広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

期待外れ&唐突の新路線

2016-09-14 23:57:32 | 秋田の地理
昨年度末に、秋田市内のいくつかのバス路線が今年9月いっぱいで廃止され、その一部は10月から新しい路線に再編されることが明らかになった。
いずれも現状では利用者も本数も多くない路線でありやむを得ないと思うとともに、単純な廃止ではなく、同時に再編されることで、前向きな意欲も感じ、かすかに期待も抱いていた。


廃止区間またはその手前のバス停には、先週辺りに、廃止と定期券無手数料払い戻しの告知、今週に入ってから新路線のルートが掲出された。
肝心のダイヤが分からなかったが、14日にホームページに掲載されて、詳細が分かった。
結論としては、前例踏襲。これでは利用機会は変わらないか減るかで、利用者増は望めない。期待外れだ。
ダイヤ設定を工夫すれば、新たな利用者の開拓や、既存路線の効率化も可能なはずで、バス会社にとってもメリットがあるかもしれないのに。

路線ごとに。
以下、現時点でのホームページ掲載内容に基づきます。過去の事例では、掲載後に内容が変わったこともある(※)ので、ご利用の際は、各自、ご確認ください
※早めに知らせてくれるのはありがたいけれど、法令では1週間前までに告知すればいいことになっているはずなので…

●旧・泉山王環状線および堂ノ沢線→泉八橋環状線
新たに路線バスが走る区間に新設されるバス停は、
(県庁経由将軍野線用・面影橋)-八橋田五郎-イサノ一丁目-イサノ二丁目-(堂ノ沢線用・自動車会館前)-泉北一丁目-(泉ハイタウン線用※・秋田貨物駅入口)
八橋田五郎は泉山王環状線、イサノ二丁目は堂ノ沢線にそれぞれ同名バス停がある(二丁目は今はない?)が、それとは場所が移動。
【15日追記】※秋田貨物駅入口を通る既存の泉ハイタウンは、この区間では一方向の環状運行。そのため、現段階では新環状線の八橋回り側にしかポールが立っていない。向かい側の泉回り側には、単独のポールを新設することになる。

運行本数は、現在はいずれも平日のみで、堂ノ沢線が1往復、泉山王環状線が短絡ルートの新川向経由を含めて泉回り2本、山王回り3本。計7本。
新ダイヤでは、「泉回り」が平日7時台1本、「八橋回り」が平日17時台に1本の計わずか2本。15時台に2本(うち1本は新川向経由)あった山王回りはバッサリと廃止。

系統番号は泉回りが「230」、八橋回りが「231」と、泉山王環状線(新川向経由でないほう)を継承。
従来は、LEDでない幕表示の小型バスだったので番号が掲出されなかった(五城目営業所の幕式車のように、紙を出すという方法もあるのに、秋田営業所ではやらない)が、新路線は中型になるらしいので、初めて表示される。
担当は引き続き秋田営業所。


●茨島牛島環状線→茨島環状線
環状線というかヘアピン状だけど、やっぱり環状線という名。
「大町回り」と「茨島回り」と称される。茨島回りよりは「卸町回り」のほうが分かりやすいかも。
新設バス停は、(卸センター前)-卸町四丁目-卸町五丁目-(牛島変電所前)の2つだけ。
(茨島回りの場合)卸町五丁目から、西側の広くて真っ直ぐな道(貨物線跡沿い)を新国道方向へすぐ向かっても良さそうなものを、いったん東へ進路を変えて線路近くまで行って、現・環状線と同じ三皇神社本宮前の狭い道を西へ走る。
したがって、変電所前より西は現行ルートと同じで、引き続き、茨島回りの「秋田大橋前」は西松屋裏にひっそりと立つ、新屋線とは別のバス停(大町回りは新屋線と同じ位置)。これらはスクールバスとしての需要を重視している結果と考えられる。

ダイヤは、引き続き平日のみのわずかな本数。
大町回りは秋田駅西口発の時刻も変わらず、9時10分と15時45分の2本。1周の所要時間は46分で、現行より6分余計にかかってしまっている。
現・茨島回りは、朝に途中の変電所前始発で1周しないのが1本(2014年10月までは1周していた)、1周するダイヤは1本だけで、2015年10月に17時25分発だったのが13時30分発と大きくかつ意味不明の時刻移動をしていた。
新・茨島回りは、朝7時05分発の1本のみ。午後が廃止され、朝の変電所始発が再び秋田駅発に戻った(駅発時刻も以前と同じ)。1周は現在49分なのが44分と5分短縮。

