古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

世界どこでもずんがずんが旅     椎名誠

2020-05-31 09:53:31 | 本の紹介
角川文庫       2010年

1980年代から始まったシーナさんの旅のアンソロジー的

ソーマ燈的な作品集である。

僕は外国はニューヨークに行ったっきりで、辺境というとこ

ろには行ったことがない。そもそもイヤである。日本がいい。

ニューヨークもホントに自分のことで精いっぱいの時期で

気を遣えなかったので、楽しめなかった。

それにしても辺境である。極寒である。極暑である。イヤで

ある。シーナさんはそんなところにずんがずんがと行ってし

まうんだから、えらいんである。

野豚に後をついて回られて、の野グソである。イヤである。

ジャングルに穴を掘って、からの野グソ、イヤだ、イヤだ。

日本がいい。やはり、どんなことになろーと日本という国を

離れられないようだ、と確信した。文庫版には竹田さんと

いうドレイの感涙の解説がついている。うーん、ドレイの

身分なのにスゴイ……合掌。

                  (鶴岡卓哉)




































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詩・君のことで      鶴岡卓哉

2020-05-28 12:42:59 | ポエム
なぜかラムネが冷蔵庫に三本も入っていて

それは暗号かなにかなのか

それにテーブルの上には見知らぬ花が一輪置いてあり

とにかくそれで僕は君が去っていったことを確信した

僕には小さな猫が一匹いるだけだったし仕事もなかった

だから仕方のないことかもしれないとも思った

君が去っていったことで僕は変われるわけもなく

いつものようにクッキーを齧って暮らし続けた











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詩・影の言葉      鶴岡 卓哉

2020-05-27 10:30:36 | 大道珠貴
その自分を愛すことを怖れているのなら

影に聞くといい

影は君に言う

本当の自分かそうでないかを

それが本当の自分ならつきつめていくことが

何よりも重要な目的となる

その目的こそが自分の追い求める姿の指標となるだろう

追いかけることにより鍛えられる

その鍛錬こそが近道である事を影は知っていた

君に語りかける言葉のその意味は

後に形となって現われてくるだろう

その病を愛すことが君のする第一のことだったのだ

::::::::::::::

打っているうちにものすごくはずかしくなってきて

どうしようか、やめとこうか、とも思ったが、

もう打ってしまったし。

詩というものは、もともとはずかしいものなんだよねえ。

それは一種の公開処刑的な色あいもあるわけでさ。

まあ、いいや。



































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てっぺんで月を見る      沢野ひとし

2020-05-26 10:02:29 | 本の紹介
角川文庫     1989年

シーナさんがウスラバカだからウスラ沢野だ、といって

ウスラ沢野ウスラ沢野といっていた(書いていた)。

なんでウスラなのか、と思っていたら、どうやら、この

シーナ一派は家庭をかえりみないひとたちらしい。

火宅の人気取りでいるらしかったウスラ氏、では、結婚

などしなけりゃいいじゃないか、と思うのがふつーだ。

でも、そうなのだ、するから、ウスラなのだ。

ボクもたぶん、結婚したら家に帰りたくなくなるひとな

ので、絶対、しないのだ。そもそも女のひとが怖いのだ。

で、この本だが、山岳エッセイというべきもので、山に

関することが、自身の体験を踏まえて書かれている。

ボクは海も山もコワイ。もやし中年なので、なんで山に

登ろうとするのかわからない。山がそこにあるからだ、

というこたえはいかにもこたえになっていない。じゃあ、

ビルがあったら、登るのか? 木があったら登るのか?

うーん、よくわからなくなってきた、チーン……合掌。

               (鶴岡 卓哉)






















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武装島田倉庫        椎名誠

2020-05-24 10:23:28 | 本の紹介
新潮文庫      1990年

第一章にあたる武装島田倉庫はまだわかったが、

第二章にあたる部分、第三章と読むとわからなく

なってきて、辛抱して読んでいると、その世界観

がようやく理解できていきなんとか楽しめるように

なってくる。

このSFはのりこなすのが難しいようである。

ラストにむけて、DUFT PUNKのTRON;LEGACY

を聴いていたのだが、それが小説によくあって臨場感

がいや増した。

まだ「水域」を読んでいないなあ、アマゾンでさっそく

買ってみるか、きっと、ボクを満足させてくれるにちが

いない……合掌。

               (鶴岡 卓哉)









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河童が覗いたインド       妹尾河童

2020-05-22 13:46:28 | 本の紹介
新潮文庫    1982年

全編、極小の手書きの文字、はじめ、この小さな文字で

買うのがためらわれたんだけど、めげてなるものかと、

再びの出会いに110円で力んで買い込んだ。

手書きの文字をこう読んでいると、小ささも次第に慣れ

てくる。河童さんから送られてきた長大な手紙を拝読し

ている気分……なのか? ホントか?

