午後から校長の業務で高校へ行く。仕事が始まる前に先生方と話をしていて、校長、あんまり田舎の学校、田舎の学校言わんでください…と苦言を呈された(そう言えば校長着任直後に教頭先生からもそう言われた)。生徒とくに女子の中には、都会の学校に合格できなくて入学したため、コンプレックスを感じ傷つくのがいるそうである。保護者の中にも、私が過日「・・・で育った山猿が~♪」と替え歌を唄ったのを、聴き咎めておいでの方がいらっしゃったとのこと。
しかしかかし、周囲を見渡せば田圃が広がっており、その手前は里山で、ここはどう逆立ちしてみてもcountryである。されば居治直って、urbanには絶対に真似のできない学校作りを行い、誇りを持つしかあるまいに。結局、負け組みたいな意識は、払拭できんのかしらん? いっぽうで、やけにプライドも高い、複雑な学校である。どうも最初から、釦の掛け違いがあるような気がする。
そんなこと言い出したら、島根県出身者なぞ、立つ瀬が無いわいな。しかし、おいらだにすらさへ郷里には誇りを持っているし、松江で生まれ育って、高校まで過ごして、悪かったとは思っておらん。しかし、何でもかんでも偏差値、序列、ランキングで物事を測るのが、都会ということなのであろうか。ああ、あほらし。地方だったら、私立のステイタスは目も当てられず、私なんぞ私立大学へ進学したものだから、同窓生の間では、アホ扱いである(地方では国公立大学へ進学した者だけが偉いのである)。
けれども、そのことをきちんと?屈託し、韜晦し、最後はそれをバネにして、生きてきたような気がする。コンプレックスがあってもよいが、傷つかないようにそっとしてみたところで、仕方があるまいて。傷口には塩を塗り、消毒したらいいぞなもし。人間、強く生きていくしかない。マムシのように、毒を持つ必要も時にはある。
仕事が始まったが、また私に対する当てつけがましいもの言いをする御仁がいた(当人はもしかしたら全く意識していないのかもしれんが)。生徒との距離感云々かんぬんとは、遠回しの校長批判であろうか。校長は授業を担当する権限も、資格もないのだから(教員免許は持っているけど)、授業や部活を担当する教諭・講師と生徒との距離感とは、自ずと異なるだろう。まあ、口を出すなと言いたいのか?
私みたいな高校教師経験者を校長にしたのは、大失敗であったとつくづく思う。理事会も、こんな中途半端なやり方をせずに、もっと直接、強圧的に支配をすればいいのに。私は高校側の味方にも、理事会側の味方にもならないからねと、いっとう最初に理事殿には、申し上げたはずである。
腹積もりより時間がかかった。それでも、ある先生が駅まで車で送ってくだすったから、19:00前の新幹線に乗れた。乗ってから、教員証を校長室の机の上に忘れてきたことに気付く。ああ、もうかなりモウロクしておるわい。
今朝方から体中が浮腫んでいる。円形脱毛症も、ひとしきり大きくなったと、同居人に嗤われた。さて、高校の始業式まで、しばし岡山の女子大へと集中講義に出掛けます。