透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 工作物

2014-05-31 | A 火の見櫓っておもしろい



 火の見櫓は建築基準法施行令に規定されている工作物に該当すると思われる。同令第138条第1項四号の規定の物見塔に類するものとして。従って、高さ8mを超える火の見櫓を建設する場合には、確認申請の手続きが必要だろう。

また、火の見櫓の後継のホース乾燥塔は二号の規定の鉄柱に該当するだろうから、15mを超える場合には同様の手続きが必要だろう。ただ、消火ホースの長さは20mで、二つ折りにして乾すから乾燥塔の高さは10mちょっとあればよく、この場合は確認申請の手続きは不要。

建築基準法施行令ではこんな具合。また、国道や県道脇に建てる場合には根拠法は分からないが手続きが必要になるだろう。他にもクリアする必要がある条例などがあるかもしれない。 


 


「ときめき昆虫学」

2014-05-31 | A 読書日記





 先日カフェバロで行われた「週末のミニミニ講座」で昆虫の生態の話しを聴いて、虫っておもしろそう、無視できない、って思った。で、早速松本駅前の 松本駅近くの丸善の地階で昆虫の本を探した。

ときどき本がぼくにアピールしてくることがある。この『ときめき昆虫学』メレ山メレ子/イースト・プレスがそうだった。ぼくが本を書棚から取る、というのではなく、本がぼくをして書棚から取らしめた、なんて表現で文法的に正しいのかどうか、そういうことがときどきある。そんな本は決まっておもしろい。

カバーが何ともにぎやかで楽しいし(上の写真)、帯のメレ子さんの姿から虫をこよなく愛していることが伝わってくるではないか。

**あなたの中に眠る「虫スイッチ」を押す一冊、ついに誕生!**帯の裏面の文章(下の写真)で、読んでみようと思った。 

もしぼくが火の見櫓の本を出すとしたら、この帯に倣って、「この胸の高鳴りはなんだ!? かわいい、かっこいい、そしていとおしい。そんな火の見やぐらたちの魅力を、火の見ヤグラーU1が綴ります。」 って、どうだろう。   

週末はこの本を読んで虫スイッチON! 


 * 櫓はひらがな表記になるだろう。


― 立地条件

2014-05-30 | A 火の見櫓っておもしろい

火の見櫓は一体どんなところに立っているのだろう・・・。

      
朝日村にて

 
東御市にて  

■ 火の見櫓の立地条件については、数多くの火の見櫓を観察して帰納的に求めることもできるし、火の見櫓の本義から論理的な考察によって演繹することもできるだろう。

いずれきちんとまとめなくてはならないが、とりあえず試論、いや雑考を・・・。

火の見櫓の本来の役割は火災の発見及び火災の状況把握、それから打鐘によってそれらの情報を伝達することにある。ただし火災の発見という条件は除外したほうが、実情に合っている。

以上から立地条件として
①火の見櫓から集落(地域)内全域を見渡すことができること
②半鐘の音が全域に伝わること
が挙げられる。更に、
③一刻も早く火の見櫓に駈けつけて打鐘することができること
という条件が加わる。

①と②及び③の条件を同時に満たすためには集落(地域)の中心的な位置であり、幹線道路沿いとか主要な生活道路の辻(交差点)に背の高い火の見櫓を建てればよい(*)。 

 
長和町にて

これ(*)には
(a)背の高い火の見櫓は建設費が嵩む
(b)集落(地域)の中心的な場所に土地が確保できないなど、建設上の制約もあり得る。

そこで、例えば③の条件はあきらめて、道路事情のあまり良くない小高い場所に、(a)の解消のために背の低い火の見櫓を建てたり、①や②の条件を火の見櫓1基ではなくて、やはり背の低い火の見櫓を2基、3基と建てて満たすという選択がされたりする。 

また(b)の解消のために、集会所や公民館、寺社の境内や参道などに建てたりもする。このような場合、①の条件がクリアできないこともあるだろう。 もっとも集会所は集落のコミュニティの中心地に建てられることが多く、火の見櫓の立地条件と重なる。  

