脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ロバート・ヨハンソン
マリー・アントワネット:笹本玲奈
マルグリット・アルノー:昆夏美
フェルセン伯爵:古川雄大
オルレアン公:吉原光夫
ルイ16世:佐藤隆紀
駒田一/彩吹真央/坂元健児/彩乃かなみ 他
【あらすじ】
18世紀、フランス。国王ルイ16世統治の下、飢えと貧困に苦しむ民衆を尻目に王妃のマリー・アントワネットを筆頭とする上流階級の貴族たちは豪奢な生活を満喫していた。
パレ・ロワイヤルで開催された豪華な舞踏会で、圧倒的な美しさを誇るマリーは愛人のスウェーデン貴族・フェルセン伯爵とつかの間の逢瀬を楽しむ。夢のような舞踏会の途中、突然飛び出した貧しい娘・マルグリット・アルノーは民衆の悲惨な暮らしについて訴え、救いの手を求めるが、返ってきたのは嘲笑だけだった。マルグリットは貧しい人々に目もむけず、自分たちのことしか考えない貴族たちに憤りを覚え、やがて貧困と恐怖のない自由な世界を求め、フランス革命への道を歩み始める。
マリーはヘアドレッサーのレオナール、衣裳デザイナーのローズ・ベルタンを抱え込み、最先端のファッションの追及に余念がない。が、宝石商のべメールから無数のダイヤモンドが散りばめられた高価な首飾りを売り込まれるも、国家予算が逼迫する中、さすがにその申し出は断らざるを得なかった。
同じ頃、それぞれの理由で国王夫妻を失脚させようと企むオルレアン公、革命派の詩人ジャック・エベール、そしてマルグリットは王妃に関する嘘のスキャンダルを流す。マリーがべメールの持っている首飾りを欲しがっていたことに目をつけたオルレアン公の権謀術数によって、かの有名な「首飾り事件」を引き起こす。やがてその波紋は広がり、王室に対する民衆の怒りと憎しみは頂点に達するが、国王夫妻には、革命への警告も耳に届かなかった。
やがて革命の波はベルサイユにまで押し寄せ、国王一家は囚われの身となる。マルグリットは王妃を監視するため王妃の身の回りの世話をすることになる。敵対関係にあったマリーとマルグリットだったが、やがてお互いの真実の姿を見出してゆく。フェルセンは愛するマリーと国王一家を救うために脱出計画を立てるものの失敗し、一家はパリに幽閉されてしまう。
やがてルイ16世はギロチンで処刑され、最後まで王妃の傍にいた友人・ランバル公爵夫人も暴徒に襲われて命を落とす。マリーは公正さに欠ける公開裁判にかけられ、刑場の露と消える。今まで王妃に対する憎しみを原動力にしてきたマルグリットは、地位も、夫も、子供も、全てを奪われ、必要以上に痛めつけられている等身大の王妃を間近で見て、真の正義とは何か、この世界を変えるために必要なものは何か、自分に問いかけるのであった…。
2006年の初演から12年もたつんですね~あの時マルグリットを熱演していた笹本玲奈さんが王妃に昇格とあれば、見に行かなくては!フェルゼンは古川くんだし
とか言いながら、秋は大忙しでろくな情報収集もなしのまま帝劇へ。緞帳のMAのロゴが燃え上がってさあ!???え?いきなり彼が?!ここはカリオストロじゃないの
今回はオープニングで世界を回す勢いの錬金術師カリオストロも、狂言回しのボーマルシェ、マルグリットの理解者である修道女アニエスもいないんですね素晴らしい名曲は他の方が歌っていたいしますが。。。
そうか。これは新演出バージョンだった。演出家も栗山氏ではなく、韓国版の演出家ロバート・ヨハンソン氏にかわっていました。
そのぶん、フェルセン伯爵の登場場面が増えています。古川くん、歌声ものびやかになり、説得力があります。軍服がよくお似合い!濃紺のマントも素敵ノーブルさがきわだって、釘付けですそして、ルイ16世の佐藤さんの歌が素晴らしいこの方も皇帝陛下とか国王とかよくお似合いですが、今回は派手好きで浪費家で奔放な妻をうまくコントロールできない気弱で心優しい国王をまっすぐ演じていて心にしみました。(しかし、良妻に恵まれない役が続きますねえ。。)
抑圧された市民代表マルグリット、昆さん、また歌がうまくなりましたあんな小さな体なのに、劇場を圧倒する歌声ただ、今回はアニエスが出ていないので、マルグリットの暴走をなだめたり理解したりする存在がいなくて、彼女は終始孤独を抱えたまま突っ走っている印象が強かったです。アニエスの存在って、大きかったのにな。「本当にいいの?それでいいの?」と言ってくれる存在、大事ですよね。もしかして彼女もちょっと伯爵のこと好きだったのかな?と思える場面あり。
笹本アントワネットは、絢爛豪華な時代はちょっと気張りすぎな感じがしましたが、全てを失い、公開裁判でボロクソなののしり方をされてもなお、王妃としての、また母としてのプライドを失わずその凛とした姿が素晴らしかったです。人としての成長を見ました。
オルレアン公、吉原さん。山口祐一郎氏のあとを継ぐのはこの方だ!と確信する押し出しと貫禄、そして色気。次はバルジャンもひかえていますね。とっても楽しみです