認めることは、戦争の大義、現政権への影響、退役軍人などへの配慮もあって困難を極めるのが現実だ。

 中国の記念館の中には日本による残虐行為、そしてその規模を強調することが目的化していていると感じるものも多い。被害に遭われた方々に対しては心からお詫びの気持ちになる一方で、歴史的、科学的な検証に耐えられる普遍性を備えているものなのか疑問に思うものもある。

 その中で、私がもっとも感銘を受けたのは、『撫順の奇跡』と言われる撫順戦犯管理所旧址だ。周恩来首相は「ひとりの死亡者も脱走者も出さないように」と通達。人道的な配慮によって戦犯を生まれ変わらせるモデルケースにしようと断固とした政治の意思を感じて感銘を受けた。この試みには中華人民共和国という新生国家の優越性を示す政治的目的があったであろうことは言うまでもない。それにしても、戦犯たちの写真のイキイキした表情やその後の生き様を見ていると、この戦犯収容所は、国家や体制、また過去の不幸な歴史を乗り越えた『撫順の奇跡』という形容が決して的外れではない場所だったと実感する。

http://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/decd5235101d1f6cc5f8cb72ec1c2203
不都合な真実を直視することの難しさ-安倍談話と『撫順の奇跡』に学ぶ

 また、非常に考えさせられたのは、昨年8月15日にリニューアルされた『侵華日軍第731部隊罪証陳列館』だ。各国の歴史記念館と比較しても圧倒的な展示量と工夫された見せ方、科学的根拠に基づいた立証、プロパガンダを薄めて普遍性を高めようとする姿勢に感銘を受けた。克明に人道的犯罪を記録・展示している一方、だからこそ平和への努力が必要であり、罪状を告白し謝罪している日本人もいることも丁寧に展示している。一段高いレベルを志向していることが伝わって、日本人の歴史に対する見解も、もっと進化させなければと痛感した。

 ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館を訪れたのはちょうど原爆資料展が退役軍人の反対によって中止に追い込まれた1995年だった。原爆を投下したエノラゲイに乗り込んだ20歳前後の若者たちの晴れやかな表情を見ると、彼らは1903年に初めて空を飛んだライト兄弟、セントルイス号に乗り大西洋を横断に成功したリンドバーグなどと並ぶ米国の航空科学の歴史における栄光を象徴する存在とさえ感じられる。

 一方で、すぐ近くにあるホロコースト博物館においては、ナチスの残虐行為が徹底的に展示され、そのボリュームは丸一日かけても全てを見ることは不可能と思える膨大なものだ。エノラゲイの展示とのコントラストには強い違和感を感じざるを得なかった。


(2)あまりにも控えめな展示に拍子抜けし、怒りが込み上げた広島の原爆資料館

 何の罪もない民間人の人生を一瞬のうちに破壊し、終わることのない後遺症や心の傷を与えた原爆は間違いなく人道に対する重大な罪である。唯一の被爆国でもある日本は、そのことを伝え続ける使命があると思う。

 しかし、前述した各国の戦争博物館と比較すると広島の原爆資料館は非常に印象が薄い。最初見学した時、正直に言うとあまりにも控えめな展示に拍子抜けした。曲がったビール瓶、溶けた瓦など、原爆でなくてもそうなりそうな展示が大半を占め、巧妙に、原爆の残虐性、非人道性を排除した淡々とした展示になっていると感じた。水を求めて辿り着いた川に折り重なるような死体の山、全身がケロイド状態になりパンパンに膨らんだ死体、走って逃げている格好のまま燃えて炭になった人間。それまでに聞いていた、原爆の恐ろしさをリアルに伝える、胸をえぐられるような展示の数々を想像し、覚悟を決めて行ったにもかかわらず肩透かしを食った思いで、原爆の真実を伝えていない展示への怒りがふつふつと込み上げてきた。

