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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ハートストーン

2017-12-05 | 映画


今年のトップ5に入るとまでほめてる友達がいたので
どうしようかなぁと思ってたのを、あわてて見に行った映画ですが、
見たのは半年以上前・・・。
今年は映画をあまりたくさん見られてない上に感想もあんまり書いてないです。
時間はないわけじゃないのに、体力が足りない・・・。

アイスランド映画です。
アイスランドについて知っていることはとても少ない。
『ひつじ村の兄弟』という映画を見たのは印象に残っています。
人口や地理や政治や宗教や、教科書で教わった事実より
映画で見た景色や人々の方が、ずっと記憶に残るよね。
それがフィクションでも、その中にやっぱりかなりの真実はあると思うのです。

アイスランドらしい(と思う)ひなびた漁村の幼なじみのソールとクリスティアン。
ふたりの少年の成長を繊細に描いている映画です。
成長といっても、分かりやすいドラマではなく(ドラマチックな事件も起こるけど)
ふたりの日々を丁寧に描いているので、事前情報がなければ
これを少年の同性愛の映画、というようには全く思わなかったと思います。
そういう側面もあるかもしれないけど、全然そこを強調したりはしていない。
ふたりの友情も揺るがない強いものというわけではなく、当たり前の揺らぎがある。
関係も感情も、細くなったり太くなったり、近づいたり離れたりいつも揺れている。
そんな風に一定しない感情を抱えてとまどいながらなんとか生きていくのが青春かな。
だから、同性愛映画、ゲイ映画というレッテルで語って欲しくないと思うなぁ。

自分の孤独と恋愛にかまけていて、子供たちにこまやかな愛情を注げない母親、
男らしさを強要し暴力を振るう父親、力のある年上のいじめっ子グループ、
閉鎖的な村社会の息苦しさや閉塞感。
主人公たちは、天真爛漫ではいられません。常に影を抱えている。
子供って不自由なんだよね。自分で親や住む環境を選べない。逃げることもできない。
でも、そんな中でも若いって、キラキラした瞬間はいつもあるんだなと思う。
この映画でも、基本的にはそういう常に影のある日常だけど
楽しいことも楽しいときもあって、そういう瞬間のかけがえのなさが
とてもきれいに繊細に描かれていると思いました。

主人公はソールだけど、彼の視点というよりは淡々と3人称で描かれている感じ。
まだ顔も体も子供っぽいソールに比べて、クリスティアン役の子はすっかり青年で
かなりどきどきします。美青年。影のある美青年。どきどき。
この美青年だけで元が取れるくらい、良いです。
そしてソールは、少しぽてっと子供体型のリバー・フェニックスって感じかな。
でもこの子が、あまりに思春期の子なので、見ててこっちまで気恥ずかしかった。
たとえば、まだヒゲや脇などの毛が生えてこないことのコンプレックス。
早く大人の男になりたい焦りと虚勢。
女の子にもこういうのは思春期にはあって、大人ぶったり悪ぶったりするもので、
なんかそういう感じを思い出して、いちいち気恥ずかしくなってしまった。笑

見ているときはそういう気恥ずかしさと、彼らの世界の閉塞感とで、どうにもつらくて
あんまりいいと思えないまま見終わったけど、後で考えると悪くなかったと思う。
いや、かなり盛りだくさんのいい映画だったかもしれません。

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