sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

「流れる」を見ている

2024-05-06 | 写真
毎年やってるグループ写真展は、銀塩の写真かGRの黒白写真を出すことが多いんだけど
一度だけiPhoneの写真を出したことがある。
プロの人でもiPhoneで撮ってることがあるから、それはそれでありで、
写真らしい美しさを訴えるタイプの作品じゃないので、いいのです。

5年前でしたが、その時のタイトルは
「なかすながめるながれる」
川の中の小さな島。雨で浸水するくらい小さいと
人間が住むには適さないけど植物は平気で繁る。
葦や灌木の植生。川の流れ。空と雲。
バスの窓越しの広島の芦田川。











中州というものが元々好きで、中州のある大きな川を見るといつもその景色にうっとりする。

何年か前に大阪の街を歩きながら空を流れる雲の動きが速くて面白くて結構長い間見てたのですが、
その時にこれは雲ではなく風でも空でもなく「流れる」を見ているのだなぁ、
と思ったのに似た気持ちで、旅先の走るバスの中から窓越しに撮った中州の写真7枚組。

写真をやってる友達に、スティーグリッツのequivalent的だねと言われたんだけど
実は自分でこっそり思い出していたのは、グルスキーの(3億円超えのあれ)川の写真でした。
変態な丁寧さで精密に作り込んだ巨匠の写真とiPhoneで撮りっぱなしのとは、
方向性が正反対すぎて笑えるし、さすがに人には言えなかったけど。
そして写真の方向としては確かにスティーグリッツのequivalentの方に近いかもしれません。
写真を始める前は、絵を描いていたので、スティーグリッツより先にジョージアオキーフが好きで
ジョージアオキーフの写真を撮ってた人、くらいにしか思ってなかったのですが。

これ全部横に並べて見るとつながってるのがわかるけど、どれも雲はほとんど同じ形なんです。
走るバスの窓から撮ってるので岸辺の景色はどんどん変わるけど、
遠くの雲はほぼ同じ位置に同じ形でいて、そこが面白くて気に入ったところでもあるかな。

今年も写真展はあるので、そろそろ作品作りをしなくては。