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【財政統合ムリで現状肯定、問題先送りへ・・・】ユーロ圏、金融・財政の統合を決断できるか⑥

2017-06-29 00:00:52 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 前回、ドイツがユーロ圏の財政統合を嫌がる理由について、現状のユーロ圏各国の国債価格を高い順に並べた不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」を示し、この状況で統合されると最上位のドイツは損をする―――いま以上に長期金利が高くなり、国債の支払い等の負担が増えることが必至となる―――ためだろう、と書きました。ドイツと同じ立場なのはオランダ、フィンランド、オーストリアといった、ソブリン格付けが比較的高い国々。そしてフランスは・・・先述のとおり微妙なライン・・・?

 ちなみにフランス「未満」の面々―――スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャなど―――はドイツらとは正反対で、財政の統合を切に願っているはず。これによって自分たちの債務負担の多くをユーロ圏の他の仲間、つまりはドイツに肩代わりさせたいからです。ゆえに・・・スペインとかギリシャなどからはドイツ等を批判する声は上がっても、独仏などとは違って自分たちのほうから「脱ユーロ」してやる!なんて勇ましい(?)主張はまず出てこないし、これが国民多数の支持を得ることはないでしょう。ユーロ圏を脱退して独自通貨に回帰したとたんに自国がハイパーインフレと高金利で壊滅することが分かっているためです。だからこれら重債務諸国はあれこれ文句を言いつつも(?)ドイツの経済力に裏付けされた通貨ユーロパラサイトする以外にない・・・

 ・・・以上により、ユーロ圏の財政統合はまず進むことはない、とみるべきでしょう(?)。となると・・・一本化された金融・通貨政策の下での現状が固定されたままになるわけです。すなわち先述、ギリシャ等にとっては緊縮財政&高い金利で経済低迷、ドイツ等にとっては金利低過ぎでバブル気味、といた感じで、ユーロ圏の誰もがストレスを抱えた状態が永続することに・・・

 ・・・このような不自然きわまる枠組みが持続可能であるはずがありません(?)。それは本稿2回目にご紹介したギリシャの財政再建策が驚くほど非現実的なことなどからも容易に想像がつくというもの。にもかかわらずユーログループ(各国財務相ら)がどうしてこれを「建設的(constructive)」などと超前向きに評価したのか、といえば「自分たちがいまの職位にとどまっている間だけ保ってくれればいいや・・・」といった思惑があるため(?)。つまり、ここは問題を「先送り」にしておいて各々、自身の任期末まで何とか逃げ切ろうって腹積もりなのでしょうね、きっと・・・

続く

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