
JR京都伊勢丹 美術館「えき」KYOTO 9/13~10/20
明治36年、青森県の鍛冶職の家に生まれた棟方志功(1903-1975)。
18歳の時にゴッホの「ひまわり」に大きな衝撃を受け、「わたばゴッホになる」と画家になる決心をし、21歳で上京。その5年後に油彩画で画壇デビューを果たしますが、その後、版画(志功曰く“板画”)を手がけます。33歳の時に民藝運動の創始者・柳宗悦に絶賛され、棟方は次々と傑作作品を生み出し、国際的な賞も数々受賞。「世界の棟方」として海外でも知られるようになりました。1970年には文化勲章を受章するなど、故郷青森を生涯愛し、民族的表現に徹した棟方の作品は、今なお多くの人に愛されています。
今回、棟方と同郷で長年交流を続けてきた旧所蔵家宅(京都・山口邸)の全面に描かれた肉筆の“建築装飾画の世界”に出会えます。
棟方と京都で出版会社を経営していた山口繁太郎氏との出会いは、地方展で棟方の作品を気に入った山口氏が所持金不足で予約だけしようとしたところ、気に入ったのなら進呈しようと棟方が申し出たことに始まります。二人とも津軽出身で、同じくわが身ひとつで国を出て事業を興した境遇に相通じるものを感じたのでしょう。京都を訪れる度に山口氏の家に滞在。1942年(昭和17年)に、棟方は最初の文集「板散華」(はんさんげ)を山口書店から出版し、一層二人の交流は深まります。
山口邸の建具への肉筆画制作は、襖に描いたのがきかっけでした。その後、納戸、扉、板戸などあらゆる場所に描いたそうです。それらの水墨および彩色絵は、60歳を過ぎた円熟期の昭和40年頃のものとみられ、大変貴重な作品といえます。個人邸宅の内部装飾ということもあり、これまで画集等で作品の存在は知られていても所蔵先は未公開で、実際に人の目に触れることはなかったのですが、2010年より三重県のパラミタミュージアムに所蔵され、その全容が公開されました。
個人宅でありながら作品の保存状態が大変良く、この度、京都で公開する運びとなり、肉筆画をはじめ、板画(版画)約45作品を展示。その中には、棟方の代表作である「ニ菩薩釈迦十大弟子図」と改刻前の「ニ菩薩図」も含まれます。
名前は有名ながら作品に出会うことは少ない。
2004年東本願寺に参拝し渉成園の園林堂の襖絵を拝見した記憶が残るぐらい・・・
それだけに今回期待してました。わざわざこの展覧会のためにだけに京都へ行ってきました。
最初の写真が 二曲半双屏風 二菩薩図(改刻前)
12人がずらっと並ぶ六曲一双屏風 二菩薩釈迦十大弟子図も圧倒的迫力です

会場内には畳の部屋が再現されている 「樹林」
畳は新しいので畳の匂いが一面に漂う
それが襖絵といい雰囲気を出している。

襖絵墨書 「乾坤無妙」
絵の順番だと妙・無・坤・乾になる
圧倒的迫力です。

「清趣妙韻図」
懐かしく感じますね 日本の原風景
他にも素晴らしい作品が一杯でした。
私が行く美術展でお目にかかることは少ないけれど。
ライバル日本美術史という本(室伏哲郎 著)には草野心平さんの詩として「わだばゴッホになる」と紹介されています。
詩の一部です。
「わだば ゴッホになる。
ゴッホになろうとして上京した青年はしかし。
ゴッホにならずに。
世界の
Munakataになった。
・・・」
明治36年、青森県の鍛冶職の家に生まれた棟方志功(1903-1975)。
18歳の時にゴッホの「ひまわり」に大きな衝撃を受け、「わたばゴッホになる」と画家になる決心をし、21歳で上京。その5年後に油彩画で画壇デビューを果たしますが、その後、版画(志功曰く“板画”)を手がけます。33歳の時に民藝運動の創始者・柳宗悦に絶賛され、棟方は次々と傑作作品を生み出し、国際的な賞も数々受賞。「世界の棟方」として海外でも知られるようになりました。1970年には文化勲章を受章するなど、故郷青森を生涯愛し、民族的表現に徹した棟方の作品は、今なお多くの人に愛されています。
今回、棟方と同郷で長年交流を続けてきた旧所蔵家宅(京都・山口邸)の全面に描かれた肉筆の“建築装飾画の世界”に出会えます。
棟方と京都で出版会社を経営していた山口繁太郎氏との出会いは、地方展で棟方の作品を気に入った山口氏が所持金不足で予約だけしようとしたところ、気に入ったのなら進呈しようと棟方が申し出たことに始まります。二人とも津軽出身で、同じくわが身ひとつで国を出て事業を興した境遇に相通じるものを感じたのでしょう。京都を訪れる度に山口氏の家に滞在。1942年(昭和17年)に、棟方は最初の文集「板散華」(はんさんげ)を山口書店から出版し、一層二人の交流は深まります。
山口邸の建具への肉筆画制作は、襖に描いたのがきかっけでした。その後、納戸、扉、板戸などあらゆる場所に描いたそうです。それらの水墨および彩色絵は、60歳を過ぎた円熟期の昭和40年頃のものとみられ、大変貴重な作品といえます。個人邸宅の内部装飾ということもあり、これまで画集等で作品の存在は知られていても所蔵先は未公開で、実際に人の目に触れることはなかったのですが、2010年より三重県のパラミタミュージアムに所蔵され、その全容が公開されました。
個人宅でありながら作品の保存状態が大変良く、この度、京都で公開する運びとなり、肉筆画をはじめ、板画(版画)約45作品を展示。その中には、棟方の代表作である「ニ菩薩釈迦十大弟子図」と改刻前の「ニ菩薩図」も含まれます。
名前は有名ながら作品に出会うことは少ない。
2004年東本願寺に参拝し渉成園の園林堂の襖絵を拝見した記憶が残るぐらい・・・
それだけに今回期待してました。わざわざこの展覧会のためにだけに京都へ行ってきました。
最初の写真が 二曲半双屏風 二菩薩図(改刻前)
12人がずらっと並ぶ六曲一双屏風 二菩薩釈迦十大弟子図も圧倒的迫力です

会場内には畳の部屋が再現されている 「樹林」
畳は新しいので畳の匂いが一面に漂う
それが襖絵といい雰囲気を出している。

襖絵墨書 「乾坤無妙」
絵の順番だと妙・無・坤・乾になる
圧倒的迫力です。

「清趣妙韻図」
懐かしく感じますね 日本の原風景
他にも素晴らしい作品が一杯でした。
私が行く美術展でお目にかかることは少ないけれど。
ライバル日本美術史という本(室伏哲郎 著)には草野心平さんの詩として「わだばゴッホになる」と紹介されています。
詩の一部です。
「わだば ゴッホになる。
ゴッホになろうとして上京した青年はしかし。
ゴッホにならずに。
世界の
Munakataになった。
・・・」