そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

4月29日(火)新説『徒然草』の謎々歌

2014年04月29日 | 公開

  昨日の修士演習で、外国人参加者のために変体仮名と字母、そして仮名遣いの話をしたが、定家仮名遣いでは「男「は「おとこ」と表記する(歴史的仮名遣いでは「をとこ」)。ところが藤原定家筆『土佐日記』(尊経閣文庫所蔵)の冒頭は「乎とこ…」ではじまるわけで、ここで定家は「乎」を低アクセントの「vo」で使用しているというのが、日本語音韻学者である同居人の説なのだ。つまり定家筆『土佐日記』の冒頭は、定家の意識では「おとこ…」と翻字すべきで、「をとこ…」としてはならぬということになる。「お」は「於」字母の仮名しかなかったのを、紀貫之自筆『土佐日記』を披見して「乎」もこれに加えることにしたという、まことにドラマチックは話なのである。私は日本語学者としての同居人を、深く尊敬している。本当に結婚してよかった。家に日本語学者が1人居ると、まことに便利この上ない。

  本日は2人とも授業が無く、自宅でぶらぶら、女子大の講演会企画書の手直しを手伝ったりしながら、夫婦の会話を交わしていた。その時、『徒然草』第62段の謎々歌の「牛のつの文字」を、Eちゃんも最近の著書で「い」だと書いているけれど、私は絶対「ひ」だと考える、どう思う?と尋ねられた。

  「ふたつ文字 牛のつの文字 すぐな文字 ゆがみ文字とぞ 君は覚ゆる」の歌である。延政門院が幼少の頃、父後嵯峨院へ送った歌で、「ふたつ文字」は「こ(己)」、「すぐな文字」は「し(之)」、「ゆがみ文字」は「く(久)」であることに異論はない。問題の「牛のつの文字」だが、通常「い(以)」を当てる説が有力である。しかし、そうすると「こいしく」と、中世の標準的な表記法から言っておかしな仮名遣いとなる。延政門院が「いときなくおはしましける時」なのだから…という理由も分からんでもない。しかし、一応はきちんとした和歌の形になっている。和歌にイレギュラーなものは、まず入り込みにくいのだ。

  同居人の新説は、「日」字母の変体仮名を「牛のつの文字」と言っているというもの。なるほど! 「日」字母の「hi」は、極端に崩していけば、左右にシャープな縦線が二つ並ぶことになり、「牛の角」に相応しい。「以」字母の「i」、「八」字母の「ha」とは、相互に相似した形となるが…。

  たいへんな慧眼だと思う。我々は現行の仮名字体で物事を考えがちだ。だが、前近代の資料を取り扱う者に、くずし字・変体仮名表記への想像力は必須である。「己日之久」、翻字すれば「こひしく」と考えれば、すべてが釈然とする。

  面白いから論文を書いたらと勧めたが、これだけだとまあエッセイのネタくらいにしかならないかな。う~ん、残念だな。そこで、ここに記して、同居人のプライオリティを宣揚しておく次第だ。「牛のつの文字」を「日」字母変体仮名と解く説は、以前にあるのだろうか? ご存知の方があれば、ご教示を乞う次第だ。


4月28日(月)研究指導込み込み

2014年04月28日 | 公開

  修士の演習はA君にトップバッターをお願いした。手慣れた発表だったが、ニ、三翻字誤りがあったので、思いっきり揶揄する。2年生は修士論文を書かなければならないので、研究指導込み込みの演習はひときわ厳しさを増すのだ。考察のところも、論理的でない、感想みたいなことを書いてきたから、お~ま~え~は~あ~ほ~か~(@横山ホットブラザーズ)みたような批評を、かなり露骨な表現で、苦言として呈上した。アカデミックハラスメントぎりぎりかもしれん(「猿」「犬」と言ってはいかんのでな)。ハラスメントは本人が不快に思えばハラスメントだ。真意が伝わるように見極めなければならぬが、その点、A君は心配はなかろう。プロの道は厳しいのだぞ。

