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洲本市蓮花寺 谷内清巌の書碑の拓本採取

2019年09月07日 | 日記

9月7日(土)です。午前中に、ゼミ生の三原明美さんの卒論資料の収集のために、淡路島の洲本市の蓮花寺に行きました。大学を7:30に出発しました。このお寺は、真言僧で書家として有名だった谷内清巌(1868~1953)が住職をしていたお寺です。若いころには大阪の泊園書院の塾生でもあり、のちには京都の神護寺や大覚寺の住職としても活躍し、華道家としても有名でした。

谷内清巌は津名郡鳥飼村(現在の洲本市五色町鳥飼)の倉内家の次男として生まれましたが、青年期に谷内家の養子となります。以前から「益習の集い」で知り合いの倉内一夫さんが、この実家の子孫で、倉内さんのひいおじいさんの弟に当たるのが清巌だそうです。また現在の蓮花寺のご住職の谷内栄巌さんは、清巌のお孫さんに当たります。

この日は、三原さんが子孫のお二人にお会いして話をお聞きするとともに、清巌書碑の拓本を採る目的がありました。大学から50分ほど車で移動し、高速の出口で倉内さんと待ち合わせ、一般道に移ってしばらく行くと門柱がありました。これも清巌の書です。顔法をうまく吸収した、堂々たる書風です。

本堂でご住職さんともお会いしました。

このお寺は、江戸末期に信者から奉納された見事な五百羅漢で有名です。下の写真がそれを収めている建物です。

この日は9月というのに、朝から真夏並みの暑さでしたので、午前中に作業を終えるために、早速拓本にかかりました。三原さんにもどんどん作業をしていただきました。下の写真の大きな石碑は、清巌の絶筆の漢詩の草書2行作品です。

左下に銅板に鋳込んだ清巌の顕彰碑もありましたので、採りました。碑は西向きだったので、午前中には直射日光が当たらずに、作業は順調に進みました。

それぞれ2枚ずつ採って、1枚は倉内さんへ、1枚は蓮花寺にプレゼントしました。大学では、写真があれば十分ですので、碑に貼った状態で撮影しました。今日の関係者の皆さんで、本堂前で記念撮影しました。一番背の高い方が倉内さんです。

この後に、本堂内で、多くの清巌作品や息子さんの作品などを鑑賞・撮影させていただきました。また清巌が作品を書く時の様子などもお聞きし、お陰で三原さんの卒論資料がたくさん入手できました。

このお寺には、かわいい猫が飼われていて、人にとても慣れています。もうだいぶ老齢だということです。俗に「はちわれ」と言われる美しい模様です。

作業は11:30にすべて終了しました。お寺を後にして、4人で食事をしながら今後の研究の打ち合わせをして、大学に戻りました。11月末には、四国大学書道文化館1Fギャラリーで清巌の書作展を企画しています。これも三原さんの卒論の一部です。

帰り道の日光や温度は真夏そのもので、作業を午前中に終えてよかったと改めて思いました。

 

 


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