ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

大耿会書作展

2012年06月22日 | インポート

Taikoukai 6月16日(日)、徳島市のあわぎんホールに第19回大耿会書作展を見に行きました。

この会を主宰されている春藤大耿先生は、ボランティアで一緒に篤志面接委員として書道を教えている大先輩の書家です。私はこの会に所属しているわけではありませんが、先生の人間性にはとても魅力を感じているので、書道展のご案内があると行くことにしています。

御年86歳ということで、私の父母よりも年上ですが、かくしゃくとして、作品もとても素敵です。

篤志面接委員というのは、月に一度、徳島刑務所の入所者に書道を教えにいく活動のことで、春藤先生は既に20年近くこの活動をされていて、ここ2年ほどは私も一緒に行かせて頂いています。

とにかく、先生はお話が上手です。ユーモアを交えながら、胸に落ちる話をされます。私もそのような面でよい勉強をさせていただいています。

Taikoushosakutenn 作品を一つ紹介します。これは、松茂町の有名な藍商であった三木家に飾られている作品だそうです。

たいへん見ごたえがあります。

先般、入院されて、心臓にペースメーカーを入れて、ますますお元気になりました。今後も元気でご活躍が期待される方の一人です。


かば田の包装紙

2012年06月08日 | インポート

Kabata 6月8日(金)、姫路から帰って、大学院の授業を終えたあと、夕方8時に帰宅しました。

荷物が届きました。福岡県に住む義妹が、福岡県の辛子明太子メーカーの「かば田」の商品の詰め合わせを送ってくれました。

このメーカーは妻の母が昔から使っているもので、必ず、書を使った包装紙を使うのです。辛子明太子や、各種加工品の品質が良く、味に定評があるのは勿論なのですが、この包装紙にたいへん存在感があり、私も以前から注目しています。

写真に撮ってみました。墨象的な筆のかすれ、飛び散りなどを上手にデザインとして利用しています。ちゃんと篆刻の印も押しています。

各種の食べ物、特に自然素材に近いものや、自然素材の味が重要な加工品の場合、デザインに書がとても合います。日本・中国・韓国由来の食べ物は特にそういう傾向が強い。全て書を使う国々です。

今後、このような分野に学生の書を活用したいと考えています。


教育実習

2012年06月08日 | インポート

Kyouikujisshuu 6月8日(金)、今日は、10時に大学を出て兵庫県立姫路商業高校へ行き、学生の教育実習の授業見学をして帰ってきました。

写真は、4年生の女子学生が、高校2年生に国語を指導している場面です。教材名は「時間をめぐる衝突」で、内山節さんの文章です。

実は、内山節さんとは、既に28年前からの知人です。私が長野県上田市で中学校の教員をしている頃に、友人の保坂富男君が主催する「上田哲学研究会」に入って、週に一度勉強会をしていた頃に、年に2回ほどは上田市に来て、講演をしていただいたり、一緒に酒を飲んで議論しました。

その頃には既に数冊の本を出版しておられ、日本で唯一、「哲学者」を専業とする人物でした。大学の先生とかではなく、出版と講演のみで哲学を語る、日本で唯一の人間という意味です。

彼はある時期から、群馬県の上野村に年の半分は住むようになりました。彼の学問のテーマが農山村の生活の価値を見直すことだったからです。年の半分は東京神田で、自分の本や雑誌に投稿する文章を書きます。最初は村人は彼を東京から別荘暮らしに遊びにきた人間として見ますが、やがて彼が田舎の一軒屋を購入して、本格的に農作業や山林作業をしながら住むうちに、重要な村人の一人として受け入られるようになります。途中、日航の飛行機事故などもありましたが、彼の文章は活動の拠点を得てますますさえわたり、新聞のコラムなども担当してどんどん有名になりました。でも会うと、やはり気取りもなく威張ることもない、「清貧」という言葉が最も似合うおじさんです。

私はといえばその後、様々な場所に転居します。長野県泰阜村、長野市、福岡県宗像市、長野県北安曇郡池田町、そして徳島市。全く流れ者の人生です。その間にも、時折お会いして話を聞いたり、食事をしました。このところ10年ほどはお会いすることができていませんが、年賀状はいまだにやり取りが続いています。

今回、学生が授業で扱う教材が、内山さんの文章であることを知って不思議な気持ちがしました。教科書に知人の写真が出ているのは違和感があります。でも、今日、生徒たちが音読しているのを聞きながら、内山さんらしい文章内容はなつかしく胸に落ちる心地がしました。

学生は、教材名・筆者名・語句などを書で認め、裏に磁石シートを切って貼ってカード化し、工夫して授業していました。声も大きく出て、時折面白い話をして生徒を笑わせるなど、堂々と授業していました。私が学生時代に教育実習をした時よりもずっと立派に授業をしていたので、頼もしく思いました。

また、この学校の生徒はたいへん授業態度が良く、私が廊下を歩いていても、ほとんどの生徒が挨拶をしてくれるのには驚きました。教育が行き届いている、素晴らしい学校です。また、私が授業参観している間、教頭先生も一緒に参観して下さり、終了後には学生にアドバイスをして下さいました。本当に丁寧な対応をして頂き、たいへんありがたく、爽やかな気持ちで学校を後にしました。


オリジナル傘

2012年06月05日 | インポート

Kasa 6月5日(火)、いよいよ梅雨入りなのか、朝から雨が降っています。

6月3日(日)に、妻が徳島市東新町商店街にある「まちなかキャンパス」のワークショップに参加して、オリジナル傘を作ってきました。私はこの日は別な仕事をしていて参加できませんでしたので、話を聞いて作品を見せてもらいました。

市販のビニール傘に、いろいろな色・形のカッティングシートから好きな色を選んで、自分の好きな形に切って貼り付けるというもので、大学生や小学生の他、一般の方も数名が参加したそうです。本学の書道文化学科の学生も3名参加しました。

妻は、水族館をイメージして青い魚の形を切ってたくさん貼っています。まちなかキャンパスのロゴマークがとてもお洒落な雰囲気を演出しています。「これから、雨が降ることが楽しみになった。」と言っていました。このような楽しい企画なので、参加者は熱中して無言になって作業していたそうです。今日は雨が降りましたので、いよいよこの傘もデビューです。

まちなかキャンパスは様々なイベントやワークショップを実施していて、本学の書道文化学科の学生の指導による書道教室も月一回実施されています。

このような場所が商店街の中にあって、様々な人たちの交流の場所になっていることはありがたいことです。


カブトエビ

2012年06月04日 | インポート

Kabutoebi 6月4日(月)、朝、妻と散歩に行きました。健康のためになるべく散歩するようにしています。

散歩コースは近所の神社までの往復2km程度。コースは住宅街と田んぼのあぜ道で、四季折々の自然や花が楽しめます。

昨年から、この時期に楽しみにしているのが、カブトエビたちです。すべての田んぼにいるわけではないのですが、田植えの前後、田んぼに水が張られている時期だけ、大量に発生し、動き回っています。詳しくは下のサイトをご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%93

ミジンコの近縁種で、ホウネンエビも同居していることが多いです。ホウネンエビは昔「シーモンキー」という商品名で卵が販売されていました。これらは「生きている化石」と言われていて、何億年前の形をそのまま維持しているそうです。カブトガニにも似ています。

彼らは真夏になって田の水が干上がるといなくなります。卵の形だと乾燥に強く、長期間生きられるそうで、また水が入った時に発生します。見ていると、動きが面白く、かわいらしい生物です。でも、やはり生存競争は厳しく、よくカラスに捕食されています。

このような生物がたくさん発生し、その死骸や糞が稲の良い肥料になっていきます。化学肥料をやるよりも、稲にとってはずっと健康的で病気にも強くなります。「ホウネンエビ」は「豊年エビ」であり、この種の生物が多く発生する年は稲が豊作になったためだそうです。田んぼの生態系というのは、本当によくできていますね。先人の知恵に感心します。一時期は強い除草剤や農薬で見かけない年も多かったのですが、最近はこれらの生態系が稲にとっても重要であることが理解されてきて、薬の質や時期を変えるなどの工夫をすることで、見ることが多くなりました。里山の自然は、人間と自然が共存しながら作り上げてきた素晴らしいシステムだと思います。

人間も自然の生態系の中で「生かされている」生物であることを忘れてはいけません。食物についても、加工食品を食べるばかりでなく、自然の中で育てられた素材を大切に調理して食べる方が絶対に健康に良いのです。これは、稲とカブトエビの関係を考えてもよくわかります。

書道の「線」には自然が存在します。そこを意識できるかどうかということは重要だと考えています。