 一方、長崎の原爆資料館はより犠牲者に焦点を当て、遥かに印象的で心に突き刺さる展示になっている。さらに心に迫るのは沖縄だ。ひめゆり平和祈念資料館、沖縄県平和祈念資料館の戦争によって死の恐怖と闘う人々の手記からは、死んでいく家族や仲間の無念の思い、米兵によって焼き尽くされる人々の凄惨な様子などが伝わってくる。戦争によって人々の希望や夢、平和な生活が打ち砕かれ、今、まさに死に直面している恐怖や怒りが切々と綴られている。このようなリアルな姿を示すことこそ資料館の使命ではないかと思うと、もっとも有名な広島の原爆資料館の存在の意味について考えざるを得なかった。

 実は、広島市民から提供されたものの中には、突き破った骨が埋め込まれたコンクリートの残骸など、原爆の恐ろしさをリアルに伝えるものが実は沢山あると聞いたが、さまざまな事情でそれらは展示されないらしい。私は広島の原爆資料館に行くたびにいろんな外国人に声をかけて展示を見た印象を聞くことにしている。ついに資料館を見たという満足感、高揚感もあって、「ショックを受けた」「原爆の恐ろしさを感じた」と、お約束の反応をしてくれるが、「これまでの人生で見た他の戦争記念館と比較したらどうですか?」などと聞くと、「言われてみればあまり心に迫る展示ではないね」「これだけ?って思ったよ。これ以外にも展示があるの?」と反応が変わってくる。グロテスクな展示を求めているわけではないが、それなりの覚悟と純粋な思いを持って見学する人たちがすぐに忘れてしまうような奥ゆかし過ぎる展示であれば、原爆の恐ろしさを伝え、核のない世界を作るという目的に寄与することは難しいと思う。

 米国では原爆が戦争を早期終結させ、さらなる被害を抑止したという考えが未だに主流である。国際人道活動を一緒に行った仲間だった米国人が、I’m sorry for second atomic bomb on Nagasaki!(「長崎への2発目の原爆は問題だったと思うよ。」と真顔で言うのを聞いた時は怒りが込み上げた。しかし、これが現実だ。この評価を覆すことは並々ならぬ努力と時間がかかることを実感した。

3.オバマ大統領に求める心からのメッセージと具体的な行動

 オバマ大統領が今回広島を訪れることは率直に評価したいと思う。米国大統領として広島を訪れることの重さ、今年が大統領選挙の年であることを考えると言動に慎重になる事情はわかる。

 マスコミ報道を見ていると『謝罪を求めるべき』という意見がほとんど論点になっていないのを感じる。安倍政権は、原発も含めた原子力に対する反発が燃え上がることは避けたいこと、また、中国や韓国に対する牽制の意味があって最初から謝罪を求める態度などはおくびにも出すべきではないと考えているようだ。また、近々訪れるとされている真珠湾に対する態度との整合性も考えているのかもしれない。

 私の率直な思いは、オバマ大統領が原爆の非人道性を強く認識し、自身がノーベル平和賞を受賞する要因にもなった『核なき世界を実現する』本当の思いがあるのであれば、ひとりの人間としての心からのメッセージを発するべきだ。謝罪の意味が含まれていればより決意が際立つのは当然だ。それが政治的に難しいとしても具体的な行動の決意を伴った、心に響く強いメッセージを期待したいと思う。侵略された側、被害を被った側の立場に徹底して立ってこそ、未来志向の関係を築く一歩になるのだ。

 そして2018年にリニューアルされる新たな原爆資料館は、米国のご機嫌を取ることよりも、一人一人の人間に焦点を当て、科学技術も駆使して、原爆の非人道性、米国側の態度とその変化、核廃絶の様々な闘いなどにも焦点を当てた歴史の評価に耐えうるものにして欲しいと切に願う。



『侵華日軍第731部隊罪証陳列館』にて


献花の順番を待つ人々(2015年8月6日)


数千人が銃殺されたアウシュビッツの『死の壁』


戦犯による運動会(撫順撫順戦犯管理所旧址)




