☆ 昨日の復習
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年11月、有吉道夫先生と第6回名将戦決勝第1局です。
久しぶりに大山先生の三間飛車です。加藤一二三先生相手なら棒銀、少なくとも急戦だと思うので先手三間飛車を採用していたのですが、他の棋士には何か月ぶりか。
有吉先生は居飛穴です。位取りはうまいのですが、居飛穴はうまくはないです。でも玉を固めてから攻めるのは大好き。火の玉流と呼ばれました。
大山先生は4筋の位を取って
46銀。若い方はコーヤン流か、と思うかもしれませんが、大山先生が指し始めて、弟子の中田功先生が受け継いだのです。将棋界では師匠の将棋をまねることは珍しい例ですが。
有吉先生の攻め駒の配置が遅く、大山先生の作戦勝ちです。5筋からいきます。
53歩は54歩同歩同飛53歩84飛ですから仕方ないとはいえ、飛成を42金寄と受けるのはつらいかぎり。
26角からあっさり角を切って一丁上がりです。
二枚換えで十分の形です。有吉先生は反撃せねばなりませんが
角を切って57飛成では寄せ合い負け。57銀と絡みますが
73角に58銀成では望み薄。64角と合わせて同角成同歩でどう受けるかを見たほうが良かったと思います。
57角に期待したのですが、大山先生は駒得なので銀を埋めた形がしっかりしています。
あとは52飛を使わせなければよく
この銀は変な手ですが、57成銀に69香を見ています。68成銀とそっぽに行かせて
馬をぶつけ
両取りです。
あとは43銀と打ち込んでいく筋で寄せていけばよいです。効果を上げるために飛車の位置をずらして
投了図。
有吉先生は位取りの名手ですが、居飛穴は勝手が違います。穴熊は堅さを主張することもありますが、互いの玉の距離感がものをいうこともあります。玉の堅さを優先するので、有吉先生の攻めは細くなりがちなのでしょう。位取りは玉頭から攻めることもできるので、この棋風とはうまくあっているのですが。
大山先生の序盤感覚の良さを学びましょう。有利になったあとも手堅いです。
この三間飛車の指し方を開発していたので、三間飛車の採用が少なくなっていたのかもしれません。中飛車がでるのはいつでしょうか。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:有吉道夫9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八飛(28)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 3三角(22)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 5八金(69)
20 1二香(11)
21 5六歩(57)
22 1一玉(22)
23 1六歩(17)
24 2二銀(31)
25 4六歩(47)
26 3一金(41)
27 5七銀(68)
28 5一金(61)
29 3六歩(37)
30 4一金(51)
31 4五歩(46)
32 4二角(33)
33 8八飛(78)
34 3二金(41)
35 4七金(58)
36 7四歩(73)
37 5九角(77)
38 6四角(42)
39 4六銀(57)
40 7二飛(82)
41 5五歩(56)
42 同 歩(54)
43 5八飛(88)
44 8二角(64)
45 5五銀(46)
46 7五歩(74)
47 4六銀(55)
48 4二金(32)
49 2六角(59)
50 7六歩(75)
51 6二角成(26)
52 同 飛(72)
53 5一飛成(58)
54 5二飛(62)
55 8一龍(51)
56 4六角(82)
57 同 金(47)
58 5七銀打
59 7三角打
60 5八銀成(57)
61 3九金(49)
62 5七角打
63 3七銀打
64 6六角成(57)
65 5六歩打
66 9二香(91)
67 5五桂打
68 5三飛(52)
69 9二龍(81)
70 5四歩打
71 4七銀(38)
72 6八成銀(58)
73 4三桂成(55)
74 同 金(42)
75 6二角成(73)
76 4二金(43)
77 3八金(39)
78 3三飛(53)
79 4四馬(62)
80 6七成銀(68)
81 6六馬(44)
82 同 成銀(67)
83 7五角打
84 4一歩打
85 6六角(75)
86 7八角打
87 4四歩(45)
88 6七角成(78)
89 9三角成(66)
90 8九馬(67)
91 6六馬(93)
92 5三桂打
93 3五歩(36)
94 同 歩(34)
95 3四歩打
96 3二飛(33)
97 2六香打
98 7四桂打
99 7六馬(66)
100 9九馬(89)
101 5四馬(76)
102 3四飛(32)
103 5五歩(56)
104 8九馬(99)
105 4三銀打
106 4五香打
107 3二歩打
108 投了
まで107手で先手の勝ち
