古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

荒野     鶴岡 卓哉

2021-04-19 09:03:16 | 詩・ポエム

荒野   


苛つく体を抱えて荒野をゆく姿が

俺の目に焼きつくと同時に勇気が湧いた

お前は荒野をその意志の強さで何とか切り抜けるだろう

お前は荒野で狂うかもしれないが

その頑強なる魂で切り抜けるだろう

焼けつく太陽はお前をジリジリと焦がしてゆくだろう

吹きすさぶ風はお前の肌を傷めつけるだろう

盲目になり例えお前の姿が見えなくなったとしても俺は

お前のこの勇姿を忘れ得ないだろう

これがお前の生きてきた姿なのだということを

忘れないでいるだろう


積山勝一氏 ・カラー魚拓 2014年に古本カフェでやったもの。当時はまだ古本は置いていなくて、ただのカフェでした。積山さんももう連絡が取れなくて、どうしておられることやら。もう七年も経っているんですものねえ。ひえぇ、時のたつのの早さの歳を取ってからの早さはすごいことですね。あぁ、こうやって、ジタバタしているうちに死んでいくんだろうなあ。と、なんか長くなってしまった。つまり、この魚はこう言っておる、魚を食うのも命がけだな!





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投身     鶴岡 卓哉

2021-04-16 08:42:03 | 詩・ポエム

投身    



僕自身が突如としていなくなってしまう

脳裏に芽生えた幾千の閃きも失せてしまい

僕に残されたのはただの魂の欠片の影

そこに救いを見出そうとするがどこにもない

ひたすらに恋い焦がれた僕の想いは自分自身をさえ蝕んでしまったのか

文章は僕を呪いながら追い掛けてくる

それで凄く遠くに僕は逃げていくのだ

深淵に望む絶壁で僕は死を感じ

愛を感じるために身を投じるのだ


ボクの後ろ姿、いかしてんだろ? なんていうか、決まっちゃうんだなあ、ボクって存在は稀有だね。いやいや。

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無謀さ     鶴岡 卓哉

2021-04-14 10:17:29 | 詩・ポエム

無謀さ   


僕のその無謀さを憐れんでくれるな

僕はソーダをコンピュータに注ぐのだ

その化学作用こそ僕の真摯に求めたものであるということ

照明の証を立てることが慰めとなるなら

無謀など何の価値もないこと

僕は乗り越え、自身をソーダにし

指の先から生まれ出るドットの構成を凝視し

睥睨しつつも、これしかないと僕は自分を鼓舞するのだ

メロンの香りの言葉を探求することが

ボクに課された使命だとしても

誰も呪うまい、僕は無謀さをこそ身命としているのだ

そして、僕は痩せ衰え、脳の疲弊に打ち拉がれるのだ

 

我々は地球を侵略しにきたのだレン。ただちに三時にチーズケーキを出しなしゃれン。アールグレーもあったら、うれしいレン。そしたら、地球侵略のことは考えてもいいレン。

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グッドラック      アレックス・ロビラ、フェルナンド・トリアス・デ・ベス

2021-04-13 10:26:42 | 小説の紹介

田中志文・訳  2004年

 

すごくよく売れた本らしい。幸運について書かれた本で

 

運と幸運は違うらしいが。努力なくして、というか、こ

 

こでは賢さがすごく重要なポイントになってくるらしい。

 

バカは幸せになれない、といっているようだ。やみくもに

 

幸運を探すだけでもだめらしい。要領よくやった者の勝ちだ

 

とも解釈できる。

 

さすが経営をやっている二人だけあって、計算づくという感が

 

ある。

 

たしかに努力は大切だが、それだけじゃあだめってことでしょ。

 

うーん、いいはなしなのかなあ、いいはなしとかでもないような

 

気がするし、これ読んだから、どうこうってわけでもない気が……

 

読書時間3Hの旅。……合掌。

 

 

 

努力なんてしねーよ。寝たいときに寝んのが僕ニャン流。健康のおけつだね。いや、違った、秘訣だね。

 

 

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焼き餃子と名画座  わたしの東京味歩き   平松洋子

2021-04-11 10:13:20 | 本の紹介

新潮文庫     2009年

 

ぼくがこの本に呼ばれていたなあ、と思ったのは、その

 

ちょっと前に中学生のころにバスガイドから聞いた、小

 

原庄助さん、なんで身上つぶした、朝寝朝酒朝湯がだ

 

いすきで、というフレーズが突如頭に巡ってきて、表題

 

作の焼き餃子と名画座に、その歌詞がのっていた、これ

 

は、と思ったね。そういうこともあるもんだ。

 

全肯定感にみちてるんだね、このひとは。だから、おいし

 

い、とっては食べ、食べては、おいしい、といったよう

 

なことをいっている、幸せなひとである。

 

東京はおカネがあれば、たのしいんだろうなあ、と思う。

 

なんにしてもおカネがないと始まんないというのが、東

 

京のいいところであり、そうじゃないところでもある。

 

