吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

つめたい おみず

2013-10-30 22:21:33 | インポート
ここ1ヶ月くらい前からでしょうか。
私が浴室にいると、さっちゃんがお水を持ってきてくれる様になりました。
その持ってき方が、面白いのです。

お水を汲んだコップを持って、浴室のドアの曇りガラスの向こうに立ち
小さな指先で、ガラスをさらさらとこすりながら
「ちょっと あけてもらえますか」
と、声を掛けてきます。
ドアを開けると、コップを差し出して、こう言います、
「おみずです」

「どんなお水ですか?」
と、尋ねると、気が向いたときは
「つめたい おみずです」
と、答えてくれるのですが、大抵は
「のんでみて」
と、コップを突き出します。

ごくごくごく。

「冷たくて、美味しいお水ですね」
私がそう言うと、さっちゃんは満足そうに笑って、行ってしまいます。

純粋に、ただお水を飲ませたいのか。
単純に、このやりとりを楽しんでいるのか。

先ほども、私がシャワーを浴びている時に
「ちょっと あけてもらえますか」
と、お水を持ってきてくれました。

ごくごくごく。
「冷たくて、美味しいお水ですね」
私がそう言うと、さっちゃんは満足そうに笑って、行ってしまいました。
コップを持って、行ってしまいました。

ところが、その数分後。
さっちゃんが、また曇りガラスの向こうに立ち
「ちょっと あけてもらえますか」
と、指先でガラスをこすりました。
2回もお水を持ってきてくれるなんて、珍しいな。
そう思いながら、ドアを開けると
さっちゃんが持っていたのは、「さけ」
SUNTORY「ほろよい」の、「白いサワー」でした。

「それは、なんですか?」
「さけ です」
「どんな、さけ ですか?」
「のんでみて」

ごくごくごく。
ぷはー。

「おいしい、さけ ですね」
私がそう言うと、さっちゃんは満足そうに笑って、行ってしまいました。

次は、おつまみかな。



我々は、何故食べるのか。そこに食べ物があるから。

2013-10-29 23:29:32 | インポート
今日は、ヘルパーのKちゃんと、大丸デパートのブッフェへ行ってきました!

平日の昼間なのに、ほとんど満席。
お料理の品数も豊富で、目がいやしい私たちは、色々な種類が食べたくて
はたらきバチのように、せっせせっせとお料理を運ぶものだから
Kちゃんがお料理をテーブルに運んで来たときは、私が席を外していて
私がお料理をテーブルに運んで来たときは、Kちゃんが席を外していて
「一緒に食事に来たのに、なかなか会わないね」
なんて場面もありました。

私たちが、やっと落ち着いて席に着いた頃には
テーブルの上は、えらいことになっていました。
1383056950015.jpg
1383056974117.jpg
(これは、ほんの一例です)

ところが、今日は、いつになく「上がり(←お腹がいっぱい)」が早く
私は、いつになく苦戦を強いられてしまいました。
たった(?)これだけの量で、私のお腹がいっぱいになってしまうなんて…。
敗因を探っていた私は、あることに気付きました。
そういえば、今日はさっちゃんがいなかったので
ゆっくりお喋りをしながら食べてしまったんだ。
ゆっくりと食べたことで、満腹中枢が勘違いをして
「こんなに長い時間口が動いているんだから、もう満腹なはず!」
と、「満腹になったつもり」になってしまったのではないかと思うのです。

普段の私なら、もっとイケるはずなのに…。

「なに?この敗北感」
と、Kちゃんに訴えると
Kちゃんは、愉快そうに笑いながら、こう言いました。
「じゃあ、次回リベンジをしましょう」

つまり、また行くんだね…。

帰りの電車の中で、私は
「私たちって、登山家みたいだよね」
と、呟いてみました。
「ムリなことに挑戦するからですか?」
「山(食べ放題)があると、つい、挑んでしまうんだよね」
「全メニューを制覇したら、達成感がありますしね」
「制覇したところで誰も褒めてくれない、孤独な戦いですけどね」
「ですねー…」

そして、23:30現在。
私のお腹は、まだ満腹感を維持し続けています。

本来の目的はソレだったのに....

