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701系N13再び3両化

2019-12-07 22:56:34 | 秋田のいろいろ
JR東日本秋田地区、奥羽本線・羽越本線・津軽線用の普通列車の変化。
ここ3年ほどで、701系電車の車両減(3両編成の一部の2両編成化)と、仙台地区で余剰となった719系電車の転入があった。

これらは、701系3両編成のうち1本「N5」編成が踏切事故に遭って運行できなくなり(修理する気がなくなり?)車両が不足したことと、利用状況を踏まえて(という名目の効率化で?)3両編成の運用を2両編成に替えたことに起因すると考えられる。
なぜ、秋田で運用実績がなく(乗務員訓練が必要)、かつ701系と共通運用できない719系を転入させたのか(仙台でやり繰りすれば701系をもらうこともできそうなのに)は不明。

ネット上では「701系にATS-P(自動停止装置)対応機器の搭載工事を行う間の車両不足を補うため、719系を転属させた」とする情報があるが、現時点ではその工事が行われた701系は秋田地区にはないはずで、少なくとも直接的な理由ではない。


719系は、11月20日(の朝の運用)をもって、秋田での運用を終えた。
その後、車両は秋田総合車両センター(土崎)へ入り、固定で担当していたダイヤは701系3両編成に代わったとのこと。
2017年7月28日から2019年11月20日まで、たった2年とちょっとの活躍だった。19日の当該ダイヤの車掌からは翌日から車両が代わる放送があったそうだが、それ以外に一般客向け説明などはなかったようで、登場も引退もひっそりと行われた。
朝と夜だけの固定運用のため乗る機会はないまま終わり、走行を見たのも3回くらいしかなかった。まったくもって意味不明の転属だった。


そんなわけで、719系が抜けた分の補填をしない限り、また車両不足におちいるのでは?
特に、ただでさえ少なくなった3両編成が、719系後任に回っては、またやり繰りが大変では?(かと言って、2両なら収容力が不足するだろうし)
と思っていた。

7日。秋田駅東側の留置線で待機する701系3両編成は、
N13編成!!!
なんと、2017年度末に1両抜かれて2両編成にされていたN13編成が、再び3両編成になった!!【8日追記・11月21日には、すでに3両になっていたようだ。】
中間には抜かれていた「サハ701-13」が戻って、以前と同じ組み合わせ。やはり、ATS-Pの表記はなく、搭載されていないようだ。

留置位置や時間帯からして、他の3両編成と共通の運用に入っている。

3両編成はワンマン運転を行わないため、2両化された際に、ワンマン機器が新たに設置されていた。その1つとして両端のドア横には、出入口を表示するLEDが設置されていたが、3両化されたN13編成には残っている。車外スピーカーも存置か。
右奥がクモハ701-13。ドア右に入口表示器
↑左手前のサハ701のほうが、外板や床下の汚れが少なく、これまでお休みしていたのが伝わる。

運転席内の折りたたみ式「ワンマン」表示灯も残っている(他の車内の機器は未確認)。
左側のガラス内側いちばん上の横長の物体がたたんだワンマン灯

N11~N13編成の2両化で抜かれた中間車サハ701形は、廃車されたかと思っていた。
改めて調べると、11番と12番が2019年3月1日付で廃車になっていた。秋田地区の701系では初の廃車。
5番と13番は、走っていないものの引き続き籍を有していたことになり、13番がこのほど復帰した。


となると、今度は701系の2両編成が1本不足するはず。
踏切事故で抜けた分が埋められない限り、現状のダイヤを現状の車両数では回せない。
次の金曜だろうか、来春のダイヤ改正が発表されるはず。もしかしたら、減便が行われ、現在の車両数でまかなえる運用数になってしまうのかもしれない(憶測です)。でなければ、N5編成が復帰するか。でなければ、新車が入るとか(当分実現しないであろう希望です)。


