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【FRB,次回のFOMCで利下げを敢行?】中央銀行はインフレファイターであるべきだ①

2019-06-09 00:01:37 | アメリカ

 本当に大事なことは、インフレを起こさないようにすること、だったはずですが・・・?

 報道によれば4日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演で、アメリカにおける強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとると述べたほか、クラリダ副議長も、経済を現状のように良好な状態に保てるような政策にするだろうと語ったとのこと。これ、マーケットではFRBは利下げする気だと受け止められ、当日の株価は大きく上がり、ダウ平均は前日比512.4ドル(2.06%)高の25,332ドルで終えました。以降も株価は上昇し、ダウの8日終値は25,984ドルとなっています。

 このあたり、以前から低金利環境を欲していたドナルド・トランプ大統領の思惑と合ってきていますね。これまで同氏は、金融引き締めスタンスに立っている(た?)FRBを何度も批判してきました。4月のテレビ番組では「(FRBの)利上げがなければ経済成長率は4%を超えていたはずだ」と不満気に語ったほか、FRBの金融政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)直前の5月1日は「FOMCが1ポイントの利下げをすれば米経済はロケットのように(like a rocket)上昇するだろう」と利下げ期待のツィートをしていました・・・っても、このときFOMCは金利の据え置き(FF金利誘導目標を現行の2.252.50%の範囲内)を決め、金利を上げるも下げるも強い根拠はないといった見方を示したわけですが・・・

 こうした5月までの動きと比較すると、今月に入ってからのFRBは、パウエル氏らの上記発言等から判断する限り、米経済についてはややネガティブ、つまり景気持続に刺激が必要な局面を迎えつつあるとの見方に変わってきているように思えます。ただし、だからといってFRBが次回のFOMC(1819日)で実際に利下げに踏み切るかは微妙で、個人的には6分4分で・・・利下げせず(金利据え置き)となるのではないか、と予想するものです。こちらの記事で書いたように、いまのパウエル議長は、あまりに遅すぎ!ではあるものの、資産バブルのソフトランディングを図ろうとの決意で、文字どおり腫れ物(バブル)に触るほどのデリケートさをもって慎重に金融の引き締め、つまり利上げを進めてきたと理解しています。なので・・・まあトランプ政権が無茶な(?)貿易戦争を諸外国相手に仕掛けたせいで米経済に混乱こそみられるものの、(潜在的なリスクは致死的?だが、あくまでも現時点では)大きな銀行破綻等があったわけでもないので、ここは辛抱したい―――利下げカードはもっと深刻な事態に対処するときのために温存したい―――というのが中央銀行家としての正直な胸の内なのではないか・・・

 ・・・っても、市場そして・・・トランプ大統領は我慢できそうもありません、上記のように・・・。よってFRBはいま、相当なプレッシャーを感じているのだろうな、中銀の「独立性」に対する・・・と想像するわけです。

(続く)

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