古今伝授の里フィールドミュージアムで講演を頼まれたので、荊妻と岐阜へ。名古屋で新幹線を降り、尾張一宮でO先生にピックアップしていただく。どしゃぶりの雨だったが、いくつかトンネルを抜けると雨はあがって、まずまずのお天気とあいなった。
ミュージアムへ直行して、打ち合わせをしたり、島津忠夫文庫を拝見したりした後、遅いお昼をいただく。荊妻は、ケイチャン定食を召し上がった。
宿は郡上八幡の「吉田屋」で、15、16日は春祭りである。屋台がずらっと出て、大神楽や山車など、たいそうにぎやかだった。
宿に荷物を置いて、街に出てみる。さて、晩飯はどうしようかと物色すれば、neighborhoodがお入りになっていく鰻屋を発見。ここは美味そうだ!とピンと来て、店に入った。赤白のまぶしを注文し、お酒は「母情」をいただく。花番さんお勧めの肝焼きをお願いすれば、これが、東京あたりのものとは全く違い、ぱりっと焼かれて甘辛く、独特の味わいだった。
通りのお店でサイダーを買い、お婆さんに、この辺によい飲み屋はありませんか?とお尋ねすれば、裏にいくらでもあるとのこと。土曜日で、祭りだしなあと思いつつ行ってみたが、目星がつかない。途方に暮れていると、案内所の表示のあるお店があって、若いママさんが何軒かお薦めの飲み屋を教えてくださった。東京学芸大を出て、郷里にお帰りになったそうである。
その、蕎麦屋だけれど酒だけでもOKというお店に入って、元文をいただく。外の通りを山車がどんどん通っていく。祝儀が渡されると、山車が回転して、まことに面白い。
16日朝、朝食後に散歩して、宗祇水を汲む。大神楽が出て、見事である。しかし、観光客はまったく見えず、当地の人々のための祭りと知る。つまり、観光地ずれ皆無なのだ。見物していると、御神酒を振る舞われた。いい所だなあ。
11:00に車で迎えに来ていただき、ミュージアムへ。昼食は、地元の方々が持ち寄りで召し上がる中に混ぜていただいた。天麩羅や、お漬け物、とにかく品々のお料理に、ヘボ(ジガバチ)入りの炊き込みご飯などなど、珍しいものだらけである。いや、講演がなければ、お酒がいただきたかった!
13:30から1時間の講演は、5分ご挨拶とご紹介があったので、14:35ぴったりに終わる。大学教授は、なんでもかんでも時間通りなのだ。京都からお越しの、茶舗の女性ご主人のご呈茶を受け、O先生に尾張一宮までお送りいただく。名古屋へ移動して新幹線切符を買い、車中の飲食物を調達、赤ワインを一本空けたところで、東京に着いた。ああ、面白かった。