☆ 昨日の復習
後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年12月、米長邦雄先生と第38期名人挑戦者リーグです。
大山先生の四間飛車に米長先生は急戦ですが、昨日と同じことで46歩には54銀からの玉頭銀が嫌です。
でもかなり早い出だしだったので、大山先生はいつもの32金で手堅く守りました。米長先生は38と寄って
普通は中飛車に対する戦法ですが、加藤(一二三)流の袖飛車急戦になりました。これはかなり優秀な戦法です。
大山先生も袖飛車でけん制。これをやるのは大山先生だけですが。
中央で駒がぶつかり、飛車は戻ります。
結局は大山先生の2手損で中央に位を取られました。
普通の急戦に比べると居飛車のほうが玉が堅いのですが、ツノ銀なので後手の守備力も高く、攻めるのは大変です。どうするのかと思ったら
米長先生は54歩と突きだして銀をぶつけました。銀を持ったら61銀ということなのですが、これで指せるとみるプロは少数派でしょう。アマチュアなら(手順はともかく)やりたくなりますが。
これで歩切れ。まるでだめに見えるのですが、飛車をどこに逃げても銀を打てます。
52飛に61銀からはがして、また金を打ち(これも後手の応手が多くて難しい)
金銀を交換してまた銀を打ちます。
後手玉はずいぶん薄くなりました。35銀に
飛車を切って43歩成。こうなれば勢いですが、玉が堅くて攻めているので先手十分です。
大山先生は と金を払う余裕はなく、攻め合いです。
が、桂は食いちぎって銀を打てば、一目先手の一手勝ち。
大山先生は薄い玉でも粘るので、米長先生も慎重です。角をぶつけ(73歩や55角や33角成、どれでもよさそうに見えますが)
75銀同角同歩で84角の利きを止めてから寄せます。
飛車を取って投了図。
米長先生の快勝譜です。加藤流袖飛車の優秀性は、玉が堅くて攻めが十分続くことにあります。角筋が止まってどうするのかと思ったら、中央から強く駒をぶつけていくだけで勝てました。ただ、それで指せる、とはだれも思わないでしょう。こういう攻め方は切れてしまうことのほうが多いです。そこまで読んで踏み切った米長先生の強さをたたえて並べてみましょう。
基本的には自分の手駒を打って相手の守備駒を剥がす、という指し手は相手の守備駒が減るものの、相手の持ち駒を増やしてしまうマイナスもあります。自分の攻め駒は増えないので、まずい場合のほうが多いです。しっかり(手順よりも何手か先の局面の形勢を)読んでから指しましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄王位
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 7一玉(62)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 4六歩(47)
22 3二金(41)
23 5七銀(48)
24 8二玉(71)
25 3八飛(28)
26 6四歩(63)
27 6八銀(79)
28 7四歩(73)
29 3五歩(36)
30 同 歩(34)
31 同 飛(38)
32 6三銀(72)
33 3七桂(29)
34 3四歩打
35 3六飛(35)
36 7二飛(42)
37 6六銀(57)
38 5四歩(53)
39 5五歩(56)
40 5二飛(72)
41 5四歩(55)
42 同 銀(63)
43 5五歩打
44 6三銀(54)
45 5七銀(68)
46 7二金(61)
47 5六銀(57)
48 5一角(33)
49 4五歩(46)
50 3三金(32)
51 6八金(69)
52 6二角(51)
53 5四歩(55)
54 同 銀(43)
55 5五銀(66)
56 7三桂(81)
57 5四銀(55)
58 同 飛(52)
59 5五歩打
60 5二飛(54)
61 6一銀打
62 5一飛(52)
63 7二銀成(61)
64 同 玉(82)
65 5四金打
66 5二銀打
67 6三金(54)
68 同 銀(52)
69 4二銀打
70 8一飛(51)
71 5四歩(55)
72 同 銀(63)
73 3三銀(42)
74 同 桂(21)
75 4四歩(45)
76 3五銀打
77 同 飛(36)
78 同 歩(34)
79 4三歩成(44)
80 5七歩打
81 同 金(58)
82 6五桂(73)
83 同 銀(56)
84 同 銀(54)
85 5三銀打
86 8四角(62)
87 6四銀成(53)
88 5六歩打
89 5八金(57)
90 7六銀(65)
91 6六角(88)
92 7五銀打
93 同 角(66)
94 同 歩(74)
95 7三歩打
96 8二玉(72)
97 7二金打
98 9三玉(82)
99 8一金(72)
100 投了
まで99手で先手の勝ち
