
「日本国憲法下における自衛隊裁判所制度の導入の可能性」というタイトルの論文が「法翼」という空幕法務部が出している冊子に掲載されている。平成16年のことだ。執筆者は中央大学で学んでいる防衛事務次官。自衛隊は、自らのスタッフに憲法を逸脱する方法を学ばせるために法律の勉強をさせているようなのだ。
憲法は76条で次のように定めている。
第76条
1 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
つまり、憲法は、軍事裁判所、軍法裁判所の設置を認めていないといえる。
しかし、法翼に掲載された論文では、76条の問題などについて、独自の見解を示し、合憲であるとしている。
なぜ、自衛隊は、ここまで焦るのか。それは現に海外で戦闘が行われた場合に、通常の裁判所で裁かれることをおそれているからだろう。自衛隊が戦闘によって殺人などを犯した場合に、通常の手、続きで告発されたりしたら、やっかいなことになる、そう考えているのだろう。
戦闘現場に駆けつけて巻き沿いになる形で武力行使をしようというイラク派遣初代隊長であった佐藤議員の発言などからすると、通常裁判所で自衛隊員の行為が裁かれたら、殺人で処罰されることになることもありえよう。
そういう制約を突破して海外で自由に武力行使をしたい、そういう思いが透けて見えはしないだろうか…。
この問題は、個々の兵士の処罰の問題につきない。
この論文では、職業裁判官1名に自衛隊から選出された裁判員4人で構成される裁判体によって審理をするという構想が披露されている。検察官も自衛隊員だ。
そうすると、一度述べたが、次のような問題が生じうる。
上司の命令に反して外国の軍隊を攻撃したが、実はそれが自衛隊内部では好戦派を中心に歓迎されていたとしよう。その場合、論文が提案する裁判所(裁判官も検察も自衛隊員)で裁判が開かれても、自衛隊内での出世のことを考えると、自衛隊員である裁判官は、ごく軽い刑罰しか下さない可能性が大きい。
そのうえで、自衛隊員である検察官は、普通の裁判官で構成される最高裁に移ったら、通常の刑罰(軍事裁判所よりもかなり重いもの)が下される可能性が大きいから、上告をしないという決断をすることになる。すると、軽い刑が確定してしますう。
…こうして、暴走自衛隊員は安心して既成事実を次々とつくりだし、戦争を拡大する方向で進んでしまう。
参照:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/480d661556e4bcaa958d44e4426f2c9d
このような方向での研究のみが進んでおり、自衛隊のシビリアンコントロールを図る方向での研究が進んでいないことは非常に恐ろしいことではないでしょうか…。
※冒頭の図は、論文より。
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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憲法は76条で次のように定めている。
第76条
1 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
つまり、憲法は、軍事裁判所、軍法裁判所の設置を認めていないといえる。
しかし、法翼に掲載された論文では、76条の問題などについて、独自の見解を示し、合憲であるとしている。
なぜ、自衛隊は、ここまで焦るのか。それは現に海外で戦闘が行われた場合に、通常の裁判所で裁かれることをおそれているからだろう。自衛隊が戦闘によって殺人などを犯した場合に、通常の手、続きで告発されたりしたら、やっかいなことになる、そう考えているのだろう。
戦闘現場に駆けつけて巻き沿いになる形で武力行使をしようというイラク派遣初代隊長であった佐藤議員の発言などからすると、通常裁判所で自衛隊員の行為が裁かれたら、殺人で処罰されることになることもありえよう。
そういう制約を突破して海外で自由に武力行使をしたい、そういう思いが透けて見えはしないだろうか…。
この問題は、個々の兵士の処罰の問題につきない。
この論文では、職業裁判官1名に自衛隊から選出された裁判員4人で構成される裁判体によって審理をするという構想が披露されている。検察官も自衛隊員だ。
そうすると、一度述べたが、次のような問題が生じうる。
上司の命令に反して外国の軍隊を攻撃したが、実はそれが自衛隊内部では好戦派を中心に歓迎されていたとしよう。その場合、論文が提案する裁判所(裁判官も検察も自衛隊員)で裁判が開かれても、自衛隊内での出世のことを考えると、自衛隊員である裁判官は、ごく軽い刑罰しか下さない可能性が大きい。
そのうえで、自衛隊員である検察官は、普通の裁判官で構成される最高裁に移ったら、通常の刑罰(軍事裁判所よりもかなり重いもの)が下される可能性が大きいから、上告をしないという決断をすることになる。すると、軽い刑が確定してしますう。
…こうして、暴走自衛隊員は安心して既成事実を次々とつくりだし、戦争を拡大する方向で進んでしまう。
参照:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/480d661556e4bcaa958d44e4426f2c9d
このような方向での研究のみが進んでおり、自衛隊のシビリアンコントロールを図る方向での研究が進んでいないことは非常に恐ろしいことではないでしょうか…。
※冒頭の図は、論文より。
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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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そして失業した方々の受け入れ先はどうすればよいとお考えでしょうか?