コメント
この記事をはてなブックマークに追加

アフガニスタン人の友人が官邸前で行ったデモと声明-日本の援助が民族対立の要因になってはならない

2016年05月20日 23時34分19秒 | 政治

 この17日、友人のアフガニスタン人(ハザラ族)ヒサールさんが中心になって首相官邸前でデモを行いました。アフガニスタンへの日本の支援に対する感謝の思いを伝えるとともに、日本の援助が民族融和ではなく、民族対立をあおるために使われていることを指摘し、ぜひ考え直してくださいと平和的に、しかし切実に訴えるデモです。

 ヒサールさんは、私が首藤信彦衆議院議員の政策秘書をしていた時、米国による対テロ戦争によって日本にやってきたアフガニスタン難民で、私たちは何とか難民認定を受けられるよう協力をしていました。今回、デモの後、できれば国会議員に声明を渡したいとのことでしたのでアフガニスタン情勢に関心のありそうな何人かの国会議員にお願いしましたが、残念ながら国会は今、選挙モード。時間を調整してもらうことは叶いませんでした。私自身も現場には行けませんでしたが、ヒサールさんが首相官邸前で読み上げた声明をそのまま紹介したいと思います。


 「日本のみなさん こんにちは。私たちは日本に住んでいるアフガニスタン人です。 留学生から会社経営者まで 立場はさまざまですが、本日はアフガニスタンにいる国民の声を 日本政府と日本国民の皆様にお 伝え するために、集まりました。警備、警察のみなさん、本日はご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

 まずデモを始める前に、先月、熊本県を中心に発生した、九州地方の地震において被災された方々に黙とうを捧げます。

 まず、私たちはアフガニスタン国民の代表として日本政府、日本の国民の皆さんにお礼を伝えたいと思います。

 アフガニスタンでは長く続いた内戦が終わり、現在は国の復興と成長に向けて歩んでおります。2001年にアフガニスタン暫定政権ができてから、日本はいち早く国際社会の先頭にたって、アフガニスタンの復興を支援して下さいました。2002年のアフガニスタン復興支援は東京会議から始 まり、兵士武装解除、社会復帰のDDR、治安維持、能力強化、人道支援、文化、教育、人材育成、インフラ整備、農業支援、医療、そして、大統領、議会選挙の選挙支援にいたるまで、幅広い分野でアフガニスタンの復興にご協力をいただくとともに、多大 な資金協力をして下さいました。日本からの支援は、つまりは日本国民の皆様からのご支援であります。私たちは日本政府をはじめ、日本国民の皆様一人一人に心から感謝しております。警備 さん、警察の方々、いま立ち止まって聞いてくださっている皆様、ご通行中のみなさまの一人一人の税金で、私たちの国は復興に進んでいます。本当にありがとうございます。

 さて、今回のデモの主旨ですが、現在、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタンを結ぶ送電 線網、構築、プロジェクト、通称TUTAPが計画 されています。このプロジェクトは、アメリカ、日本が中心となり、また日本からの多大なご支援により進められようとしております。

 ドイツの電力専門企業が、皆様もご存じのバーミヤンからのルートが一番最適、安全であると公表し、カルザイ前政権ではその計画を承認しました。政府は、アフガニスタン憲法 6条において、国のすべての地域、すべての民族に平等と同等の開発を与える必要があることを言っています。しかしながら、TUTAPプロジェクトでは、現在の政府のリーダーたちは、電気ケーブルのメインルートであるバーミヤンをルートから除外を決定しました。アフガニスタン政府はケーブルに関するアフガニスタンの人々の正当な要求に注意を払っておらず、政府の非道と独占的決定を主張 しています。

 私たちは、バーミヤンの人々は、そのような決定は不合理であることと、国益とは反対の方向へ進 む決定であると思っています。この誤った政策により、短期および長期的に経済的に損失を生み出すでしょう。またすべての州に平等な開発という憲法に反しています。バーミヤンの代わりの送電ルートのサランルートは、十分な 安全性とセキュリティの欠如 が あります。