  中国の留学生がお2人参加しているので、初歩的な文法事項も確認しておく。「なん」には3種類ありましてな…と説明を始めて、まずカレーにつける「なん」と言ったら、A君がずっこけたのは可笑しかった。留学生は真面目に聞いていたかも。お笑い修士演習である。アメリカ人院生も参加しており、議論が活発に展開する点、昨年までと大きな違いである。日本人だけだと、キャベツ畑みたいになる(あ、ハラスメントか!?)。…とかくに人の世は住みにくいと、漱石居士も書いておられるぞなもし。

  すぐに学生の研究会。Oさんの丁寧な報告で、こちらも有意義な議論が展開した。口語訳は語釈の前に一度やってしまうのがよいと思いますがね。終了後「AMA」へ行ったのは、私を含め4名で、白ワインを2本空け、私はといえばハイボールも1杯飲んだ。カレー2種と「なん」を注文したが、もちろんこの「なん」は終助詞ではない。本日はご繁盛で、隣のテーブルではかしまし娘連?がきゃ~きゃ~騒いでおいでになった。…コメントするとセクハラになりそうなので、何も申すまいぞ…。


4月28日(月)アホな院生はどう罵れば…

2014年04月28日 | 公開

  朝いち演習も欠席者僅少であった。出席者全員の提出課題にコメントする。次回はさすがに祝日の休みだ。

  大急ぎで新宿へ買い物に行く。便箋と封筒を補充。茶道具売り場も覗いたが、凡慮の及ぶとことに非ず。昼食は「たかはし」で刺身定食。ここはまことに、教職員ご用達のお店なのだが、昨今は学生さん風の仁もちらほら見かけるようになった。

  なかつよ文学会大会準備の打ち合わせを行なう。T教授と大雑把に役割分担した。E研究科の人口のほうが多く、兵隊はあちらに依存することになりそうだ。

  大学院生を「猿」だの「犬」だの言うとハラスメントになるそうだ。「雉」はどうか知らん。で、アホな院生をどう罵ったらよいのか、どこまでが許されるのか、事務所に聞きに行ったが、分からんそうである。「蛸」は拙かろうなぁ。「烏賊」ならいいのかな? 昔「キャベツ」と言って抗議を受けた教授もいらっしゃったよし。タイガーロック先生というお名前の方であらせられたそうな。…くわばら、くわばら。「大根」と言ったら別の意味でセクハラか。誰か、教えてくだされ!


4月27日(日)卒業生の活躍?

2014年04月27日 | 校長は日々是口実

  校長を務めている高校の卒業生がTV番組に出ると聞いて楽しみにしていたら、自宅向かいが実家の俳優さんもお子を連れて帰っておいでになった。夏支度の買い物に行く運転手を命じられたが、なんとバッテリーがあがっていて往生した。さて、伊勢丹へも行って、「祖母昔」を買ってきた。

  さて、TV番組はスタジオゲストの女性タレントと、中心的に活躍する男子学生が高校の出身者だった。それのみならず、客席が大写しになった瞬間、まん真中で前PTA会長さんが嬉しそうに手を叩いておいでになって、仰天した。来週は応援団が登場するらしいが、リーダーの主将も副将も高校の出身者である。いや、よい高校です…といふことならむよ。

  本を一冊書きたいと思う。タイトルは『みそひと文字のさばき方』というのではどうかな? どこか引き受けてくださる出版社はないものか? 『花札の文化史』というのも考えておりますがな。


4月25日(金)早朝会議

2014年04月25日 | 校長は日々是口実

  8:30から学校法人の会議。理事長閣下ご召集の会議だから、これを「総長会議」とでも称すべいよ。(笑

  この会議に限って、箇所の括りの建制順では、私は理事席の真向かいの1列目、末座の1つ上に席が設けられているのだが、次々回の報告順序はこの建制順を無視して、最末座箇所が下から三番目に位置づけられている。すなわち、私が校長を務める高校が、学校法人内再下位ということとあいなった。理事会がどれほどこの高校を軽視しているか、瞭然であろうよ。高校の専任教員の皆さま方、この厳粛な事実をよくよく認識されよかし。まあ、箇所長が全然関係ないところから落下傘で押しつけられるというのも、この高校だけだしね。

