pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ムーランルージュ!ザ・ミュージカル プレビュー公演@帝国劇場2階C列センター

2023-06-28 21:19:59 | 観劇/コンサート

脚本:ジョン・ローガン
演出:アレックス・ティンバース
出演:サティーン・・平原綾香
   クリスチャン・・甲斐翔真
   ハロルド・ジドラー・・松村雄基
   トゥールーズ・ロートレック・・上野哲也
   デューク
(モンスロ公爵)・・K
   サンティアゴ・・中河内雅貴
   ニニ・・加賀楓

〈あらすじ〉
舞台は1899年、パリ。退廃の美と、たぐいまれなる絢爛豪華なショーの世界、ボヘミアンや貴族、遊び人やごろつき達の世界の中で、激しい恋に落ちたアメリカ人作家クリスチャンとナイトクラブ、ムーラン・ルージュの花形スター、サティーンの物語が展開される。

ムーラン・ルージュで二人は出会い、激しい恋に落ちるが、ナイトクラブのオーナー兼興行主のハロルド・ジドラーと、クラブのパトロンである裕福な貴族、モンロス公爵が二人を引き裂く。モンロス公爵は望むものすべて、サティーンさえも金で買えると考える男だった。

クリスチャンはボヘミアンの友人たち――才能にあふれた、その日暮らしの画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックやパリ随一のタンゴダンサー、サンティアゴとともに、華やかなミュージカルショーを舞台にかけ、ムーラン・ルージュを窮地から救い、サティーンの心をつかもうとする。


ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーの映画から22年まさか日本で舞台化されるとは思ってもみませんでしたが、帝劇改修前の記念すべき作品として、期待MAX!チケット代もびっくりなお値段

とにかく衣装もセットも豪華で相当お金がかかってるという前評判、帝劇に入った途端に納得しちゃいました!もう、気合の入り方が半端なかったです

普段は柱のあたりに名前だけ貼りだされていることの多いキャストボードも写真入りで、そこを撮ろうとする方々が長蛇の列。プログラム売り場も然り。すごいわこりゃ。加えて、いつもはNGの舞台の撮影も、役者さんが出てくる前ならOKと、何度もアナウンスされていて、きらびやかな赤い照明に浮かび上がるハート、大きなくるくる回る風車、青い巨大な像をたくさんの人が撮影していました。

まだプレビュー公演で、ネタバレになるので詳しくは書きませんがとにかくゴージャス!そしてスタイリッシュクリスチャンが狂言回しのように語りだし、幕があがると本当にキラキラした世界が広がりました。今日のサティーンは平原さん。ものすごく力強い歌声に圧倒され、ささやくような美しい愛の歌に癒されました。本当に緩急自在。素晴らしいそしてダンスもお上手!

今回お初の甲斐翔真さん、いい!長身でがっちりした体格に小さいお顔。のびやかな歌声若さゆえに暴走気味にサティーンにまっすぐにのめり込む姿が素敵。端正なお顔立ちに笑顔がすごく美しい最近、若手がどんどん出て来てついていけない私ですが、久々にハート持っていかれました

運命に翻弄される悲しい物語ではありますが、幾重にも重なりのあるきらびやかな舞台装置やゴージャスな衣装、かっこいいダンスでもうおなかいっぱいになる作品でした。開演10分前くらいから雰囲気を盛り上げるシーンが始まるので、そのころまでにはお席につくことをおすすめします

来月末には井上芳雄クリスチャン、橋本さとしジドラーで観る予定です。また違った印象になりそう。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある馬の物語@世田谷パブリックシアターI列(4列目)下手

2023-06-27 22:27:07 | 観劇/コンサート

原作:レフ・トルストイ
脚本:マルク・ロゾフスキー
音楽:マルク・ロゾフスキー、
詞:ユーリー・リャシェンツェフ
翻訳:堀江新二
訳詞・音楽監督:国広和毅
上演台本・演出:白井晃
出演:成河、別所哲也、小西遼生、音月桂 / 大森博史、小宮孝泰、春海四方、小柳友 / 浅川文也、吉崎裕哉、山口将太朗、天野勝仁、須田拓未 / 穴田有里、山根海音、小林風花、永石千尋、熊澤沙穂

[あらすじ]
ホルストメール(成河)は、天性の俊足を持つ駿馬だったが、人間の嫌う「まだら模様」に生まれついたがために、価値のない馬と見なされて育てられた。
ある日、厩舎に凛々しい公爵(別所哲也)が現れた。厩舎の主人は見た目の美しい馬をすすめたが、公爵は一目でホルストメールの天性の素晴らしさを見抜き、彼を安価な値段で買い取った。公爵との生活はホルストメールの生涯で、唯一の輝かしく幸福な日々となった。
だがある日、公爵の気まぐれから、ホルストメールは競馬に出走することになる。その競馬場で公爵の愛人マチエ(音月桂)は、若く美しい将校(小西遼生)と出会い姿を消してしまう。公爵は気が動転し、ホルストメールを橇に繋ぎ激しく鞭打ち走らせた……。