 それはロジックと開発の確立された慣行と互換性がなく専門家の過半数によってサポートされていません。人々の大半は、サランルートへの移行に不満を覚えています。本来このTUTAPプロジェクトは経済発展の大きな後押しをするすばらしいプロジェクトであり、経済を取戻し、発展をすることは、つまりはご支援をいただいた世界の 国々、そしてその中でも日本の皆さんに恩返しをするチャンスでもあるのにもかかわらず、政府、官僚の私利私欲、非道、差別 によりこの国の重大なプロジェクトを衰退に導くものとなります。バーミヤンの人々、そして私たちアフガニスタン国民は、このアフガニスタン政府の決定は賢明ではなく、そのような決定に頑固に固持することは独裁以前の何ものでもないと思っています。この TUTAPプロジェクト問題について日本にはニュースはありませんが、先のほども申し上げましたように、日本の皆様のご支援により進められています。

 アフガニスタンだけでなく、今は世界中でデモが行われています。このデモを通じて私たちはアフガニスタン政府にすべての国民への義務を尊重し、すべての国民が平等の権利と平等の開発の平等原則をアフガニスタン政府に求めています

 このような平等な権利は憲法で強調し、バーミヤンにも平等に電気を通すことを求め、1 日でも早くこの不当な決定をやめ、国内および国際的な専門家にゆだね、真剣に政策を見直 しするように求めています。私たちは、表明します。民主的な需要を聞くために、政府に圧力をかけるために、貧困緩和と持続的な発展に責任を持っているアフガニスタン政府、国家 および国際人権団体、国際機関、援助国に寄付の資金が支配者と独占企業の政治家の個人的な意志の開発・ロジックに使用される傾向を見逃さないように訴え続けます。私たちはバーミヤンの住民の声、アフガニスタンの声として、アフガニスタン政府に対して、不正な計画を改めるように抗議します。日本政府に対して、日本国民からの税金を支援して拠出した後 に、正当に使われているかを監視 管理することをお願いしたいことと、日本は多大な協力をしているという強い立場から、ぜひ不正な計画を改めるようにアフガニスタン政府を指導 をしていただきたく思います。

 私たちは日本の国民の皆さんの税金が不平等に使用され、このような現状になっていることに対して、アフガニスタン政府に憤りと怒りを感じているとともに、早くこの問題が解決 し、このプロジェクト 正当に進 められて、1 日でも早く復興発展をとげて日本の皆様に恩返しができる国になりたいと思っています。最後に、もう一度、日本の皆さんどうもありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いいたします。御静聴ありがとうございました。」


コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

舛添都知事の報道が隠してしまう『パナマ文書』が示すあまりにも不公正な構造

2016年05月19日 00時52分31秒 | 政治

 引っ越しに伴う資料の整理をしていたら、『戦無派日本人のカンボジア』という単行本の中で、UNTACでの選挙支援活動(1992~3年)について私がインタビューされている記事を発見しました。その中で、今、渦中の舛添要一東京都知事とカンボジアで一緒に写った写真も載っていました。それ以前にテレビで見た評論家としての舛添氏の語り口や態度、私は好きではありませんでした。しかし、カンボジアでお話した後、現地で銃撃を受けて亡くなった中田厚仁さんを追悼する文集に宛てて綴ってくれた一文は、とても心を打つ素晴らしい文章でした。

 東京都知事としての公費などの疑わしい使途についてはしっかり追及すべきと思いますし、決して舛添都知事を擁護するつもりもありません。しかし、この問題と同時期に明らかになり、世界を震撼させている『パナマ文書』は遥かに大きな問題であり、国内のメディア報道が舛添知事の問題に偏ることは明らかにバランスを欠いていると思います。

 タックスヘイブンに集中している超富裕層の資産は、21兆ドル(2400兆円)と概算される天文学的な数字です。大金持ちが法の抜け道を使って税を逃れうるこの構造は、今の法律上違法ではなくても、本質的にはあまりにも不公正です。日本政府は現状を静観する方針との事で、菅官房長官は早々に調査はしないと声明を出しました。しかし、0.1%の富裕層の税逃れを放置し、99%の庶民に税を負担させる不公正な構造をそのままにしておくのは正義と言えるのでしょうか? アメリカ大統領選挙で民主党のサンダース候補が主張するように、ここにメスを入れることさえできれば、貧困層の医療をサポートしたり、公立の大学を無償化することなどたやすいことと思われます。

 企業がタックス・ヘイブンの地に拠点を置くこと、それは違法ではありません。しかし、EU各国は「パナマ文書」で明らかになった自国の企業を脱税容疑で捜査を開始しました。一方、消費税を引き上げ法人税を引き下げる日本政府は沈黙を保っています。参議院選挙前に国民の怒りが爆発することを懸念してのこととすれば、明らかに道義的責任の放棄です。

 2007年、消えた年金問題で大騒ぎになっていた頃、当時の安倍首相が「国民の不安を煽る結果になる」と調査を拒否したことを思い出します。

 さて、今回パナマ文書を分析したのはワシントンに拠点を置く「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」です。この団体はUSAID(米国国際開発庁)やジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティー」、また「フリーダム・ハウス」の支援を受けた団体です。私はこの3月にワシントンで講演をした際、フリーダムハウスを訪れました。グルジアやキルギス、ウクライナなどの民主化を実現したカラー革命への関与などについてヒアリングする機会がありましたが、『民主化支援』の最大の目的は米国の大企業の利権を守ること。そのために彼らがこれらの団体に巨額な寄付を行っていることもまた、民主化支援を巡る現実と実感しました。

 今回、プーチン露大統領やキャメロン英首相、習近平中国国家主席などの名前がパナマ文書で公開され、アメリカの政治家や企業の名前が出ていないことは不思議です。高島康司氏は「パナマ文書で世界の富裕層を「脅迫」しはじめたアメリカの苦境」の中で、OECDが成立させた「共有報告基準」にアメリカは調印を拒否し、「外国口座税務コンプライアンス法」を楯にして、他の国々の金融機関に口座内容などの情報をすべて開示するように求める一方で、アメリカ国内の金融機関の情報は他の国に対して一切公表しなくてもいいようしていると書いています。つまりアメリカ国内に租税回避を目的とした秘密口座を持っていたとしても、これを他の政府に開示する義務はないのです。驚くほど公平性を欠くと言わざるを得ませんが、このようにして、中国やロシアのリーダーに打撃を与え、イギリス系のタックスヘイブンを潰し、アメリカ国内のタックスヘイブンに世界の超富裕層の資金を集中させて、米国経済を活性化するのが目的なのかもしれません。

 この不平等な仕組み、日本が様々な不利な条項を飲まされた(したがって安倍政権は公開できない)TPPを巡る構造と共通するのを感じます。パナマ文書の問題についてはわからないことが多いのですが、本質的な構造の問題点については、今後も注視していきます。



コメント
この記事をはてなブックマークに追加

山尾志桜里政調会長を招いての講演会-安倍総理による憲法改正がもたらす危機

2016年05月14日 22時35分58秒 | 政治

 今日は山尾志桜里政調会長を招いての講演会が松阪市で開催されました。主催は民進党系の『新政みえ』で、三重県議会においては最大会派です。会場は超満員。600人近い方が熱心に参加して下さいました。山尾政調会長は自由、共生、未来への責任のそれぞれのテーマで安倍政権の問題点を明快に指摘。金持ちを大金持ちにするのではなく、普通の人が希望を持てる社会の実現を目指す民進党の考え方、また提出した法案などについてをわかりやすく、熱く語ってくれました。

 山尾政調会長とは2009年初当選の同期。当選直後、事業仕分けのワーキングチームで同じチームでした。連日、外務省や法務省の予算に無駄遣いがないか担当者を呼んでヒアリングをしましたが、当時から、検事の経験を活かした彼女の追及は蓮舫議員に負けないパンチ力があり、役所の方々が対応に四苦八苦しているのは明らかでした。今や予算委員会の質問者としては、間違いなく安倍総理が最も嫌がる議員でしょう。彼女との議論で安倍総理は、憲法改正を目指しているにもかかわらず憲法の基本的なことを知らないことが次々に国内外に暴露されてしまうのですから。5月16日には今国会5度目の安倍総理との対決だそうです。

