古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

これからはあるくのだ    角田光代

2023-01-14 12:07:33 | 角田光代

文春文庫   2003年

 

角田女史の杉並区上萩のYouTube動画が好きで

 

20回は見ている。

 

1993年から1999年の投稿原稿及び書下ろし

 

が収められている本書。

 

まず冒頭、忌野清志郎&みかんのスローバラードの

 

歌詞がのっている。清志郎かあ、のっけから趣味の良さを

 

だしてくるなあ、と読みすすめていくと、子供時代は

 

泣かない子供だったらしくて、泣けるおとなに恋焦がれていた

 

とか。小学生で作家を志した角田さん、言葉というものが

 

彼女に与えた翼はどこにでも飛んでいけることを教えて

 

くれたようだ。ぼくも小六の卒業に際し、流行作家になり

 

たい、などと言っていたように思う。それと、同時に

 

釣りキチ三平にもなりたかった。

 

    (読了日 2022年12・26 3:00)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日もごちそうさまでした   角田光代

2019-06-05 14:10:24 | 角田光代
新潮文庫   平成23年


広島に来てから楽しみにしているものに牡蠣がある。


東京に比しても安価で新鮮でうまい。


牡蠣独特のうまみが口に広がる感じは他の食べ物では


味わえない。


40を過ぎてから好きになった食べ物に、豆腐がある。


柔らかい、というのが良い。豆腐にも色々あるが、150円


ほどはだしたいところだ。


今日もごちそうさまでした、にはさまざまな食材が取り上げら


れていて、語られている。


肉食の角田さんに食革命が起きたことや、職がなくなって、バ


イトをした30歳ころのことなど、ほわわーんとした角田さん


ならではのほんわか食エッセイです。

   
                      (鶴岡卓哉)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しあわせのねだん    角田光代

2019-01-18 02:35:26 | 角田光代
新潮文庫  平成17年8月



8時に仕事を始めて、五時に仕事を終えてって、それじゃ、OL


にでもなれよ! って思う。 


しかして、おカネがあれば、しあわせになれるか、という問いだが、


その反答として、おカネがなくて、不幸せになった者はたくさんいる、


というのがある。


おカネだけあっても、モノがなければ、買えないわけで、健康じゃなきゃ


使えないわけで。


現金を嫌う人もいるし、貯金などせん、という人もいる。


この作品集だが、最後の記憶9800円×2というのが引き立っている。


記憶というのは買えないように思うが、おカネで作ることができる、という


不思議な要素だ。


日光に行って、ボロホテルに泊まることになった顛末が描かれているが、そ


れが、ハハとのいい思い出になったという。


きっと、それは今では、角田さんにとって、一万九千六百円では買えない


貴重なものであるのだろう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつも旅のなか    角田光代

2018-12-22 11:02:31 | 角田光代
角川文庫     2005年


角田さんが若い頃旅したモンゴル、ミャンマー、ベネチア、ネパール


韓国など二十二カ国について語る。


角田さんが旅は刹那的だとあとがきで書いておられたように、前編を


通して、何か醒めた感じが漂い、読んでいるのが辛くなることもある


が、ガンバって読んでいるうちに、独特のユーモアを感じるようにな


り、読んでいることがここちよくなってくる。


特に、最後の方の韓国キューバになると、その文体の中で旅をできてし


まう感じすらしてしまう。


静かな情熱を感じられる一冊だった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彼女のこんだて帖    角田光代  

2018-12-12 14:18:53 | 角田光代
講談社文庫    2005年


恋愛が基本となった料理を作るということに特化した


連作短編。


どの料理もうまそうだが、スイーツ男子のボクとしては


運命の人にあげつづけているというスノーパフを食して


みたい。


それに、手作り餃子も外せないところだろう。


料理好きの上手な人と付き合う方法を教えてほしいもの


ですよ、と思いつつ、やっぱり自分で作った方が早いし


手軽だな、と思ってしまうダメな自分がいるのだった。


えっ、ダメなのか? 別にダメじゃないだろう......


合掌。


























































































































































 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あしたはアルプスを歩こう    角田光代

2018-08-19 15:07:16 | 角田光代
講談社文庫    2004年


距離は三キロか四キロだから、大したことないな、と思うが


女の喫煙者にしたら標高二千メートル超えのところを歩くの


は苦行だろう。


文学を書くのに似ているとおっしゃっているが、まさしく、


その通りなのだろう。



その感動を率直に人に伝える、っていうのは、すごく難しい


ことだ。たしかに、角田女史の見たり、体験した、心揺らいだ


ものは伝わってきた。


その初心な(山に対して)感じが、もろに心に伝わってきて、山



のひとつにでも昇った感じになった(いや、ウソだろ?)なんてね。


イタリア、アルプスの山々をトレッキングした紀行です。


羊はバカということらしいです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピンク・バス       角田光代

2018-02-20 10:44:41 | 角田光代
1993年8月作品。



妊娠したことが分かったサエコの家、に夫の姉実夏子がころがりこんでくる。


妊娠を気持ち悪いといい、サエコはじょじょにおかしくなってゆく。


実夏子はピンクのバスに乗って帰る、という。


サエコは大学生の頃、レゲ郎という浮浪者と行動を共にし、性交もしていた。


ピンクのバスは確かに来た、このあたりから、このはなしは浮浪体験をしている


ときにみている白日夢なのか、わからなくなってくるようにおれっちには思える。



ひとつの幻想小説的な側面もあると僕はおもうのだけれど。



実に不思議な魅力を持った短編である。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする