情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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交渉べたの日弁連〜裁判員制度延期の声を利用せず…

2008-08-25 07:49:36 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 日弁連執行部の皆様、ちょっと、弁護士にしては交渉が下手すぎるのではないですか?いえ、ほかでもない、裁判員制度のことですよ。市民から導入への不安の声が上がり、新潟県弁護士会、栃木県弁護士会も、「いたずらに迅速性を求めるのは『粗雑司法』というほかなく、適正手続きに反している」などとして、延期の声をあげた。全会一致で導入した国会でも野党から延期の声が上がっている。

 千載一遇のチャンスじゃないですか。

 「う〜ん、日弁連としても後押しをしたいのですが、やはり、捜査側手持ち証拠の全面開示、23日間の起訴前拘束の改善、取調の全過程の録画化、これらをやってもらわないと、内部的にももたないし、市民を説得することもできない。協力はしたいのですが、市民がここまで反対の声をあげるようになった以上はねぇ…」

 市民を悪者にしたっていいじゃないですか、反対する都道府県単位の弁護士会のせいにしてもいいじゃないですか。この延期の声を利用して、よりよい制度を実現しようとなぜしないのでしょうか?

 一会員にしてみれば、法務省相手にけんかはできないと全面降伏しているようにしか見えない。

 弁護士は、依頼者のために、戦略を練って、相手と交渉するのが仕事でしょう。市民が反対している、こんなに有利な取引材料がありますか?

 それなのに、延期のムードに緊急声明( ※1)を出して、「市民のみなさまにはご負担をおかけしますが、是非とも裁判員裁判に参加していただき、みなさまの健全な社会常識を司法の場に生かしていただきたいのです」などと温いことを述べている。

 東京新聞は21日付特報面で、裁判員の選任過程について問題提起している。

 裁判員候補者に対し、「警察の捜査は信用できるか」という趣旨の質問が行われる予定で(法務省のHPに掲載されているという)、もし、信用できないと答えたら、裁判員から除外されることに成りかねないという。

 確か、弁護士会も、この選任過程の質問をどうするかについて関与していたはずですね。

 まさか、東京新聞が報道した内容の質問がそのまま現実にものにはならないですよね。日弁連が歯止めをかけてくれますよね。

 でもね、東京新聞によれば、陪審員の本場、アメリカでは、もっと、シビアに陪審員を選ぶそうですよ。

 フロリダ州マイアミでは、「相手が警察官の場合、あなたは相手が本当のことをいっていると思うか」という質問にイエスと答えたら、陪審員には選ばれないそうです。逆に警察に不信感を持っているかどうかの質問はされないという。

 真実を発見するためには、警察や検察と同じ目で事件を見ていたのでは、不十分です。日弁連も「捜査も裁判も官のみが行う状況ではチェックが働かず、一向に冤罪はなくならないのです。」と認めていますよね。

 でも、いまの裁判員制度で、民が入って、民の力を発揮できると本気で考えていますか?

 私は、裁判員制度導入に反対はしません。しかし、それは、上述した捜査側手持ち証拠の全面開示のような制度が実現されること(少なくとも、早期に実現する方向で市民的取り組みを行うこと)が前提です。

 今回のような千載一遇のチャンスに、日弁連が「裁判員制度は誰もやったことがなく情報も少ないためご不安を覚える方も多いと思いますが、問題のある刑事裁判を良くするために是非ともご参加をいただきたいと考えています。」などと発言したのでは、「官」が譲歩するはずがない。

 日弁連執行部が弁護士らしくうまく立ち回ってより成果をあげるよう努力する姿勢が見えるまで、裁判員制度導入について反対せざるを得ないかもしれない。


  
 
※1:http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/080820.html





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日弁連執行部の姿勢 (みんみん)
2008-08-25 11:52:27
日弁連会長の声明で言及されている「刑事裁判の欠陥」は今の裁判員制度のままでは解消されないというヤメ蚊さんのご意見はおっしゃるとおりだと思います。

しかし、それにもかかわらず、なぜ日弁連執行部が緊急声明を出してまで裁判員制度導入にこだわるのかというように考えると、どうも、ほんとうによりよい制度を実現しようとする気があるのだろうかと疑わざるを得ないと思います。

というのも、野党から現在のままでの裁判員制度導入に反対するという声は、よりよい裁判員制度の実現のためのテコになりうるものであるのに、緊急声明はむしろそれとは逆ベクトルなのではないかと考えられるからです。

私のうがった見方ですと、日弁連執行部はよりよい制度にしたいというよりは、とりあえずの形をつくって功績にしておこうとぐらいにしか考えていないのでは、とみえます。

とすると、今回の声明は、「弁護士らしくうまく立ち回」らなかったのではなく、上記の意味で、「弁護士らしくうまく立ち回っ」た結果なのではないでしょうか。私の考え方は、少しシビアすぎますかね?
Unknown (トオル)
2008-08-25 15:14:35
これって色んなしがらみがあるんでしょうけど1市民からしてみれば

「全然、内容がわからないのによくこんな迅速にできたな。普段は言ってもやらないくせに」

と感じました。
今でも全然わからないし選ばれても非常に困ります。
でしょ (伊賀 敏)
2008-08-25 17:11:22
日弁連は誰の味方なの?

裁判員に選ばれそうな人が全員、警察は信用できないと答えれば、裁判員は  0 になっちゃうんだけど。
Unknown (真実)
2008-08-25 18:43:37
日弁連はまず電話対応をしっかりできるようになりましょう! 
例えばこちらが質問したことに対しての解答に納得できなくて反論したら別にそれならそれで結構ですからお好きなように!ガチャッ!プーップーップーッって(笑)
上から目線での物言いの挙げ句の果てが一方的に電話切っちゃうんだもんな…

それこそ暴力団以下だよ(笑)
質問や反論も (田仁)
2008-08-26 00:04:17
キッチリ頭の中で纏めてから、言われた方がよりいいのではないかと思います。
日弁連てアメリカの… (riz)
2008-08-26 00:45:29
〜裁判員候補者に対し、「警察の捜査は信用できるか」という趣旨の質問が行われたら〜〜

自分は絶対選ばれる心配はないな・・。
ところで日弁連て、裁判員制度に反対しているのかと思っていた(知らなかったから勝手にそう思い込んでいた)・・・少なくとも、こんなに簡単に協力声明出すと思わなかった。
信用できない人たちだと思った。

くさい元を断て (伊賀 敏)
2008-08-26 21:58:17
でも裁判員をどうするかより
自白の可視化をどうするかより


裁判の不正をなくすのが第一でしょ。
99.9% (こやぶ)
2008-08-26 23:39:26
現実に警察の捜査を信用できると思ってる国民は皆無でしょ。


 99.9%いませんよ。

 何処かで聞いた数字だなこれ。
白バイ事件 (伊賀 敏)
2008-08-28 21:22:37

日弁連人権擁護委員会は

白バイ事件の人権擁護は、してあげないんですか?


もしかしてまたまた 同じ答え?


   「却下する。」

     

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