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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

冬休みDVDマラソン:原作も素晴らしい映画

2011-01-10 | 映画
「カラーパープル」
「エレジー」は複数の女友達に薦められた映画だけど
この「カラーパープル」は複数の男友達に薦められた。
原作者のアリス・ウォーカーは
学生時代アメリカ文学を専攻してたわたしには馴染み深い作家で
二十歳前後の頃何度も読んだものでした。
アメリカの黒人の人生を描く作家で
そこに淡々とした筆致で描かれる女性への仕打ちは
何度読んでも怒りと悲しさでぽろぽろ涙が出る。
この映画も、見た覚えがある気がするんだけど
本を読んでたのでそんな気がするだけかなぁ。
父の子供を2人産まされ、でもすぐに取り上げられ
子持ちの俺様男に嫁がされ
(この時代の男はみんなそうだったのか)
戦うことを忘れ死んだように生きていたセリー。
すべてをあきらめているから、耐えられたのでしょう、というか
何の期待も持たずあきらめていないと
とても生きて行けない人生だったのでしょう。
夫の連れ込んだ愛人の歌手や
夫の子供の妻の、自由で誇り高く戦う生き方に触れるうちに
彼女も戦う心を取り戻していく。

黒人文学では最近トニ・モリソンの大傑作「ビラブド」を読んで
すごく感銘を受けたことを書いたけど
→「ビラブド」(6/17の日記)
若い頃、今よりずっと自由がなく
閉じ込められてた自分には
そこに描かれるあらかじめあきらめている女性たちの心が
自分の胸とつながっているような気持ちがするのでした。




「その名にちなんで」
原作者のジュンパ・ラヒリの小説があまりに素晴らしいので
映画も借りて見ました。
アメリカに移民したインド人家族の
それぞれの世代の持つそれぞれの思いとかが
細やかに描かれています。
わたしから見ると親世代も子の世代も
どっちも同じくらい共感できるので
世代間の断絶が大きいと切ないんだけど
この映画では親子の絆はしっかりしているので
見ててしんどくなくて、よかった。
マレーシアに住んでいたときに
インド系の知人もたくさんいたので身近に感じます。
それ以前に、自分自身が
日本に生まれながら別の文化を持つ家の子供だったので
しみじみとした気分で見ました。
ジュンパ・ラヒリの小説にするりと感情移入するのは
そういう移民の話が多いせいかも。
あと、親夫婦の仲が、とても温かく
欧米流の愛情表現はないけど
お互いへの敬愛と思いやりにあふれていて
いいなぁと思いました。

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