けど、貧乏を自称するぼくが思うが決して高いだけじ

 

ゃアだめなのだ、といわせてもらおう。あとは、そう

 

ですね、長くなるのでよしとするニャー。……合掌。

 

わしが見ているのは天国ニャ。天国を見てるニャ。そこはすっごくおいしい缶詰めが食べられるとこニャ。

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言葉の海が割れるとき     鶴岡 卓哉

2021-04-10 10:24:47 | 詩・ポエム

言葉の海が割れるとき   



頭に去来する数々の意味のない言葉

溺れそうになるその言葉の中で

僕は心が破裂してしまいそうになり

嗚咽の絶叫をあげる

切り裂かれた皮膚の上を

またいつものように亀裂が走る

旗が夜のしじまにはためく

それでも、誰にも助けを求めるわけにはいかず

狂気の言葉のような鋭さがまた僕を

メチャクチャに切り刻むんだ



万里の長城って、ゴミだらけって知ってる? なんで知ってるかって? テレビで見たのさ! ぼくはテレビを見る猫なのさ!



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闘争のために  鶴岡 卓哉

2021-04-09 10:13:26 | 詩・ポエム

闘争のために   


この世界は邪悪な戦争に満ちてる

人々は殺戮者に殺され

死体には味の失せたガムが貼り付けられる

体に吐き出されるのさ、ペッとな

血だまりは雨の後の水溜りのようにそこいら中にあるし

俺たちには本当の名前さえないのさ

親がもういない子供のように俺たちは振る舞わなきゃならない

そうでもしないと俺たちはあっという間にヤツらの言いなりだぜ

あるいは暴力的なコマーシャルの餌食さ

そこいら中に落とし穴と間違った真実が転がり

俺たちを蝕み朽ち果てさせるために懸命になってるぜ

そうさ、俺たちは狡猾に立ち回りうまく生き延びなきゃならない

噓くさい言葉や即席の毒のようなナイフで

俺たちは日々苦痛を伴った病気で悶絶しながら息絶えてしまうかもしれないのさ

 



えっ? なんか言った? なんか言ったように感じたんだけど?

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きりきりかんかん     阿川佐和子

2021-04-08 10:05:55 | 本の紹介

文春文庫     1992年

 

装丁にみじんこにのった佐和子女史の絵があるが、みじんこ

 

のはなしが一番おもしろかった。あとは、阿川弘之氏がでて

 

くるはなしがやはりキョーミブカかった。

 

ぼくには佐和子女史のテンションが丁度良くて、読んでいて、

 

波長が合うのがわかる。いや、こっちが思っているだけですが、

 

いい迷惑ですね。

 

これを書かれたころは、丁度八年間されていたアンカーウーマン

 

をやめられたころですね。

 

弘之氏は齢70を越えてもひとりで眠れないとはさすが文豪ですね。

 

やることがひととちがいます。

 

メダカもみじんこも死んじゃって、ご愁傷さまです、チーン。……合掌。

 

 

 

わての好物は大福だす。イチゴ大福は特別なときに食べるだす。ご褒美だすなぁ。

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恐妻 ダイノ・ワイフ    豊田有恒

2021-04-06 11:02:58 | 小説の紹介

「SF文迷論入門」所収。

 

このひとは基本、「セクハラ」と「エロ」なのだろうか。

 

この二本立てで今までの三本は成立しているように思う。

 

「恐妻」という巨大化した女に、ちんこだけでかい、ち

 

っこい男がレイプされるっていう、とんでもない話が描

 

かれる。女が身長三メートル体重二百五十キロって、た

 

ぶん、豊田氏は恐妻家なんだろうね。でないと、この発想

 

はでないと思う。巨大化しすぎて絶滅する、って、人間って

 

男と女がいないとだめなんじゃあなかったっけ?

 

セクハラがひどいので、このショートショートで読むのを一旦

 

中断します。あぁぁぁいとぅいまてぇぇぇん。……合掌。

 

 

ショートショートの書評だから、一日二かぁぁいニャンだね? おいらのセクシーポーズどうニャン?

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純血      豊田有恒

2021-04-06 09:57:05 | 小説の紹介

「SF文迷論入門」所収。

 

はじめ豊田氏はなんのことを書いておられるのか、よく

 

わからなかい。ヒミツはタイトルにあり、「性交」を

 

「成功」させようとする、冗談みたいなことが大問題に

 

なっているらしい。これはショートショートなので、す

 

ぐに読めてしまう。これもオチは、読み進めていくとわ

 

かる。日本人というものが数人しかいなくなってしまった

 

世の中で、子供を残そうとしているのである。

 

今なら人工授精とか、試験管ベビー(ちょっとなつかしい)

 

などあるだろうが、この当時はもっぱら、せっせとピスト

 

ン運動という。なんか時代を感じるなあ。……合掌。

 

 

宮島名物うえの、のあなご飯。これ食って、セクハラ文学でも読むかッ! ってセクハラはだめでしょ?

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