彦四郎の中国生活

中国滞在記

第十九回中国共産党大会が今週に開会される❶―この1週間の中国国内の動き

2017-10-16 06:06:21 | 滞在記

 今週の10月18日(水)より、第19回中国共産党全国代表大会が開催される。5年に1度開催される大会で、この大会で200人あまりの「中央委員」が選出される。大会閉幕後に、新しく選出された「中央委員会総会」において、新指導部チャイナセブン(常任委員)が承認される運びとなり、その人事に世界中が注目している。(※チャイナセブン7からチャイナファイブ5へという憶測も一部ある)

 大会が間近に迫った先週の1週間、小中学校や大学、大型スーパーマーケットやホテル、官公庁など中国国内の街のいたるところに「喜迎十九会」という電光掲示板や横断幕などを見ることができる。大学への通勤でいつもの通勤路をバスに乗って町並みを眺めていると、小学校前には「喜迎十九大創造新輝煌」という横断幕が、高校の電光掲示板には「以一流成績 喜迎党的十九大勝利招集」などの文字がみられる。

 小学生は学校内で赤いネッカチーフを付けることをほぼ義務付けられているが、この1週間は、登下校の際にも着用している小学生の姿がやたら目立っていた。おそらく学校の先生から「もうすぐ大会が始まりますから、学校内だけでなく登下校の際も首に巻きなさいね」と言われているのかもしれない。10月8日には「国慶節期間」も終わったが、その期間に向けて市内の道路に並べて立てられていた赤い小旗も、例年はこの期間が終ると取り外されるが、おそらく大会の開催に向けてそのままにして立て並べられている。

 先週の10月11日(水)、日本のNHK報道ニュースでは、日本国内の衆議院選挙の動向とともに中国共産党大会関連の報道がされていた。「中国共産党大会まで1週間」「習近平国家主席が総書記として政治報告―今後5年間の政治・経済の基本方針示す」「党規約の改正―習主席の指導理念が盛り込まれる見通し」「習主席の名前も書きこまれ―毛沢東・鄧小平に並ぶ指導者としての位置づけか」「中央委総会―最高指導部にあたる政治局常務委員の新メンバー選出」と報じられていた。

 北京市内は厳戒態勢がとられている。大会期間中のテロなどの事件を未然に防ぐためだが、上海など全国各地から北京に向かう交通関連でも、二重の持ち物検査などが取られているようだ。北京市内では「85万人以上が治安ボランティア登録」との報道もあった。そのほとんどは、共産党員だろうが、それにしてもすごい数だと思う。ボランティアも含めると、100万人以上が警戒にあたっていることとなる。ほぼ北京市市内人口の10人に1人にあたる。この北京市のトップ(北京市党委員会書記)は蔡奇氏。習近平氏の信頼の厚い人物として知られているが、福建師範大学の掲示板には蔡氏の紹介が貼られていた。(※この大学の学部・大学院の卒業生であることなど)

 同じくNHK報道で、「北京 中国習近平主席の展示会―”権威”印象づける狙いか」「習近平氏の功績を強調」「腐敗撲滅運動で拘束した大物の顔写真や罪名も」などの報道もあったこの1週間。

 日本では「yahoo Japan!」のインターネットチャンネルぐらいしかあまりないが、中国国内には、多くのインターネット運営会社が存在し、さまざまなチャンネルがある。私も日常的に、5つほどのインターネットチャンネルを見ている。この10日間ほどは、どのチャンネルも第一面トップ記事は、党大会関連であった。この5年間の習政権の功績(「一帯一路政策」、「脱貧困政策」「腐敗撲滅」「新疆・内蒙古自治区などの安定化」など)などを掲示。中国共産党の歴史的な戦いと「国之魂」を描くテレビドラマや映画などの紹介もある。

 中国共産党全国代表大会の代議員がどのように選出されて大会に参加しているのかということを説明している記事「党和国家領導人是如何当選十九大代表的」もあった。全国各地の約170万人の共産党員から大会代議員が各地方・組織内から選ばれるシステムが紹介されている。

 習近平氏の権力基盤が盤石となりつつある中国で、「国民こぞって党大会を成功させようという雰囲気づくり」がかなり強く演出されている今の中国社会の様子である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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