大町回り600、茨島回り601の系統番号、秋田営業所の担当は変わらず。


卸町経由新屋線
手続き上は廃止・新規ということらしいけど、実質的にはルート変更。
従来は新国道の出入りがハローワーク入口の交差点だったのが、新・茨島環状線と同じ卸町南側・茨島東側を抜けて、秋田大橋の交差点に変更。
新設バス停は、(卸センター前)-卸町四丁目-卸町五丁目-茨島七丁目-(美術大学前)
駅発では卸町五丁目を過ぎたところから環状線と別ルートへ進み、雄物川堤防へ向かう。その途中にこの路線単独の茨島七丁目バス停。堤防沿いの新しい道を西進して、秋田大橋北詰の交差点で従来ルートへ。
秋田大橋前に相当するバス停がないのは、どんなもんだろう。道路形状や交通量からして難しいかもしれないけれど、現ルート利用者にしてみれば、茨島七丁目ではちょっと遠い。

系統番号713は変わらず。
ダイヤも、現行と同本数で時間帯もおおむね同じ。平日下り5本・上り4本、土日下り3本・上り4本。
土日の上りのうち、新屋発15時15分だったのは13時40分に繰り上がる。(15時15分は大町経由の代替がなく、減便)
秋田駅から新屋までの所要時間は、現行は下り24分・上り23分なのが、22分とわずかに短縮。(ちなみに大町経由下り28分・上り29分)

新路線の中では、本数や既存区間の利用実態からしていちばん“本格的”なものだけど、新たにバスが通ることになる、卸町・茨島東側での運行はどのような結果になるか。


●ノースアジア大学線→桜台線
秋田駅の西口と東口からそれぞれ、横森を経由してノースアジア大学へ行っていた路線が、ノースアジア大学から撤退。代替は東口発着のみとなり、大学手前で曲がって、新興住宅地の桜台へ初乗り入れ。
系統番号は東口発着の「430」を継承。

「宗入寺霊園前」バス停が曲がってすぐに移設され、桜台の中に3停留所を設置。桜台の中では、一方向の環状運行。
現行は平日4往復、土日3往復のダイヤは、平日・土日とも2往復。(平日と土日で時刻は異なる)
平日でも、駅発最終は17時30分。もうちょっと遅いほうが、帰宅の足には向いている気がするけど。


●南大通り経由駅東線→南大通り経由赤沼線
秋田駅東口と大学病院・境田上丁を狭い道経由で結んでいた路線が廃止され、並行する大通りを走る赤沼線に実質吸収される。
以前の告知では触れておらず、僕も気付かなかったけれど、朝に大学病院始発で手形東町から東口へ入らずに東大通り→明田地下道→南大通り→北都銀行前→県庁市役所前→大川反車庫と運行する411系統があった。その代替として、赤沼線に新系統が設定。

「343」系統で、大学病院から東通一丁目までは赤沼線東口行きと同じ、以降は現411系統と同じ。現・新どちらのダイヤでも、大学病院7時30分→車庫8時05分。
赤沼線には、秋田中央道路の地下トンネルを通って大学病院と県庁・車庫を結ぶ342系統(「直通赤沼線」と呼ぶらしい)があるが、その地上版ともいえる。【19日追記】東通一丁目→山王十字路の各バス停を通るかショートカットするかの違いともいえる。
新ダイヤでは、大学病院を10分違いで発車した343系統と342系統が、トンネルを出ると6分違いに詰まっている。その程度の時短効果か。


予告なしに唐突に現れた「新設路線」。
外旭川中谷地経由 神田旭野線
ホームページに掲載された路線図や時刻表が分かりにくい。以下、憶測を含みます。

神田旭野団地線のうち、秋田厚生医療センター(旧・秋田組合総合病院)へ行く系統は、外旭川病院前-旭野団地-外旭川市営住宅-秋田厚生医療センター と運行する。(以前は、市営住宅に立ち寄らず、旭野団地からすぐ病院へ向かっていた)
市営住宅で方向転換し、サンフェスタの脇から県道72号線を北へひた走り、組合病院へ向かっていた。

この新路線(?)は、いったん県道を外れて、東側の道へ入ったところ、卸売市場の北方に「外旭川中谷地」バス停を新設し、そこから北進して、県道を渡って組合病院へ向かうらしい。
時刻表を見ると、今までなかった「209」系統が新設されていて、それに「外旭川サテライトクリニック(ソサック)経由」とある。外旭川中谷地とは書いていないけれど、位置からすれば、それが外旭川中谷地経由のことだろう。屋上にカボチャ(草間彌生作)が載った、あの病院【15日補足・正確には「診療所」】へのアクセスのための新系統のようだ。
【15日追記】中谷地経由便では、直行便より所要時間が3分長くなる。

通院と帰宅を考慮したらしく、下りは8~11時台、上りは9~12時台に、平日4往復、土曜日3往復が中谷地を通る。日曜祝日は時刻は同じながら、中谷地は経由しない。いずれも、斎場前~神田の旧道ではなく、天徳寺バイパス経由。
「208」系統が飛んでいるのは、旧道・外旭川中谷地経由のために、いちおう空けてあるということか。