いやあ、面白かったです。

先日観た「ライフ・オブ・パイ」はパペットがリアルな動物の動きを再現してすばらしい と唸ったばかりですが、この舞台では、ホルストメールをはじめ端正な黒馬、美しい牝馬やアンサンブルの馬たちに至るまで、動きだけで本当に「馬」を表現していました。ぶるぶる~んと首を振ったり、背筋をのばした姿勢で足踏みしたり、そうそう、馬ってああいう動きをするよねといちいちうなずいてしまいます。

特にホルストメール!成河さんの身体能力すごいです。そして黒馬の小西さん気位が高く、誰からも美しいと賞賛されるような駿馬でも、伯爵が選んだのはホルストメール。嬉しかったよね~誇らしかったでしょう。でも、幸せな時は長くは続かず、人の欲望や気まぐれに翻弄されていきます。そして流転を繰り返し、やっと昔のご主人様に再会できたと思ったら。。。絶望の中、更に悲惨な運命が。もう、かわいそうすぎる

それでも馬は死んで誰かの糧となり、人は立派な棺に入ったところで何の役にもたたないというモノローグ。胸にずーんときました。

ミュージカルとは異なる「音楽劇」、成河さんも別所さんも歌います。重要な役回りの小宮さんの乾いた歌声が妙に心に残りました。

伯爵も、一目ぼれしたホルストメールをもっと大事にしていれば、幸せな人生だったろうに。。。人の身勝手さと、いつまでも自分を認め慈しんでくれた飼い主を忘れない馬の高潔さが印象的。早く帰ってチャメを抱っこしたい衝動にかられたのでした

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナショナルシアターライブ「ライフ・オブ・パイ」@シネ・リーブル

2023-06-22 21:55:04 | 映画/DVD

10年前にこの作品の映画バージョンを観てその壮大さにすっかり魂持っていかれた私。

たまたま知人とその映画の話になり、感想ブログを検索していたらなんとナショナルシアターライブでイギリスで舞台化されたライフ・オブ・パイやってるじゃありませんか!しかもシネ・リーブルで!

と、いうことでソッコー行ってきました。映画だけどナショナルシアターライブだから割引なしの特別料金3000円。

いやーーーいやいやいやいや、すごい舞台と出会ってしまいました!

最初は、あの宇宙的とも言える壮大な物語をどうやって板の上で。。と思い、さらに始まってみれば、かつての青山円形劇場くらいの丸い小さな舞台。役者が8人横並びすればいっぱいになってしまいそうな小さな空間。ここでどうやって。。と思ったのは全くの杞憂。この小さな空間が200日以上太平洋を漂流したパイが入院している病室から動物園に、大きな船の甲板に、荒れ狂う海に、はたまた様々なものが浮遊する海中に変わるんです

そして登場する動物たちにまたびっくり!動物園を経営する一家がカナダに移住するために動物たちを伴って乗った船が難破する話なので当然動物が出てくるんですけど、これがすごい!ヤギも虎もオランウータンもハイエナもシマウマもみんな実物大のパペットなんですが、一体を頭、胴体、下半身というように複数の人があやつります。この動きがリアル!プログラムによれば、虎は骨格から動きを割り出していったとか。本当に本物の動物にしかみえません!操る人間が丸見えなのに。これほんとにすごい。それだけではなく、プロジェクションマッピングと舞台の仕掛けが魔法のように次から次へと場面を変えていき、本当に魔法のようです。

他の動物たちが亡くなり、虎とふたりぼっちになり次第に心を通わせる様に涙が出そうでした。この物語には解釈が2つありますが、私は動物の物語を選びたいです。パイを演じるハイラム・アベセカラさんは王立演劇学校で学んだ正真正銘のシェイクスピア役者さん。とても美しく感情豊かなパイをしっかりと演じていらっしゃいました。あー素晴らしいお芝居みられてよかった!

この舞台、ロンドン公演を終えて今はブロードウェイで絶賛公演中だそうです。日本バージョンもやってくださーい!カッキーパイはどうでしょう?