だからね、軍事裁判で一般人の守秘義務も裁きたいの!彼等は。
で、注連縄で海軍基地を「守って」、でも欧米のスパイは望遠鏡で覘き放題、日本人一般市民だけ注連縄の禁足で入れないし見れない建前だけど!って戦前の二の舞をしたくて堪らないんですよ。
ビョーキですねぇ。
まあ、覘かれたくない事はコレからビシバシ出て来ますから、米軍再編で。
日本人一般市民に、見て見ない振りをして貰わない事には、憲法違反でもあるし経費ジャブジャブ使い放題の無駄遣いではあるし、どう見ても米軍のパシリにしか見えないし、etc.が凄い予定なんですぅ…。
ぶっちゃけ、ソレこそが売国、国の富を延々米国に注ぎ続ける(一方国内では餓死者云々)の愚作だと思いますが、だから切実に他人の目を塞ぎたい訳で、判り易いっちゃ判り易いが、悪ドイと言えばソレ以上の悪ドサも無いでしょう!!!
軍隊が国を守るなんて考えは、古いんだよッ!
そんな考えにしがみついてるから、必要な処にカネが回らない→格差が広がる→治安が悪くなる→人間の質の低下→余計に格差が広がる…最悪な悪循環。
コレが真実。
ブログのデザインとしてフォントの大きさを選ばれているのだとは思いますが、中高年のものにはちょっと読みづらいです。
私が初めて軍事裁判所の設置を促す発言にふれたのは、昨年(2007年)6月刊行の佐藤優著『地球を斬る』でした。佐藤氏は、自衛隊員の情報漏洩事件に関して、「現在の刑事裁判では、公判審理における外交秘密や防衛秘密の漏洩を防ぐことができない。この機会に軍法会議(軍事裁判所)の設置についても真剣に考えるべきだ。」と記していて、そのとき目を疑いましたが、その後の講演でも「軍法会議をきちんと作ることを考えたほうがいいと思います。(略)自らの軍法会議を作って、最後は最高裁の段階だけでつながっていればいいわけですから。」「その最前線の中で国を守るために、時には人を殺さなければならない、同時に自分も殺されるかもしれない、その覚悟をもってやらなければいけない職業というのはあるわけなのです。」と述べています(2007年9月(財)日本国防協会主催・国防問題講演会)。
石破氏の発言を知ったとき、佐藤氏の主張が根拠になっているのでは、と思いましたが、この冊子の作成月日は平成16年ということですから、すると自衛隊関係者とその周辺では、ここ4、5年来、ずっとそのような議論がなされ、研究も進められてきたという気がしますね。
何を、どこまで考えているのでしょうか。寒気がするほど恐ろしいことで、私達は誰のものであろうと不可解な言論にふれたときは、きちんとチェックし、勇気をもって異論を唱えることがこれからますます必要とされるように思います。ヤメ蚊さん、ありがとうございます。
防衛省の庁への再格下げと憲法を無視する言動をとる人間の容赦ない更迭を実行する事。
あと、隊員の新規募集を中止して自衛隊の縮小を進める事。 これらを実行出来る政権を望みます。