ヴァンサン・カッセルのダメ男具合を見るのが楽しみだった映画。
だって彼みたいないい男はダメなのが正しくて、
ヴァンサン・カッセルなのに優しく誠実で一途で真面目な男だったらおかしいでしょ。
でも「ブラックスワン」や「危険なメソッド」のちょい役の、異常に印象の強い
悪魔のようなダークな魅力と比べると、この映画の中の彼はごく普通と思ったけど。
わたしなら、この映画のダメ男のヴァンサンカッセルと仲良くできるのになぁ。
自己中でわがままでだらしなくて弱くて自由でないといられなくて、
そして恐ろしく魅力的な男。そして容貌がヴァンサン・カッセル。素敵・・・。
こういう男といわゆる西欧風1対1のかっちりした男女関係を持とうと思うのが間違い。
嫉妬する人には向かない男なんですよね、彼は。
そもそも、欧米のカップル文化の窮屈さにはいつも辟易する。
ずっと変わらず愛しあわねばならないし、他の人を好きになってはいけないし、
いつもどこでも出来る限り一緒にいないといけない感じ、息がつまるよね。
でもそういうずっと続くいつもロマンチックな関係を求める女の
ナンバーワンかつオンリーワンになりたがっての嫉妬や苦悩が、
わたしにはなんかひとごとで、冷めた目でヒロインを見ていました。
この前久しぶりに見た「ティファニーで朝食を」にも書いたけど
自由でしかいられない人は自由にしててあげるしかないのに。
たまに帰ってきたらそのときだけ愛でればいいと思うんですけど、
しかも相手はヴァンサン・カッセルですよ!
変な顔だけど、怖いくらい魅力的な男。
なんでこういう男を縛りたがるかね?もったいない。
開き直った彼が「俺が俺だから好きなんだろ?」というように
この男には羽が生えていて、だからこんなに魅力的なのです。
羽を縛ったり隠したりもいだりしたら、死んでしまう生き物だからね。
あ、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」にも書いたっけな。
欧米の一夫一婦世界的「普通」の恋人や「普通」の夫婦、「正しい」愛を
映画や本の中で見ると、うんざりしたりぽかんとしたりすることが多い。
この映画もまあそういう感じで、みんなが男が悪い悪いと言ってても
何が悪いのかあんまりわかんない。
わたしはいつも男たちに怒ってるけど、
みんなが怒ってる時には案外、なんで?と思ってることもあるのです。笑
お話は、
スキー場で無茶なスピードを出して怪我をした弁護士の女性トニーの回想。
クラブで昔憧れていた男性を見かけ、恋に落ちる。
一緒に暮らし、子供が欲しいと言われ結婚妊娠出産。
その間に彼の結婚前と変わらぬ自由な素行にトニーは苦しむ。
破られる誓い、大げんか、仲直り、また大げんか、の愛と憎しみの嵐のような10年。
印象的なシーンの一つは、上の予告編にもあるけど
俺のケータイ持っててと番号をくれるのかと思ったら
携帯電話自体をほいっと彼女に投げて去っていくシーン。
あーもーなにこれ、あかん、かっこよすぎる、惚れるー!
でも、これは普通の男性が真似してもケータイが壊れるだけですから。
自由でないと生きられない、悪魔のように魅力的な男だけがして良い。笑
ヒロインの女優さんは髪をアップにするととてもきれいなんだけど
ほぼノーメイクでもっさりした髪型で、微妙なファッション。
ダサくて真面目な弁護士と言う設定だろうけど
ダサくて真面目というほどでもなく、そこもキャラ的に微妙な感じですが、
肌がすっごくきれいです。
顔もだけど足も体も本当にきれいな肌。
白く均一で毛穴がないような、でも透明感というのではなく
なんかふわりとパステルな清潔な白さ。
このマイウェン監督はの元夫はリュック・ベッソンで
彼とのあれこれが込められているという噂も。
でもこの映画作って、元は取れたね。
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