  兄貴分高校の校長、本日も代理出席だった。私には代わって出席してくれる人なんぞいない。ああ、切ないことである(あと5カ月の辛抱だ!)。

  本日の報告で、某理事閣下(この方は法人傘下某学校の校長を兼務されているが、教頭を自分の研究室に呼びつけるほどの権力を有しておいでになる。私はといえば、教頭に呼びつけられ新幹線で高校へ駆け付けるとほほ校長なのだ)が、「…学校らしさ」みたいなことをおっしゃったから、ついついからかいたくなったのは、おいらの悪い癖である。さっと手を挙げて、その「らしさ」とやらを20文字で定義すればどうなりますか?とお尋ねした。お答えは、「…らしさ」はそれぞれで、いろいろやって最後に出てくる…のですと。ケッ、これだから我が国は戦争に負けたのである。あほらしくて、やってられない!

  だいたい、こういう会議に出ていると、私は、老人は一刻も早く退職しろ!と脅迫されているような気になる。きょうびの学校は、まるで企業体だ。コピペばっかりしている分野の奴らが権力を握っているのだから、仕方があるまい。かくなれば、悶絶躃地アッツ死にだ~!

  2007年に、この学校法人はいっぺん死んだのだと思う。創立者が人寿125年を唱えたから、創立125周年が尊いという話が出た時、私は終に学校の寿命が尽きるということぢゃありませんか?と言って時の理事長閣下に嫌がられた。やっぱりあの時、学校は死んだのだ。生まれ変わって、全然別の学校になったと考えれば得心がゆく。学校ではなくて、企業になったんだな。それなのに「らしさ」とは、笑止千万ではないか?

  斜め横に座っておいでの財務部長殿に変なことを尋ねて呆れられたり、もうさんざん。教頭が午後相談に行く先の室長殿にも、くれぐれもよろしくと言っておいた。もう私はクビになるだけだから、後のことは知らんぞなもし。

  昼飯は死ぬ気?で「高七」に行く。幸いカウンター席に座れたので、ハートランドと燗酒をいただいた。私くらい単価の高い客は、お店としても大歓迎だろうて…。1人で3人分くらいの金は使うからな。本日の天麩羅に新茶の葉があった。いと、めづらし。さほど香りは感じられなかったがな。

  地下鉄駅2つ分くらいずんずん歩いて、牛込中央通りに出た。通りを北行していると、先生!と声をかけられる。「志ま平」大将が後ろから自転車でおいでになる。先般はお嬢さんの職場の方々がお越しになって…と、そういえば娘に「志ま平」連れて行ってとせがまれているんだった。近々娘と参ります…と申し上げておいた。

  「うつわや釉」へ行き、Nさん相手に、岡山のEさんへ贈るご結婚祝いの配送をお願いした。この手のお祝は、だいたい決めているので話は早い。宅配便の伝票を書いていると、すてきな一輪差しが…岸野寛さんの白釉。抱いて寝たいような逸品である。お値段は丁度財布に入っている金額だった。同居人にばれると何を言われるか分からんので、これは現金払いで購入する(財布に260円残った)。

  豆腐を買って帰る。帰宅したら、同居人はとっくに帰っていた。ドキュメンタリー映画を観たら、遠州流のお家元がおいでで、ご挨拶をしたのだとか。勤務先大学で催されるシンポジウムに出ていただけることになったそうである。いやはや、楽しみといふもおろかなり。

  同居人は歯医者へ行ってきたという。ぢゃあ、ち~ぎ~り~を こ~む~る~?と謡ったら、殴られた。生けるしるしナシ。


4月24日(木)新任教員歓迎会

2014年04月24日 | 校長は日々是口実

  会議はさくさくっと終わったので、18:00過ぎに新任教員歓迎会場へのバスが来るまで暇になった。事務所へ行き、S職員に、何か仕事がないか?と尋ねると、出勤簿を番号順に整理してくださいと命ぜられたので、はいはいと作業を行った。昔取った杵柄というか、元副手の手際あざやかに、10分ほどで揃えて差し上げた。

