透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「―多彩で多才― 面白いぞ北 杜夫さん」

2022-01-30 | A あれこれ

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旧制高等学校記念館 撮影日2022.01.29

 昨年(2021年)の秋に予告されていた(過去ログ)北 杜夫企画展が旧制高等学校記念館で始まった(1月23日~2月20日)。昨日(29日)の午後、見てきた。同館1階のギャラリーに斉藤家から寄贈された書斎遺品が展示されている。

過去ログ


書斎で使われていた机(残念ながら書斎は再現されていなかった)


北さんのファンにはこれが何であるのか説明は不要だろうが、ファンでない閲覧者もおられるだろうから、これは北さん建国のマンボウマブゼ共和国の紙幣であることを記す。


展示品の中で最も注目したのがこの答案用紙

この物理の答案のことは『どくとるマンボウ青春記』にも出てくる(*1)。ネット検索してもヒットする(出題者の松崎 一教授のサイト)。「青春記」で(答)として書いてある文章は、実は出題者のヒントであったことが上の答案用紙を見て分かった。北さんはヒントの文章の最後に**先生自ラコレヲ試ミラレタイ。**と追記している。

**教授はこの答案に合格点に一点足らぬ五十九点をくれたが、あるとき出会うと、「同じ答案ばかり見るのはつらいから、君、もっと書いてくれよ」**(同書88頁)が本当のことなのか、北さんの創作なのか分からない。

この企画展のチラシに北さんの自邸は昨年解体されたことが記されている。北さんのファンとしてはなんとも寂しい・・・。

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*1 『どくとるマンボウ青春記』(中公文庫1973年)87、88頁


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