透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー



どくとるマンボウ昆虫展 

2008年10月12日 | A あれこれ
 

 どくとるマンボウ 北杜夫が青春時代を過ごした旧制松本高等学校、その所在地あがたの森にある旧制高等学校記念館で「どくとるマンボウ昆虫展 マンボウ先生の青春」が開催されています(明日13日まで)。今日は休日出勤、昼休みに出かけて観てきました。

**一夜の空襲に私の家は完全に焼失した。そのころ飼っていた何種類かの蜂の巣も、何年もかかって集めた数十箱の標本も、すべてむなしいひとすくいの灰と化してしまった。** 北杜夫は『どくとるマンボウ昆虫記』にこう書いています。北杜夫が松高に入学したのが昭和20年、今回展示されているのはそれ以降に上高地や美ヶ原で採集した昆虫の標本です。

バンカラな学生生活を送りながら、松本周辺で昆虫を夢中になって追いかけていた北杜夫。「少年のようなこころ」の持ち主なんでしょう。作品の奥に在る共通する雰囲気はナイーブな少年のこころから生まれているように私には思えます。

旧制高等学校記念館は平成5年、15年も前に開館していますがいままで訪れたことがありませんでした。常設展示品には北杜夫の有名ならくがき「憂行」や同じく有名な物理の試験の答案もありました。この物理の答案は『どくとるマンボウ青春記』に**更に別の問題には、恋人よこの世に物理学とかいふものがあることは海のやうにも空のやうにも悲しいことだ で始まる長詩を書いた。教授はこの答案に合格点に一点足らぬ五十九点をくれたが(後略)**と出てきます。


本館 大正9年竣工

講堂 大正11年竣工

ところで旧制松本高等学校の本館と講堂は共に大正時代の木造建築でその歴史的な価値から国の重要文化財に指定されています。次回は建築観察をしたいと思います。
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2 コメント

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どくとるマンボウ (ひらりん)
2008-10-17 00:20:10
単行本の「どくとるマンボウ青春記」は初版も持っていて、15歳から30歳くらいまでマンボウ氏一途でした。
私の信州大好きもこの青春記の表紙の写真に魅せられてからですね。
お仲間の作家も次々と亡くなられてますが、マンボウ氏は長生きしていただきたいです。
松本は何度も訪れているのに、旧制松高は行ったことがなく、次回の機会にはぜひ訪れようと思っています。
旧制高等学校記念館 (U1)
2008-10-17 20:40:06
ひらりんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。旧制松本高校は松本駅前から真直ぐ東に伸びている大通りの突当たりにあります(ご存知とは思いますが)。

「旧制高等学校記念館」 なかなか興味深い展示です。「青春記」にも登場する名物教師ヒルさんの写真も展示してありました。機会を見つけてじっくり見たいと思います。それにしても北杜夫の答案などよく残っていたものだと思います。

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