したがって、この新系統は、旭野団地・外旭川市営住宅経由秋田厚生医療センター行き/発の一部が、外旭川サテライトクリニック最寄りの「外旭川中谷地」を、平日と土曜日だけ経由するということのようだ。

市営住宅から組合病院の間は、けっこう距離があり、それなりに住宅もあるから、途中にバス停を設けてもいいようにも思っていたが、こういう形で途中バス停ができるとは思わなかった。通院患者には便利だろう。
いっそ、バス停名を「外旭川サテライトクリニック前」にしたほうが分かりやすくていいのではないだろうか。同じ路線に同系列の「外旭川病院前」バス停もあるのだから、間違って降りてしまう人がいるかもしれないし。(他路線も含めて今回の新設バス停は、ほとんどが地名を使っている。中央交通が企業名などを使うのを避けているような気がしなくもない?)
新しい経路は田んぼの中の道。かつての笹岡経由のような光景が見られそうだけど、イオンタウン構想次第ではまた違ったことになるかも。

【15日追記】それにしても、神田旭野団地線も、市営住宅止まり/市営住宅経由厚生医療センター行き、旧道(神田)経由/天徳寺バイパス経由、そしてバイパス・中谷地経由医療センター行きと、秋田駅発だけで5系統にも及ぶようになった。(総本数は変わらないけど)
慣れない利用者には混乱を招きそう。違いが分かる路線図の掲出などをしてもいいのではないか。
30年ほど前にも、八柳二区発着とか卸売市場発着とか、それなりに系統があった路線だけど、当時は考えられなかった(道や施設そのものがまだ存在しなかったので)形で進展するとは、感慨深い。
【15日さらに追記】仮にもう1つ別の系統ができた時には、系統番号は「210」を越えることになる(空けてある209【12月6日訂正】208は別として)が、210系統は添川線が既に使っている。「211」にすれば、神田線ではなく添川線の派生だと誤解させてしまう。既存系統の番号を振り直すのも誤解のもと。ちょっと困ることになるかも。


その他変更
今回も、既存路線での時刻変更もあるようだが、詳細は不明。
というのも、従来は、ホームページにおいて「変更がある路線のみの時刻表を掲載」し、かつ「時刻表内に変更内容を朱書き」してくれるという、中央交通にしては評価すべき対応をしてくれていて、ダイヤの変更点がとても分かりやすかった。

それが今回は、「変更がない路線も含めて全路線の時刻表を掲載」し、かつ「朱書きなしの普通の時刻表」だから、どこが変わったのか、旧時刻表と比較して熟読しないと分からない。
まったく、会社が世代交代したというのに、これでは…

分析には相当の時間を要するので、また後日としたい。
とりあえずざっと見て気になったのは、
・神田旭野団地線の旧道経由から天徳寺バイパス経由への変更の増加。
・“元祖”神田線である、秋田駅-土崎駅の神田土崎線のうち、土崎駅発14時35分の廃止(旭野団地線での代替もなく減便)。これにより、元祖神田線は朝の1往復だけに。

・山王商業高校線のうち、商業の先まで行く更生センター発着は、朝の上り、夕方の下りが廃止。朝の下り・夕方の上りの1往復に。

・城東消防署経由駅東団地線(旧・東営業所線)は、現行では上下とも1日10本前後あるのが、4~5往復に減便。

・川尻割山線の土日朝、泉ハイタウン線の土日午後、新屋線の土日14時台(下り大町経由、折り返し上り卸町経由)では、1時間に2本あったのが1本に減便。
→いずれも乗車経験がある時間帯。正直、客は多くなくて仕方ない気もするけれど、乗車機会は半減してしまい、悪循環にならないといいけど…
それに泉山王環状線の廃止が承認された会議では「(環状線廃止の代替として)既存の泉ハイタウン線の充実に努める」なんてフレーズがあったけど、これでは努めているようには思えない。

・小型バスの各路線廃止に伴い、築地・楢山大元町経由は平日の桜ガ丘線下り1本・上り2本のみに。
→これだけ小型で運行を続けるのか? それにしてもこちら方面も住宅地だというのに、不便になるな…

繰り返しますが、ご利用の際は、充分にご確認を。


【21日追記】21日付秋田魁新報 25面・秋田市地域面に、「路線の新設・ダイヤ改正のお知らせ」という広告が掲載された。(過去には見たことがない。見落としていたのかもしれないけれど)
それには、新路線の経路、概要はホームページにアップしていることとともに、「(ダイヤ改正の)詳細については、9月26日(月)以降下記にお問い合わせいただきますようお願いします。」とあり、本社の営業部、管理部、秋田と臨海の両営業所の電話番号が記載されている。

※2016年秋の廃止路線についての記録はこの記事へ続きます
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする