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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:胡同の理髪師

2012-09-08 | 映画


こういう映画をみると、良い人間になるのは、
そんなに難しくないような気がするなぁ。

でも予告編を見たら、なんでこういういい映画を、
今どきのゆるふわな、かもめ食堂的コピーで宣伝するのかなと思った。
今風のナチュラルで風通しの良さそうな感じに、おしゃれにパッケージして、
なんでもそういう風に売ろうとする感じが、あざとくていやだなぁ。
(と、気難しいわたし・・・笑)
でも映画はしみじみとすごくいいのです。

取り壊しの決まっている(でも中々実行はされない(笑)
北京の古い城内の路地、胡同で、90歳を過ぎても出張理髪師をしている
おじいさんの淡々とした日常を
ドキュメンタリー風に描いた映画です。
おじいさん本人が出演してるので
ドキュメンタリー風というか、ほとんどドキュメンタリーですが。

何十年来の古い馴染み客のところを
順番にまわって散髪するのが仕事だけど
友達でもあるお客さんも亡くなる人が増え
段々少なくなってきた
カレンダーの予定の印をじっと見るおじいさん。
そろそろ自分の順番も来るなぁと
遺影を撮ってもらったり、葬式の手順を勉強したり
プロフィールを残せと言われてテープに向かってとりとめなく話をしたり。
(でもそのカセットテープは猫がじゃれてくしゃくしゃに)
口数少なく、何でも淡々と受け入れて
するべき仕事を自分のペースでこなし、
余分なお金は受け取らず、
とにかく静かに過ごして行く毎日なのですが、

こういう映画は韓国の「牛の鈴音」(→感想ブログ)もそうだけど
大きな大陸のゆっくりした空気の効果なのか
何とも言えない良さがあります。
日本でも老人の日常みたいな映画やドキュメンタリーはあるでしょうし
素晴らしいものもあると思うけど、ここには
なんというか、大陸ならではの時間があるのよねぇ、と思う。

わたしも小さな、こじんまりと必要なものだけあるひと間の家で、
自分のするべきことを、もう迷うことなく毎日ゆっくりとこなし、
身の回りの人に親切にして親切にされて、
眠る時には、もう目が覚めないかもしれないなぁと
毎夜静かな気持ちで思うような
そういう年寄りになりたいと思います。
いや、パワフルな意地悪ばあさんにもなってみたいけど(笑)。

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