情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

魂の内部告発~西宮冷蔵・雪印事件から6年、公益通報者保護法は効果があるのか?

2008-08-07 08:45:44 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 紙の爆弾別冊「西宮冷蔵 魂の内部告発」が出版された。7月30日に放送されたNHKテレビドラマ「たったひとりの反乱」を見逃した人はぜひお読みください。当時のことを知らない若い人たちも増えてきたと思うが、国産牛肉を政府が買い上げ対象とした輸入牛肉に偽装したことを告発した西宮冷蔵は、告発したために業界から取引を断られた上、偽装に荷担したことを理由として行政処分まで下され、倒産した。その後、市民の支援などを受け、復活したが、本来、ヒーローであり、報奨金を得てもよいはずの西宮冷蔵の社長がここまでの苦労をしなければならないシステムしか日本にないことが情けない。

 この事件などがきっかけで、内部告発者保護法(正式名称:公益通報者保護法)が制定設されたが、別名内部告発防止法と言われるだけあって、外部への内部告発のハードルが高く、事実上使えない法律となっている。外部に通報する場合は、内部や監督官庁への通報できる要件(通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合など)に加え、次の一つが満たされていないといけない。

イ 前二号(会社内部への通報および監督官庁への通報)に定める公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合

ロ 第一号(会社内部への通報)に定める公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合

ハ 労務提供先から前二号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合

ニ 書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録を含む。第九条において同じ。)により第一号(会社内部への通報)に定める公益通報をした日から二十日を経過しても、当該通報対象事実について、当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合又は当該労務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わない場合

ホ 個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合


 監督官庁への内部告発は要件が緩やかだが(通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合であれば足りる)、記憶に新しい「ミートホープ」事件でも、同社の役員が農林水産省北海道農政事務所に対し告発をしたが、放置されていた。つまり、業界と一体化している官庁に告発してもあまり意味がないのは明らかであり、新聞社、テレビ局、市民団体への告発が簡単にできるような仕組みを作らないとこの法律の目的を達することはできない。

 もちろん、この法律は、相次ぐ内部告発を押さえ込むために政府と官僚が一体となって作成したという見方もあり、そういう意味では、目的を達しているという見方もできるが…。

 政官財のスクラムに舐められっぱなしでいいはずがない。まずは、魂の内部告発を読むことから始めませんか?






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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
内部告発防止法 (反政府ゲリラ)
2008-08-07 21:03:59
巧い表現だと思います。内部告発それなりにありますが~警察の裏金、警察に限らずどこの役所にもあるでしょう。バレそうになると組織ぐるみの証拠隠滅、西宮冷蔵が行政処分受けた事、事態この国の政官産の癒着証明していると思います。
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現実 (伊賀 敏)
2008-08-08 21:43:17
傷害事件の虚偽告訴があった。 虚偽告訴を知りながら警察は被告訴人を逮捕した。 被告訴人はこうなることを予測して大阪府警警察本部監察官室に電話していた。 自白強要、人質司法、略式命令、正式裁判と続く中、マスゴミはオールスルー。 唯一、毎日放送が取材に来た。 原田記者は言った、「この事件の情報は監察官室の人から教えてもらいました。」


なんと警察官の内部告発はジッコンの報道記者にリークする事で達成されるのだ。


その裁判結果は、、、、、、(続く)
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