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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:英国王のスピーチ

2011-04-19 | 映画


愛するミスタ・ダーシー、もとい
コリン・ファースが英国王を演じる映画。

ミスタ・ダーシィというのは
ジェーン・オースティン原作「高慢と偏見」を
英国BBCがドラマにした中での役名です。

ジェーン・オースティンというのは
日本では中学や高校の文学史にはあまり出てこない作家だけど
英米ではかなりポピュラーな古典作家のひとりなのではないでしょうか。
彼女の作品の映画化ドラマ化も結構されてて
「高慢と偏見」(あるいは「プライドと偏見」)も
いくつかドラマや映画がある。
映画でわりと知られてるのはキーラ・ナイトレイが主人公を演じた映画版で
これもきれいな映画で、DVDで見ましたが
わたしはなんと行ってもBBCのドラマ版が大好き!
合計5時間を超える長さなのですが
その分原作に忠実に描かれていて素晴らしい作品です。
コリン・ファースはこのドラマで
英国中の女性をとりこにしたんじゃないかな。
その後、コリン・ファースの出演した映画
「ブリジッド・ジョーンズの日記」の中でも
このドラマを見た人にだけわかるくすぐりがあったり
かなりポピュラーなドラマです。

コリン・ファースは他に画家フェルメールを演じた
「真珠の首飾りの少女」などにも出ていますね。

さて、前置きが長すぎましたが
「英国王のスピーチ」は吃音だったジョージ6世の物語。
兄が王位を捨てて、アメリカ人女性に走ってしまったので
吃音でスピーチが悪夢でしかない彼に王位がまわってきてしまい
スピーチ矯正の専門家とぶつかりながら克服していくと言うストーリーです。
オスカーを受賞したので、ずいぶん有名になったけど
映画自体は、ミニシアター系といえそうな
抑制の効いた端正な作品です。
ジョージ6世は、真面目で誠実ながら、
ストレスやトラウマ、プライドや王位へのプレッシャーを抱えた
かなり複雑な人物なのだけど
それが全く説明過多にならず、すごくうまく描かれています。
スピーチ専門家を演じたジェフリー・ラッシュも
個性的な俳優ですが、
横柄で自信家でユニークな役柄にぴったりで
もう一人の主役と言えるでしょう。

こういう複雑で苦悩を抱えた立派な男、というのが
すごく好みなので、楽しみに見たんだけど
王の吃音が、見ていてつらくなり、
彼がしゃべるたびに、わたしまで息がつまり苦しかったです。
それだけ上手かったということですね。

カメラワークも派手じゃないけど、どことなく物言いたげで(笑)、
何でもないシーンをすごい広角で撮ってたり、
人物のアップでも、その人の何もかも見せるようなまっすぐなアップなのに
混じりけがないというか、とてもきれいに撮れているのです。
それらが、独特の「間」を作っていると思います。
気持ちいい距離感のある「間」です。

個人的には、どうでもいいことだけどスピーチ専門家のオフィスの
不思議なまだらの壁の色が、ツボでしたね。
あと、王位を捨てた兄王の描かれ方も。
彼は2度の離婚歴のあるアメリカ女性と一緒になるのですが
この事件は「世紀の恋」とも言われ、
わたしは王位よりも愛する女性を選んだ、と
ロマンチックな話として、何かで読んだ覚えがあるのですが
映画の中では、そういう風には描かれていません。
兄王は責任感に乏しい恋におぼれて手玉に取られる
ちょっといい加減な感じの人物にされています。
そして相手の女性は、わたしも見たことのある
実物の写真によく似た女優さんが演じてて
美人でもなく品があるようでもないけど
派手で甘え上手で計算高いような女性にされていました。
事実はどうだったんでしょうねぇ。
なんにしろ
王様を手玉に取るのに美貌はいらないのかぁ・・・
興味深いです(笑)。

映画のまわりのことばかり色々書いたけど
本当にいい映画です。
まだの方はぜひ!

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