今日は今年三度目の名古屋行きを敢行しました。
あれこれあってタイトではありますが、何とか見たかったもので(^^ゞ
姫路の爆撃機、川端賢樹が最後になるかもしれないタイトル挑戦、
対するはあの大場浩平。関西ボクシング依怙贔屓主義者で、
なおかつ大場ファンでもある私には、なんとも心に染みるカードです。
今日、名古屋に向かう近鉄特急アーバンライナー車中で、
昨日買ったボクシングマガジンをのんびり読んでおりましたら、
浅沢英記者による川端の記事が載っていました。
川端がサーシャ・バクティンに完敗し、三谷将之に惜敗したのち、
またも再起してタイトルマッチに辿り着いたことだけで感慨深かったんですが、
その後彼の身の回りに起こった親族の不幸や、それにまつわる事々と、
それを乗り越えて今日の試合に挑む川端の健闘を願わずにはいられない、
改めてその思いが強くなりました。
対する天才・大場浩平は、前回の児玉卓郎戦での大ピンチが
記憶に新しいところです。
あのピンチを乗り越えたことを評価したい反面、
「打たれ癖」のようなものが出来てしまうのではないか、と心配でもあります。
しかし、岐阜の破壊王と呼ばれ、ランカークラスが対戦を忌避する
強打とタフネスを併せ持つ児玉を退けた大場が、
またもラストチャンスに賭ける実力者川端を迎え撃つとは思いませんでした。
この辺のマッチメイクは、日本王者として非常に立派で、
三谷将之路線...という言い方が適当かどうかわかりませんが(^^)
前王者に負けない、王者の矜持を感じさせる姿勢は、
やはりこちらも応援せずにいられないという気にさせられます。
試合は大場がフリッカージャブで突き放しにかかり、
川端が右クロスを狙う展開で始まりました。
しかし大場のスピードは出色で、川端の右クロスは遠く届きません。
初回は大場が明白に押さえました。
しかし2回、川端がひとしきり攻勢に出て、大場がそれを躱したあと、
しばらく川端が手を止めて防御に専念します。
大場が前に出て、川端がロープを背負ったそのとき、
川端のカウンターが決まって大場が背中から倒れました。
※「ボクシングフリークス」の速報には左一発と書いたのですが、
右と書いてあるサイトもあり、どっちか確信が持てませんでした。
映像で確認したところ、左フックから右のフォローがあってのダウンでした。
前回は大ピンチを迎えこそすれ、倒れなかった大場ですが
いともあっさり、綺麗に倒されました。場内騒然となりました。
しかし大場はすぐに立ち、その後は懸命にジャブを突き、
いつものトリッキーな動きこそ見られない代わりに、
密度の濃いストレートパンチ主体のボクシングを見せます。
川端は追撃したいところでしたが、大場が懸命に突き放し、
川端は悪いときの、前に出るが手数が出せない攻防分離に陥ります。
時折強打を振るって攻めますが、大場のジャブが終盤まで支配しました。
しかし大場は最終回、自ら川端に「打ってこい!」とアピール、
川端がそれに応じて激しい打ち合いになります。
このあたりに、大場の意地を見ました。ダウンとられたまま、
アウトボクシングで挽回した、というだけの勝利では、
大場のプライドは満たされないのでしょう。
冷静に最後まで闘い抜くことこそ、何より大事だという見方もあるでしょうし、
それもまた正しいと思いますが、大場のこうした思いが伝わる闘いぶりも、
やはりとても魅力的でありました。
判定はドローが一人、あとは大場を支持しました。
会場で、ちょっと遠い席から見ていたので、
川端の強打の効果に対する見方がちょっと違ったと思います。
私は96-93か、97-92、というところで大場の勝利と見ました。
若き天才と叩き上げのベテラン、ボクサーとファイター、
対照的な二人の闘いは、やはり熱く燃えました。
試合後、両者は互いに「君と闘えたこと」を感謝する旨を語り、
健闘を称え合いました。
そして姫路から来た川端応援団からは「浩平コール」が起こりました。
さまざまな思いを背負ったふたりの闘いは、
見る者の心を揺さぶる素晴らしい闘いでした。
単に「明暗を分けた」という言葉では割り切れない両者の姿、
どちらも「勝者」として称えたい闘い、
やはり見に来て良かった、と思える試合でありました(^^)
今日はこの試合だけでなく、見所が多い興行でした。
新人の時に見た、トサカ頭の激闘王こと緑ジムの小出大貴が、
強打の比国王者JRソラノに挑んだ試合があり、
メインはミニマム級の東洋vs日本王者対決。
こちらも大いに楽しんで参りました。
