トランプ氏が大方の予想を「裏切って」大統領選を制した。アメリカのマスメディアも、その報道を独自に取材することもなく「鵜呑み」にした日本のメディアも、現在「辛酸なめこ」状態にいる。
いかに「隠れトランプ」が多かったか、マスメディア自体、その実態を見破れることはなかった。それほど多くの不満が米全土に蔓延し、選挙という爆発の機会をうかがっていた。
「隠れトランプ」は決して表面に浮上することなく、「腹に一物」を持ちながら「機会」を待っていたのだろう。
専制・独裁政治とは無縁だったアメリカにおいて、多くを占める「隠れトランプ」の存在は、自由闊達に意見交換する習慣が崩壊した記念日となるだろう。
しかし、トランプ次期大統領の登場に異議を挟むように「全米」で反トランプデモが起きている。あれだけ「不支持」の多かったメディアがこれを大きく取り上げないわけがない。
連日のようにNot my president.と叫ぶ若者の集団を映し出している。
民主主義を標榜するアメリカで、選挙で選ばれた大統領を見立てが「俺とは違うなあ」とデモしたり、挙句の果てに商店を襲い略奪行為をするとは何たることだろう。
イギリスのEU離脱の際、国民投票で離脱が決まると「元に戻りたい」派の離脱無効の動きがあった。民主主義とは「多数派」が制するという制度なのだ。大新聞までもが「得票数では勝った」が「選挙人獲得数で負けた」などと埒もないことを言っている。「アメリカの選挙制度に問題がある」というならば、選挙の前に言うべきだ。負けたら潔く現実を認めよ。