ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

眉山山頂からの風景

2012年05月28日 | インポート

Bizansanntyou 5月27日(日)、書道文化学会が終わった後、村田先生を自家用車に乗せて、文学書道館で30分ほど見学したあと、眉山山頂に案内しました。自家用車で20分ほどです。

このブログを始めた当初は、眉山の紹介を主体にする使命を持っていたのですが、その割にあまり眉山のことを紹介していません。

ちょうど天候にも恵まれて、山頂から良い景色が見えましたので、写真を撮っておきました。

この写真は、北の方角を見たところで、市街の向こうに吉野川、その向こうには鳴門の山が見えます。うっすらと淡路の一部も見えているかもしれません。左端の方に大学も見えます。

県庁所在地ですからビルは多いですが、山と大きな川と海があって、本当に美しい場所だと思います。

真夏のような日差しでしたが、山頂部はさすがに地上よりは気温が低く、鶯があちこちで鳴いていました。小型のキツツキなども木をつついていました。眉山は自然に恵まれていて野鳥の宝庫でもあります。

村田先生も大喜びでした。

このあと、中腹にある「阿波しじら碑」(巌谷一六書)の碑を案内し、駅前に移動して、村田先生の帰りの高速バス出発までの1時間半ほど、夕食を共にしました。つかの間の楽しい時間を過ごしました。


こうやくん

2012年05月28日 | インポート

Kouyakunn 5月26日(土)、日付が戻りますが、おととい、徳島市の東新町商店街で出会ったユルキャラの「こうやくん」の写真を紹介します。子どもたちに大人気で、一緒に写真を撮ってもらっていました。

26日・27日と、徳島市の中心商店街のアーケードに高野山のお坊さんが多数来られました。黒い袈裟を来た坊主頭の方がたくさん歩いておられたので、普段とは違う不思議な空間でした。

この所、毎月の最終週の土日は、徳島市の中心部で「徳島マルシェ」と「わくわく日曜市」が開かれて、上質の商品が安く売られていて、多くの市民や観光客が来ています。町に活気が戻ってきています。

これに合わせて他団体もイベントを組んでコラボするケースが増えています。4月のLEDフェスタも同様の催しです。とてもいいことだと思います。

空海(弘法大師)という人は、日本の書道にとっても重要な人物ですが、真言宗という宗派のもつ、「極めてインド的な包容力」というのをこのユルキャラを見て感じました。他の宗派にもあるのでしょうか? 奈良の「せんとくん」が一時、大仏に鹿の角を生やすとはケシカランと物議をかもしたことがありましが、あれが却って宣伝になって、今でも印象深く覚えています。

空海が高野山のような都から離れた山岳に本拠地を置いたのは、仏教の修行のためということの他に、そこが水銀鉱石の産出する場所で、古代においてはそれが高価に取り引きされたので、それだけで経済的な基盤を持つことにつながったからだということを読んだことがあります。空海は、常に「現実」を意識しながら生きていく人間だったと思います。彼が書道で名を成したのも、実用技術である書道に芸術性を溶かし込んで、それを布教に活用するという、当時としては極めて新しい種類のキャンペーンを組んだからだと思います。

現在は宗派の拠点であると共に、そこには多くの真言宗寺院があり、山全体が町となっています。そこを観光的に宣伝するためのキャンペーンを各地で組むという発想が面白いし、そこにユルキャラを登場させたり、御詠歌コンサート、こうやくん人形劇、坊さんファッションショーなどを含めて民衆に近寄っていくというのがいいです。子供たちは親しみを感じるでしょうね。

仏教が権威を振りかざす葬式・墓地産業ではなく、民衆の生活によりそう「宗教」であるためには、やはり民衆に近寄って、民衆の悩みを解決して、民衆の生活を向上させるために貢献するものでなくてはならないし、それは近年の大学の学問にとっても似たようなことがいえるのかもしれないと思いました。


第8回春季講演会

2012年05月28日 | インポート

Murata_takashi 5月27日(日)、午後1時~4時、四国大学文学館2Fで、四国大学書道文化学会 第8回春季講演会が開かれました。演題と発表者は次の通り。学生を中心に聴衆は約100名でした。

1.「讃岐の先覚 後藤芝山の生涯と書」 四国大学書道文化学科准教授 太田 剛

2.「日本における書風の変遷 -毛筆研究という視点から-」 大阪国際大学専任講師・筆の里工房特別研究員 村田隆志 氏

3.「中国研修旅行報告」 四国大学書道文化学科3年 栗林 睦 さん

4.「商業書道とビジネス」 四国大学書道文化学科第5期卒業生 山田 繭 氏

私も最初に発表させて頂きました。この所、この準備のためにかなりエネルギーを使いましたので、ブログはお休みしておりました。ここでは2と4の写真を掲載しています。

まず上の写真の村田さんは、私も所属している「書論研究会」の重要メンバーで、大阪在住で現在の日本の筆研究の第一人者です。画像を中心に、日本の紙巻筆と、中国の水筆の違いを説明し、江戸後期に日本の唐様書家が中国から水筆を導入して以来、書風に変化が起こったことをわかり易く教えて下さいました。彼は頭もいい上に性格円満の好青年で、今後も活躍が期待されます。

栗林睦さんは、高知出身の本学3年生で、今年3月に学科の教員・学生10名で行った中国研修旅行の様子を画像で見せてくれました。西安を中心に兵馬俑・碑林・博物館など、貴重な遺物を見学した様子がよくわかりました。

Yamada_mayu 最後は、右の写真の、本学卒業生で、現在はネットショップ「てがきや 想 ~sou~」代表で、他にも書道教室を3か所持って活躍中の若き女性実業家、山田繭さんが、卒業から、現在のビジネスを立ち上げ軌道に乗るまでの経緯を紹介して下さいました。

私のかつての教え子の一人ですが、しっかりと自分の道を見付けて歩いている様子に感心しました。学生達にとって今後の進路を考えるうえでも有益な話でした。下のサイトが彼女のネットショップです。ご覧ください。http://www.rakuten.co.jp/tegakiya-sou-/

年に2回ですが、外部からも講師を招いてこのような講演会を実施しています。普段の授業では聞けない部分もあって、互いに良い刺激になります。学問は本当に楽しいものだと思います。 


かいこの家

2012年05月09日 | インポート

Kaikonouti 5月6日(日)、連休で、長野県に3日ほど帰省しました。甥の結婚式があったためです。軽井沢で素敵な結婚式に参列させて頂きました。

帰る前に少し時間があったので、小学校の恩師の家に遊びに行きました。恩師は青木廣安先生で、地理学や歴史研究では、郷里の須坂市では有名な方です。小学校6年生の担任として1年間ご指導を受け、大人になってから仲良くさせて頂いています。

御退職後は、ご自宅を改装されて、古民家風のミニギャラリーとしても解放されています。奥様は料理の名人で、最近は喫茶やお弁当仕出しなども一部され、お嬢様もそのお手伝いをされているということです。「養蚕農家」と書いて「かいこのうち」と読む看板がついていました。須坂市墨坂という場所にあります。

小学生の時に何度か訪問した記憶がありますが、その頃からこのお宅の庭は素晴らしいと思っていました。写真のように、今も庭には池があり、その周りに老松や楓など、良い風情で育ち、季節ごとに美しさを見せています。

Matsukura1 このお宅には、いくつかの古い書画の額や軸が掛けられています。写真は、地元の昭和時代の書画家である松倉松亭の描いた老松の南画の屏風です。

小学校時代の先輩のおじいさんで、私の実家からも近いところに住んでおられました。先生は、この先輩の学年も教えられたそうです。

大人になって改めて鑑賞するとすばらしいですね。

画の右端には「不老長春之図 於清泉居 六十有歳 松亭写」と落款が書かれていました。

自分が育ったまわりにも豊かな文化があったのだということに気が付きましたし、今後もこのような文化財を大切にして頂きたいと思っています。