古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

甘い犠牲     鶴岡 卓哉

2021-04-30 09:53:03 | 詩・ポエム

甘い犠牲     



そのショートケーキを食べてください

あなたはイチゴが好きですからきっと食べてくれるはずです

それでも、あなたは食べないのです

僕はとっておきのものを差し出すのにあなたは受けつけないのです

どんなものでも、あなたは僕のものは犠牲の上に成り立っていると思い

食べないのです、一口も食べないまま腐っていくのです

ドロドロの腐臭を放つショートケーキを前に僕のことをあなたは更に呪うのです

僕はなす術もなくその呪いを受けるのです

僕は何の犠牲の上にも立っていないのです、信じてください

腐っていくショートケーキのように僕の心は腐敗しています

それは認めましょう、ただそれだけなのです

自分自身の腐敗の上に僕は存在していくことになるのです

そうです、僕は腐り果て信じられないほどの腐臭を放っていくんです

許してください、僕の愚鈍さを、僕の残酷さを



新調した「おいしい珈琲あります」の看板!(2014年9月当時のもの)。今は古本カフェという文字の踊る看板、まあ、看板ではなく、布ですけどね。氷も、今はやっていません。今年もやらないつもりです。今、前の駐車場の地面の工事をしていて、すごくくさいし、音も酷い。来ていただく方には、ちょっと迷惑かも。それでも、全力営業中、活動限界まで、行けぇぇぇぇ!







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忙しい日でも、おなかは空く。    平松洋子

2021-04-29 13:12:36 | 本の紹介

文春文庫    2012年

 

ぼくは人生最後の反抗期なのか、うっせえ、うっせえ、

 

平松うっせえ、と呟きつつ、読んでいた。

 

それでも、読むことは読んでいて、最後のよしもとば

 

なな女史の解説を読んで、はたと、ぼくのこの食欲への

 

反抗心さえ、この平松女史は吞み込んでしまったことを

 

知った。

 

そんな優しさをもった本であることはもともと知ってい

 

たのだ。だからこそ、そこにぼくは甘えたといっていい。

 

慈悲深い食欲、物欲にまみれている平松女史は美しい、

 

のか、ほんとか? いや、消費社会の中でどう生きてい

 

ったらわからないひとにも読んで欲しいですよ。……合掌。

 

 

 

ねぎっこ焼き、ファイヤぁぁぁぁ! どうだぁ、食らいやがれぇぇぇぇ!

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夕日       鶴岡 卓哉

2021-04-28 09:18:45 | 詩・ポエム

夕日    

 

あの夕日を撃ったのは俺がまだ闘犬だった頃

闇雲に噛みつき肉をむさぼり食ってた

まるで危険な弾丸でどこに穴を穿ち壊すか知れなかった

俺は感情を破壊し思考を叩き壊した

それでも満足できない俺は自分の魂を蹴落としののしった

それでも俺は神聖で誰よりも清らかだった

その頃を思うと俺は今では夕日に目を細めくそったれめと呟くのだ


 

 

 

ギャラリーの軒先の甕で咲いている白い曼珠沙華。(2014年9月24日)。どぅ、わたすって、案外、いけてない? いけてるっていってよぉ!



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第四間氷期      阿部公房

2021-04-27 16:45:55 | 安部公房

新潮文庫   昭和33年

 

いろいろ読む本などを探していて、実に12日ぶりの

 

読了本である。

 

SFが読みたいと熱望していて、ネットで検索して、

 

浮かび上がってきたのが、この本だ。

 

元々、公房氏の本は読んでいる方である。予言機によ

 

って、測られる未来世界について描かれる本で、そこに、

 

殺人だとか、水棲動物やらが絡んでくる、実にいろんな

 

要素のあるおもしろいSFでした。

 

予言機械の見た世界なのか、はたまた、リアルの世界なのか、

 

わからなくなるところが、妙というか、ぼくはそこら辺が

 

またおもしろく感じたところだ。

 

人類は水中に沈み、それを見越して、水棲人間をつくる。また、

 

水棲人間は地上で生きた人類を想っている。涙こそが、人類の

 

証しということか。……...合掌。

 

 

わしは若いときはカップヌードルは、硬めが好きじゃったが、こんなジジイになってからは、少し柔らかめがええのう。

 

 

 

 

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墓地では      鶴岡 卓哉

2021-04-26 08:51:15 | 詩・ポエム

墓地では   

 


その静謐漂う無機質な香りを黄金に変え

死者の魂をネオンサインに映し

漂流するかぐわしい憂いに翻弄された僕は

墓地に迷い込んだトランプのハートの切り札を切り

心臓の鼓動のような足音

血に塗れた信号に映る屍の目

ドロドロの血管の外側に渦巻く傷痕

無名の詩人の墓碑、戯れる無垢な少女たちの腐った小指の爪

僕らの悲鳴を聞きつけた老人の腐臭のする爪痕のある腕

僕らはサクランボを摘まむ臼歯を持つ少年だ


エチケットは男のたしなみニャ! 君も毛づくろいするニャロ? これで女の子にモテモテニャ!