 山尾政調会長、そして芝博一参議院議員の前に、私も来賓としてスピーチしました。今日、スピーチで訴えた私たちが共有する特に強い問題意識は、安倍政権のもとで集団的自衛権の行使が可能になることがもたらす日本の危機、そして私たちの貴重な貴重な公的年金が株価の操作に使われており、5兆円前後の損失が出ているにもかかわらず、その実態を隠していることです。国民の知る権利を踏みにじることは民主主義の破壊。本当に許せません。

 安倍総理が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にしたこと、そして参議院選挙で憲法改正して9条を変更する意志を示していることには私自身の経験からも危惧を抱いています。

 2001年9月11日、同時多発テロが発生しブッシュ政権が始めた『対テロ戦争』が始まった頃、私はパキスタンとアフガニスタンの国境地域で、平和構築活動を行っていました。そこは当時、オサマ・ビン・ラディンが潜入しているとされていた地域。米軍による空爆で、現地の人々は次々と殺されていました。そして、米軍による攻撃を小泉政権が支持していることも知れ渡っており、「お前たちが奴らの側につくなら命の保証はしない」と燃えるような憎悪を込めた目で訴えられました。同時多発テロが起こる前、日本人というだけで握手を求めてきた人々の姿はもはやなく、私自身が拘束、殺害される可能性も覚悟しました。

 しかし、集団的自衛権の行使は、『支持する』こととは比較になりません。それは売られていないケンカを買いに行くことであり、米国の戦争に対し、後方支援などの軍事行動に直接関与するわけですから、犠牲者の家族、部族、国民から恨みを買うことは間違いありません。また、戦闘行為の中で民間人を巻き込むことも有り得ます。結果として海外にいる日本人、特に人道支援などの目的で現地で活動している日本人は報復の対象になる可能性が高まります。軍と一体になって活動すればなおさらです。

 また、日本国内の原発は容易にテロリストによる攻撃のターゲットになるでしょう。特殊訓練を受けた軍が警備を義務付けられた米国などとは違い、日本の原発の警備は極めて脆弱。極めて少数の軽装備のテロリストによって配電板が破壊されるだけでメルトダウンは起こり得ます。また、青森県の大間原発などは国際海域から3カイリしか離れていません。原発が攻撃を受けたら日本全体が壊滅的状況に陥る可能性があるにもかかわらず、その危険性を認めておらず、攻撃を想定した対応がされていないことは身も凍るような日本の現実です。

 私たち民進党の安全保障の考え方は、近くは現実的に、遠くは抑制的に、そして人道支援は積極的にというもの。日本近海において『付け入る隙を与えない』法整備は必要です。一方、真に平和に寄与する行動は決して軍事的手段ではありません。私たちには日本が守り引き継いできた大きな価値を、安倍政権によって破壊されることを阻止する大きな責任があります。そのためにもまずは参議院選挙で勝利することが必要ですが、衆参同日選挙の可能性も踏まえ準備を急がなくてはなりません。



歯切れよくスピーチをする山尾志桜里政調会長


会場は超満員の盛況でした。新政みえの先生方には心から感謝です


終了後はいつものように自転車で街頭活動に出掛けました!

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

アメリカの若者、ロンドン市民の選択に希望を感じながら、連日街頭で訴える

2016年05月08日 00時52分14秒 | 政治

 昨日投開票が行われたロンドン市長選挙において、S.Khan氏がムスリムとして初めてロンドン市長に選ばれた。彼はhope over fear unity over division!すなわち恐怖を希望が、分裂を団結が乗り越えた!とスピーチ。ヨーロッパが分断されつつある中、大きな希望を感じるニュースだ。

 同じ現象はアメリカにおいても起こっている。今日、友人でワシントンの大学で教えている芦沢久仁子氏が自ら執筆した記事(朝日新聞WebRonza 『アメリカの若者の国家観は親の世代とは大違い-グローバル市民化する若者たちと国際政治』を送ってきてくれた。この3月にワシントンで講演をする前、彼女とバーニー・サンダース現象について語り合ったが、この現象について分析し、彼の存在がアメリカの若者たちの価値観を変えつつあると指摘している興味深い記事だ。民主党大統領候補としての指名獲得は難しい状況だが、彼が訴えている価値観は今後、アメリカ社会に、そして世界に大きな変化をもたらすものになりそうだ。

 記事によると、世論調査を行う会社として有名なフランク・ルンツが2月に調査を行ったところ、もし、今日、大統領選挙が行われたら、誰に投票するか」という質問に、最も多くの45%がバーニー・サンダーズ氏と答え、2番目の19%がヒラリー・クリントン氏と答えたという。「どの政治システムが最も人道にかなっていると考えるか」という質問には、58%が社会主義、33%が資本主義、9%が共産主義を選んだ。そして、「アメリカ国民」か「世界の市民」のどちらをより近く考えるかという質問に対しては、65%が「アメリカ国民」と答えたのに対し、35%は「世界の市民」という立場を選んだ。18歳から21歳に絞った結果を見ると、42%が「世界の市民」と答えたという。

 国際政治学における有力な理論として、自分のことをグローバル市民と考える人達が主流派になれば、国家間の武力紛争は根本的に無くなる」という考えがある。つまり、他国、および他国の国民とアイデンティティーを共有することになれば、お互いの運命が一体化し、あなたの運命は、私の運命。私の利益は、あなたの利益になり、その状況では、相手はもう「脅威」の対象とはならないということだ。このような考えはすでにオバマ大統領の外交にも反映されているが、今後、米国の外交政策さらに反映されそうだ。

 そして、闘うべき共通の敵は、ごく一部の富裕層をますます豊かにする一方、真面目に働く人たちの希望や可能性を奪う今の制度であり、それを守ることを目的とした政治そのものなのだ。これがサンダース候補の一貫した主張だ。

 バーニー・サンダースの演説が若者たちの価値観に大きな影響を与えている様子、下記の映像から伝わってくる。

 バーニー・サンダース『正義とは』

 バーニー・サンダース:『経済が不正操作されてる事実を企業メディアは伝えない』

 バーニー・サンダース:『イラク戦争反対演説』

 バーニー・サンダース候補の問題提起は私自身が訴えてきたことでもあり、このブログにおけるメインのテーマでもある。トランプ氏が言う『偉大なアメリカ』よりも、サンダース氏が訴える『社会的正義を追求する、人々の権利を守るアメリカ』を世界は尊敬する。『戦前の日本を取り戻す』安倍政権への異議申し立ては、このような世界の市民社会と連携してやるのがもっとも効果的な方法だと思う。

 この連休中は、街宣カーで、自転車で、数十か所での街頭演説を行った。安全保障法の運用がもたらすテロの可能性の増大、安倍政権が米国に譲歩に譲歩を重ねた結果のTPPの本質、年金運用の損失を徹底的に隠す国民への背信、報道の自由度の急落に象徴される民主主義の危機などを、できる限り地域の問題を切り口に訴えた。聴衆を熱狂させるまではいかないが、私自身もぶれることなく主張を続けることで、必ず理解されると希望を持ち続けたい。



芝博一参議院議員、津市長を勤めた松田直久衆議院議員、井初男県会議員、後藤健一県会議員、中瀬古初美県会議員、舟橋裕幸県会議員、前田剛志県会議員、杉本熊野県会議員、桂三発津市議会議員とともにマイクを持って訴えました。大勢の仲間とともに行う街頭演説はほとんど始めての経験でしたが、三重県における改革勢力の力と絆を感じました。写真は松田直久衆議院議員と


事務所前でダッシュを繰り返し、停車中の車に政策ビラを配っています。


自転車に乗っての街頭活動に出発するところ


2台の街宣カー、そして自転車を和歌山から自分で運びました!




コメント
この記事をはてなブックマークに追加