是枝監督は嫌いじゃないし、これ大体の部分すごく上手いいい映画なんだけど、
珍しいくらいずーーーっとイライラ(-_-#)!した。
まずは主役の阿部寛演じるダメ男。ダメ男役がうますぎてイライラ。笑
このダメ男に甘すぎるわみんな!ダメ男滅びろ!
と、いろんなダメンズに苦労して来た過去からのダメんずアレルギー炸裂。
自分のダメんずアレルギーがこんなにひどくなってたとは知らんかった。
こういうダメな男にどれだけ苦労したことか(>_<)のフラッシュバックで
ムカムカムカムカ・・・
これだけ腹を立てて心動かされるのは、うまいといえばうまいのですが、
気持ちが収まらないので、ダメ男への怒りを書き殴ります。
(映画をけなしているのではありません。笑)
樹木希林も他の役者さんもすごく上手いしいい映画かもしれないけど、
ダメ男に搾取されたり騙されたり利用されたり苦労した人が見るのはつらいかも(^_^;)
ダメ男からのストーカー被害にあったことがある人にはわかってもらえると思う。
もうダメんずが必ず言いそうな言い訳やら嘘やら見栄やらごまかしやら満載で
それだけ主人公のダメさの演出と演技がうまかったということなんでしょうけど、
こいつの言い訳がことごとく、わたしが過去に知ってたダメ男から
聞いたセリフの連発で、腹が立って腹が立って・・・苦笑
ダメんずというのは何か才能とか魅力とか愛嬌とか
何かちょびっとでいいから突出した取り柄がないといけないもんなんです。
それがあると、数々のダメさがなぜか逆に女性にモテる要素になったりする。
もててこそのダメんずでしょう。
でもこの映画の主人公は、昔小説で賞をとったことがあるだけの一発屋で、
いつまでもそれにすがって惨めったらしいプライドを大事に、
時代が悪いと言い訳ばかりしてるような男なんですよ。しょうもなー。あかんわー。
しかも、あろうことか高校生をカツアゲするような中年男ですよ。
子供からお金かすめ取る大人にどんな言い訳ができるねん!と。
ダメ男ではなくクズ男だわ。なのに
本人に自覚がないというか、認めようとしないで幼稚なプライドだけが頼りなまま、
ひとかけらの反省も結局ないまま、前に進もうとか調子よすぎるわ。
新しい相手と(この相手もまあ微妙なんだけど)進もうと思ってる元妻に
馴れ馴れしく触ろうとするシーンは寒気がした。さわるな!
自分がさんざんダメにしたものを、
また相手に甘えて何とかなるとか期待する図々しさ。ホントきもいわ!
女たちも後輩も、こんなダメ男にやさしすぎる!のたれ死ぬまでほっとくべき。
これって阿部寛がやってるから、人によると、まあうっかり間違って
ちょっと愛すべきダメ男に見えちゃうことがあるかもしれないけど、
たとえば温水洋一がこの役やってたら、どこまでもキモいストーカーですよ。
ああ、きもい。
・・・以上で、主人公への個人的怒りは置いとくとして、映画自体にも少し不満が。
その展開は主人公に都合よ過ぎでしょ、とか、
いやここでそういう心の触れ合い感動シーンみたいなの、ちょっと違うでしょと
思うところなどもありました。
団地のすべり台が出てきて、主人公が息子に思い出話をするところで、
まさかそこで同じような状況の再現になり、親子や元夫婦の心が通うとかそういう
ベタすぎる安直感動展開になったりしないよね・・・しないよね、いくらなんでも、
と恐れてた通りの、いやそれ以上のベタな展開になったときは心底がっかりした。
この甘酸っぱさ、ほろ苦さの、わかりやすすぎる予定調和な気持ち悪さ。
他の部分がいいだけに、もうちょっと練って欲しかったなぁ。
そして、もっと最悪なのはラストに重なって流れるハナレグミの幼稚な歌!
なにそのおっさんポエムは!これはないでしょう・・・。がっかりのダメ押し。
♩夢見た未来はどこ行ったんだろー、ハロー♪ってなにそれ、
この映画のこの展開にこんな主題歌って、どんだけ説明的で幼稚なの(♯`∧´)!
樹木希林の凄さがここで全部ご破算になるくらいのがっかりでした。
あと、セリフによく出てくる、「あれで」、「あれする」などの表現。
この監督のクセなのかなぁ。
是枝監督の「海街ダイアリー」でも会話でよく出てきてた。
自然な感じを演出してるんだと思うけど、ちょっとやりすぎといつも思います。
(「自然な感じをアレしてると思うんだけど」というような用法ね。笑)
ああ、映画のあらすじ書くの忘れてた。
そういうダメ男が母親の家で、元妻と息子と一緒に過ごすことになった
台風の夜の話、です。はい。
最後にローカルネタ。
「海よりもまだ深く」を見たのは大阪梅田のステーションシネマでしたが、
映画館の観客が、ここはシネピピアか?と思うほど、年配女性率が高く、
観客の皆さんが思わず笑うポイントやタイミングに、
ダメな夫や息子に苦労して来たお母さん的なものを感じたのは興味深かった。
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