sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:Here

2024-02-21 | 映画


ボブ・マーリーのドキュメンタリーにめっちゃ人が並んでて、なるほどなーと思ったけど、
ベルギーの若手監督のこの地味な映画も結構人が入ってて驚いた。
スープと苔の組み合わせ(苔をスープにするわけじゃないし苔は食べませんが)って、
わたしのための映画か!と思ったけど、
予想通り、今年立て続けに見ている静かな「ゆっくり映画」のトップ争いをまた更新しそうな勢いではあった。
「オール・ダート…」はキレのある映像ポエムだったけど、
これはポエムではなく、日常生活と地続きなスケッチがさりげなくて良く、
でも森の中や苔やディテールには不思議な幻想のようなものもあって、
良い意味で映画的と言えば映画的かな。
明るい昼間より夜や室内や森の中を撮るのがきれいなカメラでした。
後半になってやっと少し物語が進んで(というほどは進まず、ほとんど何も起こらないんだけど)、
すごくいい感じに見終わりました。

移民労働者のシュテファンはバカンスにルーマニアに帰省する前に
もしかしたらこのまま戻らないかもという気持ちもあって冷蔵庫整理でスープを作り、
友達や親戚に配ってまわりりながらそんな話をしたりしています。
そんなある日、中華料理屋で見かけた女性を森でみかけ、彼女が苔の研究者と知る。
そして彼女について、そのまま一緒に歩く。
・・・というだけの話なのですが、これをゆっくりと見せます。
建物や木や雨をカメラを動かさずじっと見せるシーンも多い。
わたしは森に雨が降っている絵だけで、気持ちがしっとりと満たされて幸せになるのし
スープというものが、食べ物としてだけじゃなく概念としても偏愛してるので好きな映画でした。

シュテファンは背の高い白人で、なぜかいつも半ズボン。
苔の研究者は小柄な中国系女性で化粧っ気がなくシンプルな服装をしています。
この彼女の印象もあるかもしれないけど、全体的に西欧人の考える「禅」的な気配の映画と思った。

冷蔵庫整理のスープを作って誰かに食べさせたくなります。

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