後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年12月、米長邦雄先生と第38期名人挑戦者リーグです。
大山先生の四間飛車に米長先生は急戦ですが、昨日と同じことで46歩には54銀からの玉頭銀が嫌です。
でもかなり早い出だしだったので、大山先生はいつもの32金で手堅く守りました。米長先生は38と寄って
普通は中飛車に対する戦法ですが、加藤(一二三)流の袖飛車急戦になりました。これはかなり優秀な戦法です。
大山先生も袖飛車でけん制。これをやるのは大山先生だけですが。
中央で駒がぶつかり、飛車は戻ります。
結局は大山先生の2手損で中央に位を取られました。
普通の急戦に比べると居飛車のほうが玉が堅いのですが、ツノ銀なので後手の守備力も高く、攻めるのは大変です。どうするのかと思ったら
米長先生は54歩と突きだして銀をぶつけました。銀を持ったら61銀ということなのですが、これで指せるとみるプロは少数派でしょう。アマチュアなら(手順はともかく)やりたくなりますが。
これで歩切れ。まるでだめに見えるのですが、飛車をどこに逃げても銀を打てます。
52飛に61銀からはがして、また金を打ち(これも後手の応手が多くて難しい)
金銀を交換してまた銀を打ちます。
後手玉はずいぶん薄くなりました。35銀に
飛車を切って43歩成。こうなれば勢いですが、玉が堅くて攻めているので先手十分です。
大山先生は と金を払う余裕はなく、攻め合いです。
が、桂は食いちぎって銀を打てば、一目先手の一手勝ち。
大山先生は薄い玉でも粘るので、米長先生も慎重です。角をぶつけ(73歩や55角や33角成、どれでもよさそうに見えますが)
75銀同角同歩で84角の利きを止めてから寄せます。
飛車を取って投了図。
米長先生の快勝譜です。加藤流袖飛車の優秀性は、玉が堅くて攻めが十分続くことにあります。角筋が止まってどうするのかと思ったら、中央から強く駒をぶつけていくだけで勝てました。ただ、それで指せる、とはだれも思わないでしょう。こういう攻め方は切れてしまうことのほうが多いです。そこまで読んで踏み切った米長先生の強さをたたえて並べてみましょう。
基本的には自分の手駒を打って相手の守備駒を剥がす、という指し手は相手の守備駒が減るものの、相手の持ち駒を増やしてしまうマイナスもあります。自分の攻め駒は増えないので、まずい場合のほうが多いです。しっかり(手順よりも何手か先の局面の形勢を)読んでから指しましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄王位
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 7一玉(62)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 4六歩(47)
22 3二金(41)
23 5七銀(48)
24 8二玉(71)
25 3八飛(28)
26 6四歩(63)
27 6八銀(79)
28 7四歩(73)
29 3五歩(36)
30 同 歩(34)
31 同 飛(38)
32 6三銀(72)
33 3七桂(29)
34 3四歩打
35 3六飛(35)
36 7二飛(42)
37 6六銀(57)
38 5四歩(53)
39 5五歩(56)
40 5二飛(72)
41 5四歩(55)
42 同 銀(63)
43 5五歩打
44 6三銀(54)
45 5七銀(68)
46 7二金(61)
47 5六銀(57)
48 5一角(33)
49 4五歩(46)
50 3三金(32)
51 6八金(69)
52 6二角(51)
53 5四歩(55)
54 同 銀(43)
55 5五銀(66)
56 7三桂(81)
57 5四銀(55)
58 同 飛(52)
59 5五歩打
60 5二飛(54)
61 6一銀打
62 5一飛(52)
63 7二銀成(61)
64 同 玉(82)
65 5四金打
66 5二銀打
67 6三金(54)
68 同 銀(52)
69 4二銀打
70 8一飛(51)
71 5四歩(55)
72 同 銀(63)
73 3三銀(42)
74 同 桂(21)
75 4四歩(45)
76 3五銀打
77 同 飛(36)
78 同 歩(34)
79 4三歩成(44)
80 5七歩打
81 同 金(58)
82 6五桂(73)
83 同 銀(56)
84 同 銀(54)
85 5三銀打
86 8四角(62)
87 6四銀成(53)
88 5六歩打
89 5八金(57)
90 7六銀(65)
91 6六角(88)
92 7五銀打
93 同 角(66)
94 同 歩(74)
95 7三歩打
96 8二玉(72)
97 7二金打
98 9三玉(82)
99 8一金(72)
100 投了
まで99手で先手の勝ち