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笑ってケツカッチン   阿川佐和子

2021-04-25 06:05:14 | 本の紹介

ちくま文庫    1988年

 

阿川女史の記念すべき第一冊目とのことである。

 

阿川女史は東京生まれだそうだが、二歳から三歳それから

 

しばらく広島で暮らした、とのことだ。ぼくの祖母、松枝

 

が目撃したのもその頃のことなのだろう。よちよち歩きく

 

らいのちっさい女の子だった、と証言していた。

 

前半は読んだことのない文章ばかりだったが、後半は以降

 

使い回しのあるキライのある文章が散見された。ネタの使

 

い回し、はこの手の作家の陥る鬼門ともいうべきものだ。

 

ぼくは図書室に勤めていたころの話しが割と好きであり、何度

 

読んでもいいねえ、と思う。初々しい阿川女史、キレイなのに

 

なんか残念なんだよな。……合掌。

 

 

そうだな、阿川女史にも食べさせたいなぁ。今日から作って売り出します。誰か買いに来てくれないかなあ(^_-)-☆

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ねぎっこ焼き、発売開始!

2021-04-24 09:26:18 | カフェ、ギャラリー

明日、2021年4月25日、日曜日、10:00から

 

ねぎっこ焼き(ネギ焼き、ひろしまネギ使用)を発売開

 

始します。価格は280円です。テイクアウトもできま

 

す。焼きたてでご用意したいので多少お待ちいただくよ

 

うになるかもしれません。

 

ネギの甘さと香り、皮のシンプルさ、オキアミの動物性

 

のうまみ、青のりの芳しさ、かつぶしの風味が口のなか

 

でねぎっこ焼き独特のおいしさを醸し出します。広島人

 

なら、誰もが好きなお好みソースを使い、手軽に手で食

 

べられる孤高のB級グルメとして、楽しんでいただけた

 

らなあ、と思っています。

 

 

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沈殿     鶴岡 卓哉

2021-04-23 09:54:32 | 詩・ポエム

沈殿    



気分がスッと落ち込み死にたいと呟き

鬱かな、と思ったりする

空を飛ぶイメージが抱けず地を這いずり回り

地球の底にへばりついてる感じでベッドに入るも眠れず

瞬く間に時間は過ぎ永久に暗闇の地底人と成り果てたような気分

陽の燦々と降り注いでいるのも分からず体中が重い

僕はこのまま辛い気分のまま死ぬのだ、と思うだけだ

 

解説

 

これを書いた頃は、実際に鬱だったようだ。体が重く、ほんとに

 

辛かったように思う。辛かったが、それをどうにもできず、あた

 

ふたするだけだった。もちろん、逃げることも叶わなかった。

 

全体的に暗い作品だが、そのときの心象が表れていると思う。

 

まんぼうのカラー魚拓。積山さんの作。

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種(ジミとホールと僕)    鶴岡 卓哉

2021-04-22 07:32:23 | 詩・ポエム

種(ジミとホールと僕)


傾斜するロッカーの鍵をこじ開けたのはジミ

出来損ないの日干し煉瓦を積み重ねて家を造ったホール

猛烈に暑い砂漠で死んだ蛙はジミ

腐臭を放つパイナップルを齧っては吐き出したのはホール

そして、僕はというといつになくヘンな恰好をして踊るオレンジの種なのさ


 

拙者、旅がらすでごわす。今日も豆腐を求めて旅を続けるでごわす。旅のし過ぎで顔も摩耗してきたでごわす。ごわすごわす。

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君の夢の中で    鶴岡 卓哉

2021-04-20 09:55:59 | 詩・ポエム

君の夢の中で   



今は深夜三時二分、君は安らかに眠りに就く

僕はというと何だか何もかも空っぽになっちまった感じに

あの知的探求心の衝動も失せて、自己探求心も粉々に砕けて

眠れないんだ、辛くて仕方ない、肉体は悲鳴を上げる

生活にも退屈しちまったし、たいしてやりたいこともない

随分シンと」してるし、耳の裏側では音楽が鳴り止まない

金はないし、友達とは音信不通だ

何の言葉も残さないままにね、まあ、それは

ああ、チャームスが今の僕を救ってるな

君に甘い言葉を言って欲しい、愛してるわ、とかさ

友達もいないし、寂しいとは思わないけど

ちょっと思い出すといろいろなことが色づいて思えたりする

透明な意思を覗き見ると、そこに僕の人生が映し出される

君の見てる夢の中だよ、僕はその中で囚われの人生を送ってるのさ


 

 

 

スオウで染色中! うん、キレイに染まったぁぁぁ。

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