鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

茶の振興に取り組む「手揉み茶保存会」

2017年07月07日 | 議会活動

平成29年7月7日(金)

 

 県議になってから、いつの間にか静岡茶を振興させたい応援団になっていることを、誇りに思います。私は、茶づくりについては全くの素人ですが、周囲に茶農家などの関係者が多いことから、茶づくりの現場を知る機会が増え、同時に厳しい経営状況を目の当たりにすることになりました。

 しかし、静岡のお茶は日本でも一番の生産量を誇り、美味しく、茶の文化を通じて日本を世界に紹介する上でも欠かせない代表的な農産物です。世界遺産に登録された富士山の前に広がる茶畑の景観は、日本人にとってはもちろんのこと、外国人が一度は見てみたい日本を代表する景色でもあります。

 

 この4月より、本県では3年後までに、県内800校にも及ぶ全小・中学校でお茶を飲む機会を実現させるための施策に取り組み始めました。これは、昨年12月に制定された「小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例」に基づくもので、単にお茶を飲む機会を増やすだけでなく、「子どもの頃からお茶に慣れ親しみ、お茶にまつわる歴史や文化について理解を深めることは郷土を愛する豊かな人間性を育む。」とし、また、「お茶が健康にも たらす効果などを明らかにしていく。」としています。

 

 確かに、本県の茶業の経営状況は大変厳しいもので、新たな消費を創造していかねばなりませんが、最近では、海外から「日本の高級茶」に注目が集まり、輸出も増えています。ただ、海外の消費者が求める「食の安全」に応えるためには取り組むべき課題があり、それを満たすための品質管理や安全対策を強化していかねばなりません。当然のこととして、茶の生産者もその対策を講じているところです。この取り組みは国内消費者にも受け入れられることで、今後、茶の生産者はなお一層の消費者ニーズに応える取り組みの推進を進めていくことでしょう。

 

 さて、お茶の「消費」や「効能」は大切なことですが、日本の「茶文化」も茶の価値を高める重要な要素です。それを誰が伝えていくかが気になるところです。私がお茶に興味を持ち、茶振興の応援団となったことで、この茶の文化を伝える人達に会う機会が増えました。

 

 今は、生茶葉を加工するには製茶機械が行っていますが、昔は人の手で行っていました。この人が造る「手揉み茶」を残していこうとする取り組みは、「公益社団法人 静岡県茶手揉保存会」の皆さんが行っており、献上茶や米寿などを迎えた高齢者への贈り物として、また、お茶のイベントなどでその活動の様子を見ることができます。

 

 静岡県茶手揉み保存会では、「手揉製茶技術を有する人材を養成し、その伝統技術(茶の文化や芸術、製法など)を後世に伝承していくとともに、手揉技法の公開実演や体験などにより、広く県民に対し手揉茶への関心と理解を深めるための啓発・普及活動を目的とする事業を展開する。」としています。

 

 私の地元でも、「天下一製法」という技術で造られる手揉み茶があります。

 「天下一製法」は、明治初期に、私の真に地元である富士市の旧比奈村の野村一郎氏により開発された製茶法で、平成17年に「富士市茶手揉保存会」により再現されました。「冷揉みで茶葉を針のように鋭く長い形状にし、30センチ以上積み上げる独特な飾り方が特徴」と言われています。私はこれまでに、中国浙江省で開催された世界お茶まつりや、献上茶イベント、敬老会の席などでこの実演などを見てきましたが、「一度は見る価値のあるもの」と評価できます。

 

 新しいお茶の魅力の発見は、日本人の誇りを感じる機会でもあります。

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