  校舎の外で1年の女子生徒2名と立ち話をした。2人とも生徒寮に入っている。寮はずいぶん騒がしいそうぢゃあないか?と言えば、それは男子で、女子は静かなものですわ、おほほ…ときた(男女の寮が併設されているのである)。学校生活は楽しいか?と聞けば、楽しくて仕方がないと言う。総じて生徒の満足度が、異様に高い高校だ。将来は外交官になりたいと言うので、そりゃ私立大学はダメだ、東大を目指さないと出世できんぞとアドバイスした。もう1人は歴史が好きだと言うから、更に尋ねると、エジプトとフランス革命と平清盛が好きなんだと。凡慮の及ぶところに非ずだ。

  校長クビになるのですか?と言われる。もうそんなことが耳に入ったのか。人の口に戸は立てられぬ。9月20日でやめるんだよと答えれば、さびしくなるわぁ…と、嘘でも嬉しいことを言ってくれた。私の話は抜群に面白いのだそうだ(意識的に面白く話しているのだが)。まあ、こんなふうに生徒と平気でタメ口をきいているしな。

  さて、バスに乗って歓迎会場のホテルへ。会費を払い、体育の新任先生の隣に座った。例によって最初の挨拶をさせられる。

  ねこ教諭に、校長は女子生徒にばかり話しかけて男子がヒガんでます、気をつけなさい!と叱られた。前教頭にも同じことを言われたが、ジェンダーバランスを計算に入れなければと大いに反省する。我も男なれば、そこはそれ男のサガが自発の助動詞「る」「らる」となるわいな。

  ホテルのバスで新幹線駅へ。21:00過ぎの新幹線にどばっと乗り込む。この時間に帰宅できれば、いとめやすけれ。明日は8:30から学校法人の会議がある。(涙


4月24日(木)臨時職員会議

2014年04月24日 | 校長は日々是口実

  やっとこさ大雪で壊れた雨樋を修理してもらった。ずいぶん長くかかったが、これでひと安心。

  夕刻より高校の新任教員歓迎会だが、その前に臨時職員会議を開くというので、新幹線に乗る。13:00過ぎに到着し、そのまま近所の蕎麦屋で昼食を摂る。ノンアルコールのアテは、ししゃもをもらった。黒麦を1枚たぐる。

  いつものカウンター席がいっぱいだったので、見晴らしの良いテーブル席に案内された。奥の個室は林以外の余計なものが目に入らないので、感じがいいのだがね。

  花番さんに、おたくの高校はたくさん落第するのですか?と尋ねられる。まあ、そうでしょうね。親御さんとお店に来た生徒が、ひたすら勉強していたよし。まあ、高校は勉強するために通うところだからなあ。

  16:00前に会議開始。余計なことは喋らず、さっさと閉会にした。


4月23日(水)新しい蕎麦屋

2014年04月23日 | 公開

  大学の会議日だが特段の会議は無く、家で仕事をと思っていたが、なかつよ文学会大会関係の用務が生じて大学へ行く。事務局の置かれているT教授の研究室の鍵を借りて入り、届いた研究発表資料を持ち出す。今週が提出締切となっている。

  研究棟の裏を歩いていたら、Y教務主任とすれ違った。先日の教授会では、いたづらを申してすみませんと謝っておく。びっくりしました~とのお返事。研究棟入口の方へ回ると、移籍の決まったSコースのY教授とばったり。あちらから、あのSコースが出した文書、ありゃないですよねと話し掛けられる。あんな文書を作ったとは全然知りませんでした、あれじゃあ、あと5年は新しい人事は起こせませんよね…と、よ~く分かっておいでになる。Sコースの主任はよほどアホなのであろう(誰か知らんが)。総スカンを食らうこと必定である。で、なんで私にそんなことをおっしゃったかといえば、教授会の席上ぶつぶつ小声で野次っていたのが、お耳に達したものと思われる。驕る平家は久しからず…だ。Sコースよ、西海の藻屑と消え失せよ!

  「Cafe GOTO」でひと休みしてから、神楽坂へ。「うえぐも」で茶道具を入れる籠を買う。新しい蕎麦屋が開店していたので、ふらふらっと入ってせいろをりんだもぢってみた。バーみたいなお店である。(ソ)バーか? 本当は26日がオープンなんだとか。う~ん、もう二度と入らないかなあ。完全に飲み屋ぢゃあないか、これぢゃあ。花番さんも、蕎麦屋の風情ぢゃないぞなもし。何かが間違っているとしか思えん。


4月22日(火)スペイン料理!

2014年04月22日 | 公開

  2月の大雪で壊れた雨樋の修理をやっとやってもらえそうで、足場が組まれた。また、ガレージと外階段の波板を取り換えてもらう工事を本日午前中にお願いしたが、なかなか終わらなくて、社会人講座へ出かける時刻が遅くなってしまった。

  仕方ないので蕎麦屋行きは断念、上野駅の立ち食い寿司で昼を済ます。

  さて、講座は30分ほど脱線して、兼好の系図と経歴が吉田兼倶によって捏造されたものであったという、小川剛生さんの新論文を紹介、それから兼好と頓阿の沓冠の贈答に言及するという、2年生の演習でも使った手を用いた。それから、建礼門院右京大と式子内親王家女房中将の君との贈答歌のところを読んで、ちょうど時間とあいなった。式子内親王の生年(1149)の確定には、小生も一枚噛んでいるからな。社会人向け講座は、シラバスと寸分違わず、しかも時間ぴったりにする必要がある。存外難しいのだ。

  その足で上野へ戻る。東博でまず「キトラ古墳壁画」を観から、「栄西と建仁寺」も観た。しかし、博物館の出入口あたりが新しくなって、同居人にプロポーズしたベンチのあたりがトイレになっていたのにはショックをうけたな。(笑)  都美術館の「バルテュス展」にも行きたかったけれども、時計が止まってしまったので、電池交換しに行かねばと断念する。

  松坂屋へ入り、案内係のお姉さんに時計の電池交換は?とお尋ねすると、7階の時計修理でござゐますとにこやかに教えてくださった。とろとろしたエレベータで7階へ。暇そうにしている職人さんに時計をお見せすると、磁気を帯びたため止まったのでしょうと、磁石にかざせば成程時計自体が磁気を示している。磁気を消してあげましょうとパパッと処理するとノーマルに動き出した。1階へ降りて、案内係に、一瞬で直りましたわと御礼を申し上げた。

  ここまで来たらと「文行堂」へ。短冊を物色していると、フランス人の母子が入って来て、明治時代の度量換算表を選び出し、これは何か?と尋ねている。ううう、仕方がないのでフランス語で通訳して進ぜようとしゃしゃり出たものの、た、単語が…。博士課程の入学試験まではフランス語で受けたんだが(1回落ちたけど)、なにしろフランスへ行ったことがないから、全然ダメである。で、Do you speak english? とお尋ねして、あとは英語とフランス語のちゃんぽんと化し面目を失う。最後は Au revoir.で早々に店を出ましたがね…。(汗

  そういえば、お前のフランス語の発音はスペイン語みたいだと、学部生時代にフランス語の教師から言われたことがあったな。後で聴くと、全然ダメよという意味だったらしい。でもって、家族揃っての夕食会はスペイン料理店へ。

  神楽坂は雨だった。毘沙門天の前で同居人と姑殿、それに娘と落ち合ってお店へ行く。K教授のブログを拝見して猛烈に再訪したくなり、家族を誘ったという次第。だから払いはおいらということに…。(涙

  ここはお料理もめっぽうかいに美味いのだが、サーブしてくださる方の知識が半端ではない。ワイン選びもずらっとボトルを並べて講釈を承り、じゃあこれをと選ぶ楽しさはたまりません。そしてお鍋で出てくるおじや。茶飯釜にしたらさぞ面白かろうと思う。下掲の画像は娘が撮影したものなので、左はおいらのお腹である。あな、見苦し!

  店の前でタクシーを拾い、お前はこれで帰れと娘に2000円渡す。ツーメ―タ―くらいで帰れるはずだが、釣りは小遣いにせよということだ。ああ、お腹いっぱい。いつしか雨はあがっていた。


4月21日(月)大学教授Day

2014年04月21日 | 公開

  朝いち演習は本日も出席良好。今までのテクストの読み方指導は根本的に間違っていたと反省し、昨年度から取り入れた方式でゆるゆると進める。今回は現代語訳の作り方実習。完成したらWeb上で提出するよう指示する。さっそく寄せられた訳をチェックすると、「稲葉」を「因幡国」に解している人がいた。白兎も真っ青! しかし間違いは大歓迎であり、これで次の授業展開ができるというものだ。

  23日に閉店する「maruharu」へ行けるのは今日きりだと思い、本日のセットをいただく。最後に、「もう来れないと思います、ありがとう」と申し上げた。

  昼休みに生協の方と面談。高校の食堂のメニューに関する問題点を話し合う。「日替わり定食」が材料の都合で3日連続同じおかずになることが、厳しく指摘されている。食い物の恨みは恐ろしいぞ。それならば、「日替わり定食」という呼称をやめて、「三日連続定食」にすればいいぢゃないの!とアドバイスした。これが文学部教授の発想である、まいったか? だいたい食い物が全部茶色いのはどういうつもりだと苦情も申し上げておいた。S県の物産は、そういえばすべて茶色いなあ。芋、煎餅、五家宝・・・埴輪・・・。

  博士の研究指導はUちゃんの論文を吟味。図版をいっぱい使いたいそうだが、いまひとつ芯が通ってないように見えるがな。これもKOさんにはケッと言われちゃいそうだが、私自身は評価している。ほんとうに外国へ行ったら彼の着想はいいところを突いていると思う。今から語学を精進するかい?

  修士の演習は論文を取り上げる。アカデミック・ライティングの根本は、自分の言葉と他人の言葉を峻別し、引っぱってきたものはすべて出所を示すというに尽きる。これは私自身、学部1年生の必修科目で、かの杉本つとむ先生に教わった事柄である。ちなみに私は杉本先生の「A」(現在の「A+」)を3科目取っおるが、これは当時「三つ葉葵の御紋章」と称されて、ロイヤルストレートフラッシュのごとき快挙と言われていた。ああ、おいらも国語学者になっていたらよかったかな?(配偶者は国語学者だがな)。

  そのまま学生の研究会。私がテクストについての基本レクチャーを行った。朝から喋り詰めで、いささかくたびれた。

  飲みに行ったのは私を含め4名。久しぶりに「AMA」へ行く。白ワインが2本空いた。


4月20日(日)地元校友会

2014年04月20日 | 校長は日々是口実

  高校の地元にある校友会の懇親会に出席する。新幹線駅に着くと、改札のところに関係者が集まっておいでだったので、車に便乗させてもらった。総会が長引き、懇親会はやや遅れて始まった。

  来賓の最初に挨拶させられる。来年度に県下の校友会大会が所在市で開かれることになり、高校の施設をぜひ使ってくださいとお願いした。使っていただいてもいいですよ…ではなくて、こちらからぜひお願いしたいと申し上げたが、こんなことを言う箇所長はおらんだろう。しかし、これは千載一遇のチャンスなのだ。県下にしっかりとした地歩を固める必要がある。南進論か北進論か? 私は北進論派だが、なにより地盤を固めなければ…。9月に任期がきて校長をやめますからと言うと、もう2年はやって欲しいと会長さんに世辞?を言われた。

  すばやく酌をして回った。地域の支えがあっての我が高校である。学会・研究会を断念して参加した会合なのだから、意義あらしめねば生けるしるしがないわいな。(涙、涙

  閉会後、また車に便乗して新幹線駅へ。21:00過ぎに間に合った。これをのがすと最終になるから、助かった。Sさんとはずっと電車ご一緒した。ほどなく始まる理事長選挙のことを話題にするも、何も分からんと仰せだった。

  帰宅すると、関西へ行っていた同居人が帰ってきていた。伊勢神宮で御神楽をあげてもらったが、大仰な下されものが…。


4月19日(土)姑殿と二人

2014年04月19日 | 校長は日々是口実

  明日は高校の地元校友会に顔を出さなければならなくなり、京都の研究会参加は断念した。ほんらい本日も京都の学会に参加するつもりだったのだが…。もう校長は、一刻も早く辞めたい! 自分の研究が全然進まない。私は本業大学教授であり、高校の校長は余計な仕事である。このままでは藤原隆信である。老耄したら、おぼかたさんも顔負けとなろう。一秒でも早く辞めたいが、あと少しの辛抱と思って歯を喰いしばる毎日だ。(涙