小出大貴は、久しぶりに見たんですが、自分の懐の深さを生かし、
長いパンチで突き放して長い距離を維持して闘い続けました。
ソラノは強打を生かすことが出来ず、失点を重ねました。
小出は思った以上に巧く、己を知った冷静かつ勇敢な闘いぶりでした。
ソラノはこれまでの強打のイメージがあり、小出で勝てるだろうか、
よくこんな相手と試合組むなぁ、なんて思っていたのですが、
見事な勝利を収めました。脱帽です。
メインの和賀寿和vs黒木健孝、5年前の対戦では
和賀が初回KO勝ちをしているそうですが、
今日の試合では両者の立場は完全に逆転していました。
初回こそ和賀の右が決まって和賀がダウンを奪いますが、
それと前後して黒木の速いコンビネーションが試合を支配します。
和賀は右から単調な攻めを外され、前にのめっては打たれ、の繰り返し。
ワンサイドの展開は最後まで変わらず、同じパターンで和賀が打たれ続け、
これは止めてもいいんじゃないかと思うくらいでした。
黒木は見事な勝利でしたが、試合後は謙虚に
「上を狙うというより防衛戦をしっかり勝っていく」旨を語りました。
しかし私は高山勝成との対戦なんか見てみたいな、と思いました。
共によく動いて防御し、多彩な連打で攻めるファイター同士、
好ファイトが期待出来るんじゃないでしょうか。
あれこれあってタイトではありますが、何とか見たかったもので(^^ゞ
姫路の爆撃機、川端賢樹が最後になるかもしれないタイトル挑戦、
対するはあの大場浩平。関西ボクシング依怙贔屓主義者で、
なおかつ大場ファンでもある私には、なんとも心に染みるカードです。
今日、名古屋に向かう近鉄特急アーバンライナー車中で、
昨日買ったボクシングマガジンをのんびり読んでおりましたら、
浅沢英記者による川端の記事が載っていました。
川端がサーシャ・バクティンに完敗し、三谷将之に惜敗したのち、
またも再起してタイトルマッチに辿り着いたことだけで感慨深かったんですが、
その後彼の身の回りに起こった親族の不幸や、それにまつわる事々と、
それを乗り越えて今日の試合に挑む川端の健闘を願わずにはいられない、
改めてその思いが強くなりました。
対する天才・大場浩平は、前回の児玉卓郎戦での大ピンチが
記憶に新しいところです。
あのピンチを乗り越えたことを評価したい反面、
「打たれ癖」のようなものが出来てしまうのではないか、と心配でもあります。
しかし、岐阜の破壊王と呼ばれ、ランカークラスが対戦を忌避する
強打とタフネスを併せ持つ児玉を退けた大場が、
またもラストチャンスに賭ける実力者川端を迎え撃つとは思いませんでした。
この辺のマッチメイクは、日本王者として非常に立派で、
三谷将之路線...という言い方が適当かどうかわかりませんが(^^)
前王者に負けない、王者の矜持を感じさせる姿勢は、
やはりこちらも応援せずにいられないという気にさせられます。
試合は大場がフリッカージャブで突き放しにかかり、
川端が右クロスを狙う展開で始まりました。
しかし大場のスピードは出色で、川端の右クロスは遠く届きません。
初回は大場が明白に押さえました。
しかし2回、川端がひとしきり攻勢に出て、大場がそれを躱したあと、
しばらく川端が手を止めて防御に専念します。
大場が前に出て、川端がロープを背負ったそのとき、
川端のカウンターが決まって大場が背中から倒れました。
※「ボクシングフリークス」の速報には左一発と書いたのですが、
右と書いてあるサイトもあり、どっちか確信が持てませんでした。
映像で確認したところ、左フックから右のフォローがあってのダウンでした。
前回は大ピンチを迎えこそすれ、倒れなかった大場ですが
いともあっさり、綺麗に倒されました。場内騒然となりました。
しかし大場はすぐに立ち、その後は懸命にジャブを突き、
いつものトリッキーな動きこそ見られない代わりに、
密度の濃いストレートパンチ主体のボクシングを見せます。
川端は追撃したいところでしたが、大場が懸命に突き放し、
川端は悪いときの、前に出るが手数が出せない攻防分離に陥ります。
時折強打を振るって攻めますが、大場のジャブが終盤まで支配しました。
しかし大場は最終回、自ら川端に「打ってこい!」とアピール、
川端がそれに応じて激しい打ち合いになります。
このあたりに、大場の意地を見ました。ダウンとられたまま、
アウトボクシングで挽回した、というだけの勝利では、
大場のプライドは満たされないのでしょう。