ボクは古代遺跡にⅠミリも興味はないのだが、微に入り

細にいったデッサン画を見るとそれはそれで迫力がある。

ボクがおもしれえなあ、と思ったのは、ホテルの部屋の様

子を描いたモノ、採寸もしてある電車の中も秀逸。

とにかく、気合いの入った本だった、読書歴は四十数年だが

手書きの本なんて初体験だった……合掌。

                   (鶴岡  卓哉)



















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メコン・黄金水道をゆく   椎名誠

2020-05-19 11:31:55 | 本の紹介
今日(5/19)も活動限界PM5:00まで元気に営業

します。

戦前からある古民家をそのままに、使用しています。

隣がPカフェになっていて、こっちは新しいです。

Pカフェで古本、イヤリング(500円)を売っています。

今は、手作りマスクも400円で販売していて、白い

マスクじゃあいやだ、というおしゃれさんにもってこい

のかわいいマスクを販売中。こども用もありますので、

よろしくです。

メンバーはグッピーです。猫の飛びちゃんは残念ながら

お亡くなりになってしまいました。もう一年半くらいに

なりますかね。かわいがって下さった方には、お礼申し

上げます。

カフェでは、ブルーベリー、柚子、リンゴ、イチゴの

ジュース(各手作り100%400円)スペシャリティ・コーヒー

(400円)をお飲みいただけます。

では、書評? の方お願いしまーす、と自分に言う

おれっち。

:::::::::::::

集英社文庫   2003年

うーん、なんでだろう、今までのシーナさんと圧倒的に

チガッてしまっている。途中、なんどやめてしまおうかと

思ったかしれない。

書いてあることはおもしろいのだが、その文脈という

か文体が変わってしまっている。もしかしたら、ワープロで

書いておられるパターンか、とも思ったが。

でも、最後まで読んでわかったのは、これは新たなシーナ

さんの世界なんだな、ということだ。この文体の方が好きという

ひともいるだろうし。

内容はと言うと、全長五千百六十キロの大河を45日かけて

くだっていったことが描かれている巨大冒険的ロマネスク

なのだった。




























































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詩・病巣        鶴岡 卓哉

2020-05-14 11:46:58 | 詩・ポエム
コールガールの寝言が耳に残る

それは膿んだ闇の言葉

貝殻を開ける熱に似て高熱病的

その冷却装置の故障が彼女の病巣

そこには熱気を放つムシがウジャウジャと蠢いている

それは形容しがたい臭いを放ち

自分では気づかないまま放置され

膿みながら熱を放ち続ける












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詩・海      鶴岡 卓哉

2020-05-13 11:29:51 | 詩・ポエム
名もなき詩集を君に、からの一発目。

海と題された詩です。幻想とリアルが交錯し

一種のカオスの中に紺青のキレイな海が広がって

いるという感じです。その対比ですね。信じることの

強さみたいなことも根底にはあります。

::::::::::::

その青い海はまるで楽園で

そこはハワイのようなところだったが

その海の波頭も白い泡も、その砂粒も

そのビキニの女の足も、滑走するボートも、現実ではない

そんなことには露とも気づかずに

その空を信じていた、海を疑わなかった

だが、それらはただの夢だ

僕の創り出した、仮の住まいなのだ




















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銀座のカラス (上)(下)     椎名誠

2020-05-09 10:12:49 | 小説の紹介
新潮文庫   1991年

この作品は三部作の第三部を成す作品で、松尾

という23歳の目を通し三人称で描かれている。

プロレタリアートというべき作風はかわらず、仕事

小説というべき側面が強く、よくぞここまで詳細に

描ききったものだ、と思う。おかげでちょっとメンド

ーだなという小説でも読めそうな気になってくる。

実際、シンボ-強くなってきて、諦めていた本など

を読んでみると、あっ、この本も意外と読めるのだ、

と気づくことになった。

いつものメン、沢野さんや木村晋介さんといった、

シーナさん作品においては欠かせないマスター

ピースがここでも暗躍する。

読む順番がマズかったが、一部、二部と読んでい

きたいものだ、と思ったのだった......合掌。






















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