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ファインディング•ネバーランド@新国立中劇場1階16列上手

2023-06-03 22:30:31 | 観劇/コンサート

 

[劇作・脚本]ジェームズ・グラハム(台本) 
[作詞・作曲]ゲイリー・バーロウ&エリオット・ケネディ 
[演出・翻訳]小山ゆうな 
[翻訳]高橋亜子(訳詞) 
[出演]山崎育三郎 / 濱田めぐみ / 武田真治 / 夢咲ねね / 杜けあき / 遠山裕介 / 廣川三憲 / 星智也 / 家塚敦子 / 石川剛 / 伊藤かの子 / 榎本成志 / 大久保芽依 / 工藤彩 / 塩川ちひろ / 永松樹 / 福島玖宇也 / MAOTO / ルイス魅麗セーラ / 他

[あらすじ]

19世紀後半のイギリス。新作戯曲が書けずに行き詰まっていた劇作家ジェームズ・バリ(山崎育三郎)は、公園で、未亡人シルヴィア(濱田めぐみ)と4人の子ども達ジョージ、ジャック、ピーター、マイケルと出逢う。

妻のメアリー(夢咲ねね)からも問い詰められ悩んでいたバリだったが、彼らと遊ぶうちに純粋で正直な気持ちを思い出し、「演劇」も「遊び」も同じ「PLAY」なのだと気がつき、物語をどんどん生み出していく。

しかし、当時のイギリスでは、演劇は上流階級だけのもので、バリが「子供も楽しめるファンタジー作品を上演したい」と提案すると、劇場主のフローマン(武田真治)と劇団員たちは猛反対。

一方、父を亡くしてから純粋な心を閉ざし”大人”になろうとしていた三男のピーターは、バリと交流を深めるうちに、夢や希望を捨てることが大人になることではないのだと悟る。バリとシルヴィアは、シルヴィアの母のデュ・モーリエ夫人(杜けあき)に反対されながらも交流を深め、お互いを理解し心を開く関係になっていく。こうしてバリは、シルヴィアと子供たちと一緒に空想した世界を基に『ピーターパン』の物語を作りあげていく。

最初は反対していた劇団員たちも、次第に子供の頃の純粋な気持ちを思い出し、バリの描く世界に引き込まれていく。順風満帆かに思えたが、シルヴィアの体調が悪化し、バリと兄弟たちは新たな試練に直面することになる。そして迎えた新作舞台『ピーターパン』の公演初日。

『ピーターパン』という永遠の物語を生み出した一人の作家と、彼を囲む人々の、美しく、優しく、切ない、感動の物語。


先週の朝日新聞劇評を読み、なんだかすごく観たくなってしまいましたが、東京での公演日もあとわずかだったので、なんとかリセールチケットをみつけてGET!ぴあさんありがとう

「エドモン」もそうでしたが、この作品もまた劇作家の苦悩の物語。こういうの好き。

何といっても山崎育三郎くんに濱田めぐみさんという超絶歌唱力の持ち主の競演です。面白くないわきゃない。という想いで幕開きを待ちましたが、いや、それだけではなかったです子供たちがうまい!育三郎バリと3男ピーターのデュエットでも、子役ちゃんの歌声が負けてないのがまたすごい子役おそるべし。子供で泣かせるのは好きじゃない私ですが、泣いちゃいましたよ。うまくて。ちっちゃいのからややおっきいのまでシルヴィアさんの4人の息子これが健気なんだわ。父を失い大人びてしまった3男ピーターをはじめ、長男、次男、4男。やんちゃで子供らしくわちゃわちゃ遊んで豊かな想像力を広げる。そんな様を見て、自分の中の自由な心を取り戻す大人たち。

文学座の星智也さんもいるじゃありませんか!この方の存在感半端なし。背もひときわ高く、良いお声。まさか「犬」やるとは。この舞台には本物の犬も登場しますが、(今日はセントバーナード君)このリアルワンちゃんが、智也さんの犬の着ぐるみに反応して(たぶん)予想外の動きをしてしまったらしく、とある場面で「おまえ、どこでそんな演技覚えたの?」と言われながら舞台袖にはけてました((笑))このワンちゃん、かわいい

バリが取り戻す子どもの心を「フック船長」が体現するところいいなあ。「精神の自由の解放」という言葉が思い浮かびました。解き放たれる大人たちの楽しそうなこと。「大人らしい振る舞いをしなければ」という抑圧が大きかったんでしょうね。

ラスト近く、4人の子供たちの母シルヴィアが病に侵され外出ができなくなった時、訪ねて来たバリを祖母が追い返そうとしましたが、長男が「ここは僕たちの家です。入って母に会ってください。」ときっぱり言います。ここ、かっこよかった。子供たちもそれぞれに心の成長があったことを示す場面で、ぐっときてしまいました。父を失い、母までも失いつつある子供たちが辛さを乗り越えようとしている姿に涙が。。。

再演があったらまたぜひ観たい作品です。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする