ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

誠秀工芸での特別授業

2018年05月22日 | 日記

5月22日(火)、午前中に、大学院の特別授業のために、徳島市北沖洲の標記の材木屋さんに出かけました。以前、表札用の材料を購入させていただいた会社で、宮竹さんのご兄弟が経営されている「誠秀工芸」です。

参加したのは、大学院 文学研究科1年の門田悠くんと渡邊浩樹くん。現在は、書道だけに限らずに、芸術の様々な分野の専門家のお話を聞いたり、仕事場を見学させていただくことを時々しています。

右手前の方がお兄さん、奥の方が弟さんで、「木ろくろ」の専門の職人さんです。現在、「木ろくろ」で工芸品を作れる方は全国的に稀少で、徳島県にはこの方しかおりません。ノミの刃もご自分で鋼を打って作られるそうです。作業の姿勢のコツなどをお聞きし、院生2名が感心することばかりでした。

その後、お兄さんに様々な木材の紹介をしていただきました。木材は自然の雨風にさらして、歪ませて、使う時に変化しないようにさせます。

様々な種類の木の性質を教えていただきました。

雪の多い厳しい環境で育った杉の木目の中には、このように不思議な模様の出るものがあります。俗に「玉モク」と言われる材木です。平らな面なのに、まるで立体的に波打っているようです。

お二人の渋い職人さんのお仕事を見聞して、院生2名が思わず漏らした言葉は「かっこいい!」でした。木ろくろで作った杉のコップは、この後に別な会社の職人さんが藍で染めて、高級タンブラーに製品化します。触ってみると、木の温かなぬくもりを感じました。

このような素晴らしい技術が、次代につながれるかどうかはまだわかりません。コストの問題もあって、現状では機械化することはなかなか難しいことだそうです。昨年から冬の期間だけ大阪出身の28歳の若者が、この木ろくろの技術を学ぶために来ているのだとお聞きしました。

美しい製品は、職人の人生の学びが現れ出たものです。それが作られる現場を実際に見聞することによって初めてわかることが多いと思いました。

 

 

 


日和佐八幡神社 かぜまーる書道パフォーマンス

2018年05月16日 | 日記

5月13日(日)、美波町の日和佐八幡神社の春の例祭があり、かぜまーるの書道パフォーマンスがありましたが、私は学会で行けませんで、久米さんが撮影して下さったので、本日写真データを頂きました。

神輿が境内に入ってきました。この日は大雨でした。予定では境内でパフォーマンスをする予定でしたが、不可能なので、急遽、拝殿の中で実施することになりました。

始まる前に、学長先生、祭のMC担当のKAMEKOさんと記念撮影。彼女は書道文化学科の卒業生(中原さん)で、現在は美波町のご当地キャタクターとして各種イベントの司会などでご活躍中です。美波町はウミガメの産卵地として有名です。

メンバー5名が精神集中。

濃い墨液と水を混ぜて、作品用の墨液を作ります。その場面も神事のような雰囲気で進めます。

パネル2面に「チャレンジ」の作品。仲井眞さん。

下の空間に文章を書きます。玉城さん。

「飛動」を星川さんと宇良君で仕上げました。

屏風を開いて4面にし、5名で長い句を書きます。

「かぜまーる」の紹介作品ができました。

屏風を閉じて裏返し、ちょうさ祭りの掛け声「いっさんじゃい」を5名で分担して書きました。

パネル作品はこれで完成。8面全面を使いました。

次に前に大きな紙の作品を広げます。日和佐の港の豊漁祈願をします。

矢部さんが集中します。

最後の作品も完成しました。祭りを祝う作品です。

大切な仕事をやり終えて、充実感でいっぱいです。

かぜまーるも4年生になりました。これから全員が各自の故郷で教育実習をし、就職のための試験を受け、また卒業研究作成に邁進します。極めて多忙な生活となります。

学生時代に5名全員でまとまって外部のイベントで書道パフォーマンスを披露できるのも、今回が最後だと思います。彼らもそれを知りながら、ここ数年間の集大成の演技をしました。神社への素晴らしい奉納になりました。

 

 

 


第14回書道文化学会春季講演会

2018年05月14日 | 日記

5月13日(日)午後、標記講演会が四国大学R102教室で開催されました。

この日の発表は3名で、まずは私が「阿波の儒医 井上春洋の学問と書 -メキシコ漂流者との関わりを中心に-」と題して実施しました。

次が特認教授の川尾朋子先生の講演です。「映画タイトルの中の筆文字」と題して行われました。

近年の日本の映画タイトルには良い書が少なく、中国の映画を日本で上映する時も折角の書を活字に換えてしまう傾向があることを残念に感じているとのことで、様々な実例を紹介していただきました。

講演の後は、West Girls の9名が前に出て、二つのグループに分けられて、「ちはやふる」の題字を書で創作する学習を公開しました。まずは5分間、各グループで相談の時間をとりました。

続いて書きます。一人一文字ずつ書きました。

出来上がった後に、川尾先生からコメントをいただきました。両グループとも高く評価されました。

この日の最後は、本学文学部国文科書道コース時代の第21期卒業生で、現在、和歌山県有田市で書塾経営をされながら、小中学校の書写の授業も担当されている川田京子さんのお話がありました。