  姑殿と2人であるから、食事は私の仕事となる。朝はホットドッグにした。昼はパスタをバジルソースにあえた。夜はカレーにするかな。

  三島片口で遊んでみる。邪道であろうが、口を上にして自服した。

 


4月18日(金)スーパーティーチャー

2014年04月18日 | 公開

  16:00に研究室で県立高校の教諭をしていらっしゃるK先生にお会いする約束で、大学へ行く。その前に、Mさんがみえたので、図書館利用の書類に署名捺印した。

  K先生は昨年度、県ならびに文科省からスーパーティーチャーに選定・表彰された、すこぶる付きの優れた教育者でいらっしゃるのだ。ちょうど研究室にU教授がおいでだったから、お連れした。お二人は旧知の間柄であり、K先生のことは同居人もよく存じ上げている。私が卒論指導を担当した今春の卒業生が、K先生のもとで現在教員修業をさせていただいている。ほんとうにご縁とは不思議である。5月に、K先生のご授業に協力申し上げることとなり、その打ち合わせをした次第。

 大病をなさってお酒は飲めないとのことだったが、早めに「高七」へお連れして夕食を共にする。すっかり意気投合したぞなもし。「高七」のダイコンの天麩羅には、さすがにK先生も驚いておられた。「高七」は早稲田界隈の至宝である!

  同居人と娘は明朝、内宮へ正式参拝のよし。私の名前で御神楽も奉納してくれるそうだ。ありがたや。


4月17日(木)戦略?を練る

2014年04月17日 | 校長は日々是口実

  午前中の卒論ゼミは、皆就職活動で出席者僅少。それでも1名に構想発表をしてもらい、あれこれ指示を出した。

  さて東京駅へ直行、「つきじ喜代村」のミニ鮪づくしを買って新幹線に乗る。高校に着いて、教頭と今後の戦略を練り、引き続き入試主任と入試戦略について意見交換をする。校務分掌になお整理を要する点があると感じた。生徒会に、先々代の生徒会長が見えていたのでご挨拶する。生徒主任からは「久しぶりですね」と言われたが、ややケンを感じたわい。

  18:00前の新幹線で帰路に。車中、入試主任と一緒になった。この人は実は、彼が高校生の時、私が国語を教えたという関係である。そういう意味で、実に心強いスタッフなのだ。

  大急ぎで伊勢丹へ立ち寄り、ジャケットとスラックスを受け取ってから、近所の眼鏡屋で同居人に頼まれた眼鏡の修理をしてもらった。そしてまた伊勢丹の地下へ行って、上林で「祖母昔」を2缶購入。同居人は新任者の歓迎会とやらで、姑殿と2人の夕食だったが、サザエが届いたと焼いてくださったのが美味であった。やはり日本酒が合いますな。同居人と娘は、明日から伊勢へ行くという。


4月17日(木)ちくびじま…?

2014年04月17日 | 公開

  我が同居人殿は、「舞台芸術の歴史」とかいう高尚な題目の講義を大学でご担当あそばされている。私の「花札演習」とはえらい違いである。今朝ほどはその仕込みを、自転車操業さながらなさっていたので、何を取り上げるの?とお尋ねすれば、「ちくびじま」とのお返事。ええ! 延喜の帝の臣下が竹生島の弁才天に詣でてその乳首を舐めるという、あの能のこと?と聞き返すと、殴られた。誰がちくびじまと言った!ちくぶじまでしょ、バカ!ですと。確かに、そう聞こえたがな。これを五音相通と申しますでな。冗談にも深い教養が必要だわ。

  歯が臭い人の好きな野菜は?とクイズを出せば、また殴られましたわ。はくさい…。はやく歯医者へかかりなされ。

  今日はどちらも2時限からの授業なので、手をつないで家を出ることにする。