冷静に最後まで闘い抜くことこそ、何より大事だという見方もあるでしょうし、
それもまた正しいと思いますが、大場のこうした思いが伝わる闘いぶりも、
やはりとても魅力的でありました。
判定はドローが一人、あとは大場を支持しました。
会場で、ちょっと遠い席から見ていたので、
川端の強打の効果に対する見方がちょっと違ったと思います。
私は96-93か、97-92、というところで大場の勝利と見ました。
若き天才と叩き上げのベテラン、ボクサーとファイター、
対照的な二人の闘いは、やはり熱く燃えました。
試合後、両者は互いに「君と闘えたこと」を感謝する旨を語り、
健闘を称え合いました。
そして姫路から来た川端応援団からは「浩平コール」が起こりました。
さまざまな思いを背負ったふたりの闘いは、
見る者の心を揺さぶる素晴らしい闘いでした。
単に「明暗を分けた」という言葉では割り切れない両者の姿、
どちらも「勝者」として称えたい闘い、
やはり見に来て良かった、と思える試合でありました(^^)
今日はこの試合だけでなく、見所が多い興行でした。
新人の時に見た、トサカ頭の激闘王こと緑ジムの小出大貴が、
強打の比国王者JRソラノに挑んだ試合があり、
メインはミニマム級の東洋vs日本王者対決。
こちらも大いに楽しんで参りました。
小出大貴は、久しぶりに見たんですが、自分の懐の深さを生かし、
長いパンチで突き放して長い距離を維持して闘い続けました。
ソラノは強打を生かすことが出来ず、失点を重ねました。
小出は思った以上に巧く、己を知った冷静かつ勇敢な闘いぶりでした。
ソラノはこれまでの強打のイメージがあり、小出で勝てるだろうか、
よくこんな相手と試合組むなぁ、なんて思っていたのですが、
見事な勝利を収めました。脱帽です。
メインの和賀寿和vs黒木健孝、5年前の対戦では
和賀が初回KO勝ちをしているそうですが、
今日の試合では両者の立場は完全に逆転していました。
初回こそ和賀の右が決まって和賀がダウンを奪いますが、
それと前後して黒木の速いコンビネーションが試合を支配します。
和賀は右から単調な攻めを外され、前にのめっては打たれ、の繰り返し。
ワンサイドの展開は最後まで変わらず、同じパターンで和賀が打たれ続け、
これは止めてもいいんじゃないかと思うくらいでした。
黒木は見事な勝利でしたが、試合後は謙虚に
「上を狙うというより防衛戦をしっかり勝っていく」旨を語りました。
しかし私は高山勝成との対戦なんか見てみたいな、と思いました。
共によく動いて防御し、多彩な連打で攻めるファイター同士、
好ファイトが期待出来るんじゃないでしょうか。
記事、いくつか読ませていただきました!面白いです!
ボクシングに詳しいだけでなく、書く力がすごい!
また読ませていただきます。知らない情報が補完できます。
大場選手の試合、2Rはビックリでした。ヒヤヒヤしました。
身に余るお言葉、恐縮です。
拙いブログですがよろしくお願いします。
あの2Rには私もびっくりしました。右クロスを再三見せたあと、敢えて手を止めて大場を誘い、打ってくるところを叩きましたね。歴戦の雄・川端の恐ろしさを改めて見たダウンシーンでした。
しかしあのあと、川端の追撃を許さなかった大場の頑張りにも拍手です。三谷、児玉と来て最後が川端、強敵3連戦となったこの一年でしたが、今後のことはさておき、大場はよく頑張って闘い抜いたと思います。
なので、このようなレポートが上がるとひたすらありがたく、熟読させていただきました。
心を揺さぶる好試合だったようですね。
それにしても、G+やsky-aのお陰で国内のだいたいの試合はテレビで見られるのに、名古屋の試合だけは
ほんとに地域限定なんですよね・・。
やはり、一度、大場の試合を見に名古屋まで行かなきゃならんなぁと思った次第です(笑)。
もちろんそういう「よしみ」が大切なのはわかるのですが、関係者にはもう少し広い視野で考えてもらいたいものです。よその掲示板などを見ると、未だに名古屋ではトンデモ級の地元判定が頻発していると誤解している方がおられますが(数年前の中部事務局長交代以来、そういう例はほぼ皆無のようです)、それも情報が閉ざされているせいでしょう。
中部の選手がどれだけ良い試合をしても、良い選手であっても、その評価が広まらないのも、同じ理由からです。目先の権益や関係者の都合を優先して、結局自分たちが、自分たちが手塩にかけて育てた選手が損をしているのでは、何をしとるこっちゃわからんと思います。