学生へのアドバイスをたくさん盛り込みながら、現在のお仕事の内容や心掛けておられることを具体的に紹介していただき、たいへん参考になりました。

川田さんは、書塾経営の一部に書道パフォーマンスをとりいれられているそうです。地域のイベントで時折、塾の子供たちが披露して高く評価され、それが、塾経営にとってたいへんプラスになっているとのことでした。

学生にとってたいへん有益な学会になりました。終了して片付けの途中に、West Girlsのメンバーの一部で、手の空いている人が川尾先生と記念撮影をしました。これは百人一首の札をとるポーズだそうです。

この日は、美波町の日和佐八幡神社で700年祭が開催されていて、かぜまーるはそちらでの書道パフォーマンス出演依頼を受けたので、この日は講演会には参加できませんでした。祭が終了して大学に戻ってきたかぜまーるのメンバーと、講演会が終わった後の川尾先生と会うことができました。大雨でしたので、神社の拝殿内で書道パフォーマンスをしたとのことです。その時の様子は久米さんが撮影して下さっているので、後日写真を頂き、掲載したいと思います。

 

 

 

 

 


美馬市ミライズ落成式 書道パフォーマンス

2018年05月12日 | 日記

5月12日(土)、標記のイベントに、四国大学書道文化学科3年生の有志グループ「West Girls」が参加しました。私と、スーパーサテライトオフィスのアドバイザーの徳山さんと久米さんと一緒に学生を引率しました。

会場には10時半ごろに着きました。美馬市脇町の中心部にあったショッピングセンター「パルシー」を改築して、市民交流スペース・多目的ホール・図書館・交番・スーパーマーケット等と併合した施設として、リニューアルしたものです。改修資金は総額39億円とお聞きしました。

この2階の一室をお借りして、四国大学の西部地区スーパーサテライトオフィスも移転しました。下の写真がそうです。ここに徳山さんが常駐されます。

既に、落成式が始まっており、市長・県知事・議員さんなどのご挨拶や、表彰式が1時間ほどありました。会場には、300名ほどの招待客が入っていました。

式が一段落して、幕が閉められ、West Girls のうち4名が緞帳の前に登場して、ご挨拶です。司会者から様々な質問が投げかけられて、それに対して4名がハキハキと交代に答えました。実はこの間に幕の内側では、他のメンバーと市役所の職員さんたちが、ステージ上にブルーシートをはったり、毛氈を敷いたり準備をしています。

準備が整うと、パフォーマンスが始まりました。天井からカメラで撮る映像が背景に映し出されて、書く様子がよくわかります。作品は3名が書いて、他の6名は待機です。

作品が書きあがると、他の6名も一緒に、墨をふき取る作業に加わります。全員の衣装の色を変えているために、全員が動き回るたびに、背景に絵が描かれているように美しい光景が表現されました。実はこれも効果に入れて衣装の色を考えているそうです。彼らが2年生の前期に、日崎由美先生の「色彩学」の授業を受講していますが、その効果がこのようなところに表れてきています。

作品を立ち上げました。ミライズの名を「未来図」という漢字に換えて書きました。会場から惜しみない拍手がおくられました。

これを「トリ」として、落成式は終了しました。終了後に、関係者がステージに上がって記念撮影です。松重学長先生を中心に、全員でWest Girls の頭文字の「W」を両手で表現しました。楽しそうです。

この後に学長先生は7人制ラグビーの試合の観戦に移動されました。その際に昼食代を学長先生からいただきました。ありがとうございました。片付けが終わってから、食事の後に、会場前でポーズです。徳山さんと久米さんにも入っていただきました。バッチリ決まりました。

立派な会場の落成式と同時に、West Girls の素晴らしい晴れ舞台でもありました。皆様、お疲れさまでした。

本日の彼女たちの制作した完成書道作品は、後日、センター1Fの壁に展示されるそうです。お出かけの際はご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 


外国人のための書道体験講座2018①

2018年05月09日 | 日記

5月8日(火)、午後に、標記講座を四国大学書道文化館3階教室で開催しました。徳島市の市街地の花ロードプロジェクトのボランティアとして滞在している外国人5名と、学生5名が参加しました。

コスタリカのヒメナ、オーストラリアのミッチ、ロシアのビクター、マリア、オリガ。

4年生の玉城・遠山・星川・松村、2年生の橋本です。

筆の訓練でらせんを書いた後に、各自のひらがなの名前を練習しました。

次に自作の教科書の中から、好きな漢字を選んで、一文字作品を作ります。

色紙とうちわに、作品を書きました。うちわは片面が外国人、もう片面はその指導係の日本人の合作です。

最後に、みんなで寄せ書きをしました。

全員で記念撮影です。

これで、約90分の講座が終了し、できた作品はすべて外国人ボランティアの皆さんにプレゼントしました。たいへん楽しかったと口々に感想を述べていました。これ以上時間をかけると疲労感が出てきますので、ちょうどよい長さだったと思います。

寄せ書き作品は、両国商店街のウッドアイビスにプレゼントしました。

早速、壁に貼られました。次の写真のような感じです。