 
辰野町にて

地域によっては河川の増水や氾濫の状況把握という役目が火の見櫓に加わることもあるが、この場合には立地に河川の近くという条件が加わる。

また、隣の集落に火災の発生を知らせて応援を求めるために建てられる火の見櫓もあるが、この場合、立地は集落のはずれということになるのが一般的だろう。  

集落の地形的な条件、地理的な条件がそれぞれ異なるから実際の立地状況は様々だ。

だから個々の火の見櫓の立地を観察して制約条件をどのように解決しているか、どう折り合いをつけているかを読み解かなくてはならない・・・。 

やはり、多くの事例を観察してどのような所に立っているのか、傾向を分析、把握するのが妥当な方法か・・・。


 


― テレビ番組で紹介された火の見櫓

2014-05-28 | A 火の見櫓っておもしろい

 昨日(27日)の夕方放送されたテレビ番組「abnステーション」で紹介された火の見櫓を載せる。 

 

善光寺の参道、仁王門の脇に立っているこの火の見櫓に気がつく人は少ない・・・。

  

    

原村のこの火の見櫓は、屋根に脚が突き刺さっていて、外壁から突き出ている。シュール!モダンアート!すごい造形力!



絶妙な納まり。測ったようだ、って実際測っているけれど・・・。



これも脚が屋根を突きぬけている。以上、原村の貫通3部作。

 
茅野市金沢 

道路を跨いでいる火の見櫓。あずさで東京に行く時は、いつも右側に座ってこの火の見櫓を見る。


安曇野市穂高 

昭和の国家的なプロジェクト、黒部ダム建設の生き証人。 

  

大町市美麻、木造の火の見櫓 ここは火の見ヤグラ―の聖地!?

過去ログ 


 火の見櫓 みんなちがって みんないい


481 筑北村乱橋の火の見櫓

2014-05-28 | A 火の見櫓っておもしろい


481 筑北村乱橋(旧 本城村)

■ この集落には火の見櫓がありそうな気がする・・・。そう思って、幹線道路から生活道路に入ってこの火の見櫓を見つけた。この坂道は洗馬から善光寺に至る善光寺西街道。ここが乱橋宿という宿場だったことを設置されている案内板で知った。

この火の見櫓のように屋根がなく、線状部材だけで出来ていて、ブレースも無いすっきり火の見櫓を遠くから見つけることは困難。錆びていて風景に同化しているから尚更だ(塔マップにもこの火の見櫓はプロットされていない)。


鋼管から成る3角櫓。この写真では分かりにくいが、梯子が設置されている。見張り台の上が必要以上に高いが、その理由は分からない。 


 


― 「火の見やぐら 地域の遺産」

2014-05-27 | A 火の見櫓っておもしろい

  

 

■ テレビの番組で火の見櫓の取材があったことは既に書きました。

新聞のテレビ欄には「火の見やぐら 地域の遺産」とありますが、火の見櫓をどんな風に紹介してもらえるのか楽しみです。  でも鄙里のカールおじさんがみっともない姿を視聴者にさらすことになりそうで・・・。

音声担当の方から上着の襟に小さなマイク、腰に小さな発信器をつけてもらって準備完了。特に事前打ち合わせもなく、火の見櫓を前にして草田アナウンサーに火の見櫓の魅力や観賞のポイントを説明しました(説明したつもりですが、うまくできたかどうか)。長時間の収録でしたから、編集の妙に期待しています。

今年の3月20にラジオ番組で火の見櫓のデザインやその魅力について話す機会がありました。ラジオ番組で火の見櫓の屋根の形や脚の様子などを説明するのは難しいと思いました。でもテレビ番組なら映像があるから楽だろうと思っていましたが、なかなか大変でした。

取材中は自分の声をいつからいつまで録っているのか分かりませんでした。もしかしたら雑談まで録っていたのかも。カメラはどこをどのように撮っているのか分かりません。カメラがすぐ近くでこちらを向いていればどうしても気になります。

放送時間はたぶん朝ドラ1回分くらいだと思います。さて、どんなことになっているでしょう・・・。 汗  


このような機会を得たのは安曇野のぶさんの広いネットワークのおかげです。のぶさんに感謝します。


白髪

2014-05-26 | D 新聞を読んで


信濃毎日新聞5月26日付朝刊より

 くらし面に「白髪 染めてうまく付き合う」という見出しの記事が載っていた。白髪というと司馬遼太郎や藤本義一が浮かぶ。自分もあんな風に白くなったらいいな、と若いころからずっと思っていた。だから、白髪が目立ち始めたころから、染めようと思ったことは一度もない。

毛髪はもともと白色で生まれるそうだ。頭皮の内部で成長する過程でメラサイト(色素細胞)がメラニン色素を作り、毛母細胞に取り込まれて色が毛髪に定着する、と記事にある。

メラサイトの数の減少、機能低下が原因でメラニン色素が作れなくなって白髪になるという。なるほど!な記事だった。 


 


週末のミニミニ講座

2014-05-25 | A あれこれ

■ カフェバロ(松本市梓川)で行われた週末のミニミニ講座「ぼくらはみんな生きている」に参加した。この講座、回を重ねて今回が13回目。

講師は三郷昆虫クラブ世話人の那須野雅好氏。タイトルの「ぼくら」は虫も鳥もけものも、そう、全ての生き物を指している。

講座では蛾や蝶など、昆虫の生態が豊富な写真などの資料とともに紹介された。

擬態という技(わざ)のすばらしさ。葉っぱになったり枝になったり・・・。立体的に見えるようにデザインされた翅、その意図の説明は聴き逃したが、これも身を守るために違いない。それから鳥が狙いを定める目を模した●模様を下の翅の端につけて、襲われてもダメージが少ないようにしていたり・・・。蝶は上下4枚の翅のうち、下の翅を失っても翔ぶことができるのだとか。

昆虫はいろんな技を繰り出して命を繋いでいるということが解った。

大規模な圃場整備で堰はコンクリート製に変わり、あぜ道は細く、まっすぐになり、農道は舗装されて植物が育たなくなって・・・。 安曇野の自然、昆虫たちの良好な生息環境が失われていく。

昆虫好きな人たちが彼らの命のリレーの手助けをしていることなども紹介された。

昨晩(24日)の講座で自然のデザインのすばらしさを改めて知ることができた。 


 


ストライプな小屋

2014-05-24 | B 繰り返しの美学


東筑摩郡山形村にて 撮影日140524 

 火の見櫓なんぞにうつつを抜かしていていいのか? この頃こんな内なる声が聞こえたりもする・・・。なかなか出口が見つからないが、繰り返しの美学のことを忘れてしまったわけではない。

山形村の幹線道路沿いにある飼料小屋の外壁の波トタンが錆びたり錆びなかったりで、ストライプ模様になっている。ストライプ模様は繰り返しの基本パターンのひとつ。 簡素な小屋が妙にモダンに見えたりもする。

 

近づくとこんな感じ。 


 


58 テレビ番組の取材

2014-05-24 | C 名刺 今日の1枚

 

 

 
58枚目 長野朝日放送 草田アナウンサー 諏訪郡原村中新田にて

今年、火の見櫓の広報活動は市民講座(安曇野まちなかカレッジ)、ラジオ(FMまつもと)、新聞(信濃毎日新聞)、そしてついにテレビ(長野朝日放送)にも及び・・・。

火の見櫓のためならと、意を決して現地で取材を受けました。 


 


480 川上村原の火の見櫓

2014-05-22 | A 火の見櫓っておもしろい

      

480 南佐久郡川上村原

脚の付け根の床も含めて3つの踊り場がある火の見櫓。

東信地方の火の見櫓は総じて細身だが、この火の見櫓も例外ではない。見張り台のすぐ下の踊り場は櫓の中に収まらずに外にはみ出している。この「カンガルーポケット踊り場」は東信でよく見かける。

下の写真には水平ブレースが写っている。3角形の櫓ならば水平構面内での変形がないから水平ブレースは不要だが、4角形の櫓の場合には変形するので、このように水平ブレースや火打ちを設けて変形を防いでいる火の見櫓もある。

櫓が直線的で末広がりになっていないこと、部材の接合部にリベットが使われていることなどから、かなり古い火の見櫓だと思われる。 脚元を建て方完了後にコンクリートで固定している。


 


続 水平の人

2014-05-21 | A あれこれ



■ 入院中は体の基礎的なデータとして体温や血圧をはかるんですね。それからトイレの回数も看護師さんに毎日訊かれました。トイレに行った回数・・・、きちんと覚えていません。で、私はトイレに行く度に付箋を貼ることにしました。これならバッチりでしょう。

入院中はゆっくり本を読んで過ごせばいいか、と単行本と新書、それから付箋を持って行きました。でも、手術後は頭が重く、本を読む気にはなりませんでした(二宮金次郎像をそのまま仰向けにしたような状態で読むなら、単行本は重いので不向き、活字の大きな文庫本がいいです)。

で、付箋をこのように使うことを思いついたのでしす。看護師さんに「この付箋、何だと思いますか?」と訊いてみましたが、分からなかったです。で、トイレの回数が分かるように貼っていることを説明すると、「あ、いいですね」との答え。

もし不幸にして入院することがありましたら、この方法を思い出してください。おすすめです。 


前稿で「水平の人」について追記すると書きました。10年以上も前に読んだ冊子ですので、探しても見つかりませんでした。

はっきりしない記憶を基に以下に書きます。

老人福祉先進国のスウェーデンには寝たきり老人がほとんどいない、と言われているようです。年をとっても子どもの世話にはならないという意識が強いこと、普段から椅座位の生活であることなどがその理由として挙げられていたかと思います。でも全くいないわけではなく、寝たきりの人(老人に限定されていたかどうかは忘れました)を「水平の人」と呼ぶ、といった内容ではなかったかと・・・。

『TOTO通信』の特別養護老人ホームを扱った記事でユニットケアのことが紹介され、その中に前述のことが出ていたように思います。 


 


水平の人

2014-05-21 | A あれこれ

■ この1週間、ブログに記事がアップできませんでした。 「どうしたのかな?」って思ってくださった方も居られるかもしれません。

実は入院していました。病名等は書きませんが、14日に入院、15日に手術を受けました。まだ抜ピンしていませんが、昨日(20日)退院しました。その間、病室のベッドで水平の人()でした。

麻酔の影響でしょうか、まだ頭が重く、できればしばらく自宅で静かに休んでいたいのですが、なかなかそうもいきません・・・。

以下、入院中に考えたことを書きます。

 *****

病院のトイレのこと

病室の前に2つトイレがありましたが、左右のトイレで便座の床面からの高さが少し違っていました。車いすのピクトサインがついている左側のトイレの便座の高さは45、6cm、男女のピクトサインがついている右側のトイレの便座の高さは約42cmでした。

車いすを使う患者用と使わない患者用とで高さを変えてあるんですね。左側の少し高い便座は車いすの座面の高さに合わせてあるんです。車いすから便器に、便器から車いすに移乗しやすいように。老人ホーム等であれば介護員が入所者を移乗させやすいように。そう、車いす利用者用の便座は少し高くなっているのが一般的なんです。メーカーの標準仕様だと思います。

たった、3、4cmの差なんですが、車いす用の少し高い便座だと床にきちんと足がつきません(脚が短いので)。すると、用を足しにくいんですよね。このことは知識としては前から知っていましたが、今回、身を持って体験しました。

それから、車いす用のトイレには自動洗浄装置がついていましたが(たぶんこれも一般的な仕様でしょう)、これはどうかなと思いました。便の状態を観察できないんです。 病状を知るためのチェック対象が流れてしまいます・・・。 

あと、トイレでどうするのが良いのか考えたことは便器と手洗いの位置関係です。 

左側の車いすトイレは便器と手洗いが横に並び(I型配置?)、右側のトイレはL型配置(とでも表現すればよいのか)でした。私は横並びのI型配置よりもL型配置の方が使いやすいと思いました(使い勝手には個人差がありますから、このことは一般化できないと思います。あくまでも私の個人的な感想です)。 


 「水平の人」は私の造語ではありません。10年以上も前に読んだ冊子で知ったことばです。
このことについては追記するつもりです。

まあ、こうしてブログに再び記事をアップできるようになって良かったです。  お世話になったお医者さん、看護師さんたちに感謝、感謝であります。