2013-10-28 22:56:00 | インポート
今日は、定期的に通っている病院での、定期検診日でした。

検査をいくつか済ませて、お薬を処方してもらって
診察の会計を済ませてから調剤薬局薬局に行き
受付に処方箋を渡したときに、お薬手帳を忘れたことに気付き
どうせ、いつもお薬の用意に時間も掛かることだしと思い
夕方(さっちゃんのお迎えの前に)、お薬を取りに来ますと言って、家に戻り
お掃除や食事の用意をして、少し本を読んでから
夕方、さっちゃんのお迎えに行って......


.......お薬を取りに行くのを忘れたことに気付きました。


明日、取りに行きます。


ささやかなはずなのに…

2013-10-27 21:36:34 | インポート
先日、仕事仲間と話をしていて
「3日くらい休みがあって、家のことも何もしないで
 ず~っとお布団の中でごろごろできたらいいですよね~」
と、私が言ったら
「そうだよね~
 私たちは、お休みの日でも、ご飯だけは作らないといけないからね~」
「そこは休めないですからね~
 ご飯も何も作らなくて良かったら、本気でごろごろしますよね」
「おにぎりとかお菓子とか枕元においてね」
「温かいお茶の入ったポットも置いて」
「いいよね~」
「いいですよね~」
「こんなささやかな夢が、どうして叶わないんだろう」
「そうなんですよね~」

本当に、どうしてだろう…。


この間、ルーシーとの待ち合わせ場所へ向かうバスの中
後部座席で、男子1人女子2人の高校生が騒いでいました。
男子と女子のうちの1人は、そんなに騒がしいわけではなかったのですが
女子1人が、とにかくうるさい。
声がでかく、しかも甲高い。
更に、甘えた声を出してずっとケラケラ笑っている私って可愛い
そんな感じの、タチの悪い、私の嫌いなタイプの子だったので
げんなりした気分で、窓の外を眺めていました。

バス停を、4つくらい過ぎた頃でしょうか。
「君たち、どこの学校だ?」
私の後ろで、年輩の男性の声がしました。
ケラケラ声が、ぴたりと止みました。
静まり返る車内。
「君たち、どこの学校の生徒だ?」
男性は、もう一度尋ねました。
「すずめの学校です」
男子が、小さな声で答えました。
「何年生だ?」
年輩の男性は、怒鳴っているわけではないのですが
その声には、明らかに深い感が込められています。
「2年です」
男子生徒が答えました。
この子は、そんなに騒いでいなかったのに
女子2人が答えないから、答え役になってしまったらしい。
「バスの中でそんなに大騒ぎしたら、周りが迷惑だろう
 高校2年生にもなって、そんなことも分からないのか」

「胸が透く思い」とは、まさにこのことでしょう。

黙り込む、すずめの学校の生徒たち。
「名前は?」

ええ?そんなことまで聞いちゃう?
私は、内心少し驚きました。

「名前はなんと言うんだ?」
「○○です」
今度は、女子生徒が小さな声で答えました。
声は小さかったのですが、一番うるさかった、ケラケラ女子の声でした。
「なんだって?」
女子生徒の声があまりにも小さくて、男性は聞きとれなかった様です。
「名前を言いなさい」
「ケラケラです」
女子生徒は、さっきよりも少しだけ大きな声で答えました。

「よし」
男性は、生徒たちの学校名や名前をメモしている様でした。

「君たちのことは、学校に電話しておくから」
今度は、誰も返事をしませんでした。
誰1人として「すみませんでした」と言わなかったところは
やはり、イマドキの若者ということなのでしょうか。

男性が、彼らの直ぐ前に座っていたこともあり
彼らは、その後ひと言も喋ることはありませんでした。

途中で降りていった男性の姿をちらっと見たのですが
60代くらいの、「おじいちゃん」に近い、小柄な男性でした。
私は男性の後ろ姿に、心の中でぱちぱちと拍手を送りました。