goo blog サービス終了のお知らせ 

sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:おとなり

2011-04-06 | 映画
隣同士に住む男女のお話。
「音」のお話でもある。
顔を合わせたことはなく、壁越しの物音だけを通して、
少しだけ気にかけあっているという間柄の男女。
東京に住んでも、引越ししたらお隣には挨拶するけどなぁ、わたしは。
なんてこと言うとこの映画成立しないけど(笑)
こういう、あわーいコミュニケーションを
時間をかけて積み上げていくような話は好きだな。

コーヒー豆をかりかり挽く音が聞こえて
ああ、ゆっくりした時間を過ごしているんだなと想像し微笑んだり
語学テープをリピートする声を聞いて
頑張ってるんだなぁと感心してたり、という
日常の小さな音を通したささやかなふれあいの描写も好みです。
「おとなり」は
「お隣」と「音鳴り」をかけているようで
なるほど、そういう映画ですね。

後半で、泣いてるときに隣の部屋の、
会ったこともない人が自分の好きな歌を
小声で歌ってなぐさめてくれるというシチュエーション。
まだ言葉も交わしていないのに
思いやる気持は伝わるって
ロマンチックね~。
でも、それでもまだ顔を合わせず挨拶すらしないまま
女の子は引っ越しをするんだけど・・・。
えー!そのオチは・・・ちょっと、いいのかそれ、できすぎでしょ~!
という、かなり運命的なことになるオチはびっくりしましたが(笑)
こんなオチにも関わらず、この映画は嫌いじゃないのです。
できすぎのオチだけでなく、
前半のやさしくひそやかなふれあいの関係も
リアリティのある話ではなく
おとぎ話だなぁと思うけど
そこに腹が立たない。
邦画の恋愛モノでこんなにひねくれずに好意持つ映画少ないんだけどな。
主演の岡田准一と麻生久美子が、どちらもさりげない感じで
嫌味なところがなかったせいかもしれません。
というか
岡田准一、このテの顔は全~く好みじゃないのに
以前から何となく気になっていて
今回わかった、いや、認めました。
わたしは岡田准一は好きなようです(笑)。

全然違うけど、この前読んでた
幸田文の短い小説「台所の音」(←超名作!)をちょっと思い出したな。
小さな頼りない音だけとか、色だけとか、線だけとか、匂いだけとか、
それだけしかなくて
何か足りない感じの頼りなさがすきなのかもしれません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。