侮れない

昨夜のミロンガの帰り、やっぱりクリリン店長さんのお店に行ってしまいました。
「行ってしまった」なんて言うと、「そんな気は無かったはずなのに」みたいですが
実は、最初から行く気満々でした。

だって、〆鯖～♪

はい、どーん！

自家製〆鯖、￥680
見てくださいよ、この食欲を煽る盛り付け。
そして、ツヤツヤ感。

脂がのっているようで、意外とあっさり。
お皿にレモンが添えられていたので、飾りかな？と思いつつも
近くを通り掛ったヤムチャくんに尋ねると
〆鯖には、レモンが合うとのこと。
ワサビ醤油を使わずに、レモンだけで食べると、すごく美味しいのだそうです。
さっそく、レモンをきゅっと絞って、そのまま一切れ口に入れると

　　　　うまー！

〆鯖のこってりとした旨味に、レモンの爽やかな酸味が合うこと、合うこと。

私がお店に入ったとき、お店は結構混んでいて
忙しさのピークの真っ只中だったのですが
私が〆鯖を食べ始める頃には、一気にお客がひけてしまい（私のせいか？）
やがて、店内のお客は私１人になってしまいました。
さて、今日のお蕎麦は。
今日のお蕎麦は。
今日のお蕎麦は…。

久し振りに塩すだちも食べたいし、シンプルにもりそばも食べたい。
そう言えば、最近海老セイロも食べていないし
冷汁かけそばの柚子こしょうバージョンも、もう一度食べたい。
ああ、迷う。

散々迷った挙句、店内に他にお客がいないのを良いことに
私は、クリリン店長さんに、こんなお願いをしてみました。
「冷たいお蕎麦で、私に食べさせたいお蕎麦を作ってください」
もちろん、メニューに無いもの可です。

店長さんは、雑談を交わしながらも、暫くあれこれと考えていた様で
話をしている最中、突然
「あ、いま思い付いた！」
と言って、厨房へ入って行きました。
私は、テーブルに着いて、ひたすら待ちの体勢です。
ヤムチャくんも、やはり店長が何を思い付いたのか気になるようで
お仕事の合間に、時々厨房を覗いては、意味深げににやっと笑います。
こっちは否応無しに気になってしまうばかり。
「なになに？どんなの？」
と、私が言うと、ヤムチャくんは相変らず意味深な笑いを浮かべたまま
「きっと、ビックリしますよ」
としか、教えてくれませんでした。
なんだー。
なんだろー。

やがて、私の前に運ばれてきたお蕎麦がこちら。
（がっつき気味に撮ったので、携帯電話のストラップが左隅に…）

「これはなんですか？」
ヤムチャくんに尋ねると、彼はこう言いました。
「蕎麦です！」

うん、確かに蕎麦だ。
いや、ただの蕎麦じゃないでしょう？これは！

すごいボリュームのこのお蕎麦は
ハモ（その他）の天ぷらのあんかけセイロ。
左側の三つ葉を浮かべたあんは、お蕎麦用です。
クリリン店長さん特性の「かえし」を使って作ったあんは
お出汁の香りがしっかりと利いていて、良いお味です。
ハモの天ぷらは、肉厚でほっくり。

　　　うまーーー！

実は、この数日前、『篤姫』に関する本を読んでいた私は
篤姫の好んで食べていたという食べ物が、「あんかけ豆腐」だったことから
「揚げだし豆腐のあんかけ」が食べたいと、ずっと思っていたのですが
ここ数日暑い日が続いていたせいもあって、なんとなく食べずにいたのです。
それが、まさかあんかけを食べることになるなんて！
確かに、「揚げだし豆腐」ではありませんが
食べたかったものと、非常に近いものが出て来たので
「またしても読まれたか！」と、かなり驚いてしまいました。

クリリン店長さんって、一体何者なのでしょうか。
やっぱり、本当に人の心が読めるのでしょうか（←頻繁に訪れる常連に限る）
侮れない蕎麦打ち職人です。