2016年以降の701系・719系関係の経緯をまとめておく。
2016年始時点
 2両編成28本(2両×28組=56両)、3両編成14本(3両×14組=42両) 計98両
2016年1月17日 津軽線で3両編成N5編成が、(道路用の)除雪車とぶつかる踏切事故により運用離脱。
代替としてN29編成を3両化(N5から抜いた中間車を組み入れ)。
 2両編成27本(2両×27組=54両)、3両編成14本(3両×14組=42両) 計96両(+2両離脱)
(2017年7月28日 719系2両×2組=4両(固定)が運用開始。)
2017年10月頃 N29編成が2両に戻る。
 2両編成28本(2両×28組=56両)、3両編成13本(3両×13組=39両) 計95両(+3両離脱)
2018年春 3両編成のN11~13編成を2両編成化。
 2両編成31本(2両×31組=62両)、3両編成10本(3両×10組=30両) 計92両(+6両離脱)
(2019年11月20日 719系運用終了。)
2019年末【8日補足・11月下旬頃】 N13編成が再び3両編成化。
 2両編成30本(2両×30組=60両)、3両編成11本(3両×11組=33両) 計93両(+3両離脱、2両廃車)

編成番号別では、
運用離脱3両編成 N5
3両編成(11本) N1~N4、N6~N10、N13、N101
2両編成(30本) N11、N12、N14~N38、N102~N104 ※N36~38は一部ボックスシート改造で別運用。
この他、元は上記と共通運用で、途中で仙台へ転出した2両編成 N105、N106



踏切事故で運用離脱となったN5編成のこと。
事故後に中間車(サハ701-5)がN29編成に組み入れられて営業運行していたため、事故の影響はなかったか容易に修理できる状態だったと考えられる。ぶつからなかった側の先頭車(クハ700-5)も同様に走行できる状態の可能性があるが、おそらく秋田総合車両センターに入ったまま。そして、除雪車とぶつかった側の先頭車が「クモハ701-5」。

実は、昨2018年11月に、秋田総合車両センターの奥羽本線や線路沿いの歩行者道からよく見える位置に、つぶれた状態のままのクモハ701-5が置かれていたことがあった。昼夜休日問わず、隠すそぶりもなく、おそらく10日間程度はその位置にあった。
事故車なのは明白で、痛々しい姿を見た一般人には恐怖感を与えてしまうかもしれない。死傷者はなかったが、知らない人はどう受け取るか分からない。それを旅客や通行人から見える位置に堂々と置くという、秋田総合車両センターの神経を疑ってしまった(他の作業との兼ね合いもあるのは承知だけど)が、この記事全体を読んでいただき事情を知っていればまあいいだろうと、その写真をアップさせてもらいます。



2019年4月23日の東奥日報サイトに「JR東が蓬田村提訴/16年の列車、除雪車衝突「注意怠り燃料切れに」」という報道があった。N5編成の事故のことだ。
ぶつかったのは「燃料切れによって走行不能となった」蓬田村の除雪車で、JR東日本は「約2200万円の車両損害費、約1200万円の原状回復費を要したと主張」し、約4千万円の損害賠償を求めた。
701系でも新車は1両1億円はすると思われるが、修理代がそれだけということなんだろうか。
※別の報道や村議会議事録によれば、現場の踏切には非常ボタンがなく、立ち往生後に電話連絡を試みたが間に合わなかったらしい。

裁判がその後、どうなったか知らないが、ガス欠で立往生とはあまりにお粗末。蓬田村に非がないとは言えないだろう。個人的には、701系の減車や組み換えが始まったきっかけの1つ(諸悪の根源とまでは言わないが)が、この事故だと思う。事故当日に留まらず、何年経っても蓬田村外、秋田や山形も含めた広範囲のJR利用客にも、多少なりとも迷惑を与えているとも言える(2両になって混んで座れなくなった程度だけど)。
その津軽線では、2017年から2両編成での運用になっており、2020年春からは青森運輸区廃止による弘前運輸区への担当替えとともに、ワンマン運転も始まるようだ(労働組合報より)。

【12月25日追記】その後、12月25日には、秋田総合車両センターの奥羽本線側に、クモハ701-5、サハ700の11と12の3両が、同じレール上に近接して置かれていた。クモハ701-5は、総武線用車両の他路線転属に伴い、抜かれた黄色帯のサハの車両(おそらく廃車)に隠されている形で、ごく一瞬しか視認できないが、上の写真と変わらない状態のようだ。周りの車両と同様、クモハ701-5も廃車になるのか。

【2020年5月23日追記】N5編成は3両とも、2020年3月付で廃車になったとのこと。
コメント (3)
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