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年11月、有吉道夫先生と第6回名将戦決勝第1局です。
久しぶりに大山先生の三間飛車です。加藤一二三先生相手なら棒銀、少なくとも急戦だと思うので先手三間飛車を採用していたのですが、他の棋士には何か月ぶりか。
有吉先生は居飛穴です。位取りはうまいのですが、居飛穴はうまくはないです。でも玉を固めてから攻めるのは大好き。火の玉流と呼ばれました。
大山先生は4筋の位を取って
46銀。若い方はコーヤン流か、と思うかもしれませんが、大山先生が指し始めて、弟子の中田功先生が受け継いだのです。将棋界では師匠の将棋をまねることは珍しい例ですが。
有吉先生の攻め駒の配置が遅く、大山先生の作戦勝ちです。5筋からいきます。
53歩は54歩同歩同飛53歩84飛ですから仕方ないとはいえ、飛成を42金寄と受けるのはつらいかぎり。
26角からあっさり角を切って一丁上がりです。
二枚換えで十分の形です。有吉先生は反撃せねばなりませんが
角を切って57飛成では寄せ合い負け。57銀と絡みますが
73角に58銀成では望み薄。64角と合わせて同角成同歩でどう受けるかを見たほうが良かったと思います。
57角に期待したのですが、大山先生は駒得なので銀を埋めた形がしっかりしています。
あとは52飛を使わせなければよく
この銀は変な手ですが、57成銀に69香を見ています。68成銀とそっぽに行かせて
馬をぶつけ
両取りです。
あとは43銀と打ち込んでいく筋で寄せていけばよいです。効果を上げるために飛車の位置をずらして
投了図。
有吉先生は位取りの名手ですが、居飛穴は勝手が違います。穴熊は堅さを主張することもありますが、互いの玉の距離感がものをいうこともあります。玉の堅さを優先するので、有吉先生の攻めは細くなりがちなのでしょう。位取りは玉頭から攻めることもできるので、この棋風とはうまくあっているのですが。
大山先生の序盤感覚の良さを学びましょう。有利になったあとも手堅いです。
この三間飛車の指し方を開発していたので、三間飛車の採用が少なくなっていたのかもしれません。中飛車がでるのはいつでしょうか。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:有吉道夫9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八飛(28)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 3三角(22)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 5八金(69)
20 1二香(11)
21 5六歩(57)
22 1一玉(22)
23 1六歩(17)
24 2二銀(31)
25 4六歩(47)
26 3一金(41)
27 5七銀(68)
28 5一金(61)
29 3六歩(37)
30 4一金(51)
31 4五歩(46)
32 4二角(33)
33 8八飛(78)
34 3二金(41)
35 4七金(58)
36 7四歩(73)
37 5九角(77)
38 6四角(42)
39 4六銀(57)
40 7二飛(82)
41 5五歩(56)
42 同 歩(54)
43 5八飛(88)
44 8二角(64)
45 5五銀(46)
46 7五歩(74)
47 4六銀(55)
48 4二金(32)
49 2六角(59)
50 7六歩(75)
51 6二角成(26)
52 同 飛(72)
53 5一飛成(58)
54 5二飛(62)
55 8一龍(51)
56 4六角(82)
57 同 金(47)
58 5七銀打
59 7三角打
60 5八銀成(57)
61 3九金(49)
62 5七角打
63 3七銀打
64 6六角成(57)
65 5六歩打
66 9二香(91)
67 5五桂打
68 5三飛(52)
69 9二龍(81)
70 5四歩打
71 4七銀(38)
72 6八成銀(58)
73 4三桂成(55)
74 同 金(42)
75 6二角成(73)
76 4二金(43)
77 3八金(39)
78 3三飛(53)
79 4四馬(62)
80 6七成銀(68)
81 6六馬(44)
82 同 成銀(67)
83 7五角打
84 4一歩打
85 6六角(75)
86 7八角打
87 4四歩(45)
88 6七角成(78)
89 9三角成(66)
90 8九馬(67)
91 6六馬(93)
92 5三桂打
93 3五歩(36)
94 同 歩(34)
95 3四歩打
96 3二飛(33)
97 2六香打
98 7四桂打
99 7六馬(66)
100 9九馬(89)
101 5四馬(76)
102 3四飛(32)
103 5五歩(56)
104 8九馬(99)
105 4三銀打
106 4五香打
107 3二歩打
108 投了
まで107手で先手の勝ち