pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』@日生劇場1階F列センター

2021-12-29 18:02:47 | 観劇/コンサート
  
 
原作  漫画「北斗の拳」(原作:武論尊 漫画:原 哲夫)
音楽 :フランク・ワイルドホーン
演出 :石丸さち子
脚本・作詞:高橋亜子

音楽監督:ジェイソン・ハウランド
指揮:塩田明弘
振付:辻󠄀本知彦 顔安(ヤン・アン) 

<キャスト>
ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香
トキ:加藤和樹
シン:上田堪大
リュウケン他:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり 
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生
ラオウ:宮尾俊太郎

バット:渡邉 蒼 リン:近藤 華(Wキャスト)
リハク他:中山 昇 青年ラオウ他:一色洋平 ライガ他:後藤晋彦
フドウ他:澄人 フウガ他:田極 翼
青年トキ他:百名ヒロキ
ダグル(※オリジナルキャラクター)他:宮河愛一郎
ミスミ他:安福 毅

飯作雄太郎 岩瀬光世 輝生かなで 坂口杏奈 内木克洋 中野高志
原広実 妃白ゆあ 福田えり 藤田宏樹 LEI‘OH
 
<あらすじ>
二千年の歴史を誇る北斗神拳の修行に励んでいたケンシロウ(大貫勇輔)、トキ(加藤和樹)、ラオウ(宮尾俊太郎)の三兄弟。
南斗の里から来たユリア(平原綾香)、そのお付きのトウ(白羽ゆり)とともに成長していく三兄弟の中から師父リュウケン(川口竜也)は末弟のケンシロウを次の伝承者に選んだ。

折しも世界を覆う核戦争によって文明社会は崩壊し、人々は弱肉強食の時代を生きることとなった。
ケンシロウはユリアとの愛を育み共に荒廃した世界を生きていこうとした日、南斗のシン(上田堪大)にユリアを強奪され、胸に七つの傷を刻まれる。
絶望の中放浪の旅に出たケンシロウは、たどり着いた村で出会った二人の孤児バット(渡邉 蒼)、リン(近藤 華)と共に旅を続ける。

一方ラオウは世紀末覇者・拳王を名乗り、世界を恐怖で支配しようとしていた。
ケンシロウは女戦士マミヤ(松原凜子)が治める村の用心棒レイ(上原理生)と共にラオウによって牢獄カサンドラに囚われたトキを救出するが、その後ユリアが失意の中でシンの居城から身を投げたことをラオウから知らされる。
ケンシロウはラオウとの闘いの末に壮絶な最期を遂げたジュウザ(伊礼彼方)をはじめとする愛すべき仲間や強敵(とも)たちの哀しみを胸に、世界に光を取り戻すべく救世主として立ち上がるのだった。

北斗の拳、ケンシロウのビジュアルと「お前はもう死んでいる」という台詞のほか、なんにも知らずにおりました。ケンシロウは、私が学生時代に大好きだった池上遼一先生の描く漫画にそっくりだなあ。。くらいの印象。
だがしかし。大好きなバレエ王子の宮尾俊太郎さん、平原綾香さん、メリーポピンズではまってしまった大貫勇介さんに、あの渋い加藤和樹さんが横並びときては、行かないわけには行きませんしかも、Wキャストでたくさんの組み合わせがある中、この組み合わせでマチネはこの1日のみ。良席GET!満を持して日生劇場へ。
 
舞台センターで歌い上げるリュウケン、川口竜也さん。この状況は!これちゃんと聴いとかないときっと訳わかんなくなるという動物的カンが働くうーんなるほど。わかったような、わかんないような。
原作を読み込んだ方々にはまた別の感想があることでしょうが、私としては、とにかくとびきりのダンサー対決、平原ユリアの全てを包み込むような豊かな歌声に魅了されまくりでした。
場面転換の曲はコゼットの「あの雲の上に~♪」を思わせ、ラストのラオウ昇天はエリザベートの逆バージョンを思わせ、群衆の決起はマリーアントワネットを思わせ、ラオウの赤いマント捌きはコロレド猊下を思わせ。。などなど、いろんなミュージカルを彷彿とさせるものもありました。
特筆すべきは、やっぱり大貫さんと宮尾さん。バレエとは重心の置き方もまるで違って、どっしりとした構えから繰り出す、言葉どおり舞うような格闘シーンが本当に美しかったです加藤和樹さんのトキが、義兄(共にリュウケンに連れて来られた義兄弟)ラオウがどんなに冷徹な人間になってもずっと子供時代のことを忘れず慕う姿に涙。。でした。
伊礼彼方さんのジュウザのショウタイムも楽しかった指揮の塩田さんもダンシングでノリノリもう少し出番が多いと良かったのに。男性陣はみな筋肉モリモリ。大胸筋がまぶしすぎバット役の渡邉 蒼くん、西郷どんの子供時代や、朝ドラ「なつぞら」では岡田将生くんの子供時代でタッ1プの上手なお兄ちゃんでした。ソロナンバーもあり、17才にして存在感ありました。これからが楽しみです
 
この日は平原綾香さんの楽日だったようで、何度もカーテンコールがあり、平原さんからのご挨拶もありました。最後のカーテンコールでは、アチョーっと跳び蹴りで登場するケンシロウ、ドレス着てるのにアチョーを真似する平原ユリア、そしてそして、空中回転しながら王子のようにひざまずく、宮尾ラオウのスペシャルジャンプが堪能できました
 
この日はシークレット特典映像のサービス付きでした。田代万里生さんもマチソワで劇場にいらしたとか。会いたかった~
 
 
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ガラスの動物園その2@シアタークリエ15列センター

2021-12-20 20:24:12 | 観劇/コンサート

再びの動物園

今回もいろいろと発見がありました。先日ぼーっと観ていたので気にとめていませんでしたが、ローラは一幕でハイスクール時代のあこがれのジムに「ブルーローズ」と呼ばれて嬉しかったことなどを母に話していたんですね。それが二幕につながるわけだ

そして、母アマンダがトムに職場の同僚を連れてくるよう促すきっかけも、トムがこの家を出ていくというなら後がまとして自分たちを養ってくれる人物を探さなくてはという思惑があっかことも。これ、結構すごい

夫も仕事も持たない女の行く末がどうなるか。。と語る母怖い

切なかったのは、ジムへの思いが通じたと感じたローラが、ワルツを踊っている時に折れてしまったガラスのユニコーンのつのを見つめ、「折れてしまって良かったのかもしれない。これでみんなと 同じ馬になったから」という言葉。もしかしたら自分もこの閉塞的な状況から抜け出して、広い世界に飛び出すことができるかもしれないという期待を持ったのでしょう。この時のローラの瞳の輝き倉科さんすばらしかったです!だからこそ、その後の絶望の深さが底なしのように感じられたのだと思います

バンフレットによれば、この頃のアメリカはものすごい好景気の後のどん底不況の時代だったそうです。有頂天になっているうちにいきなり地獄に落とされる感覚。そんな時代の空気を掬いとった物語なのですね。

それにしても膨大な台詞に圧倒されます。岡田将生くん恐るべし。麻実れいさん恐るべし。もちろん倉科カナさんも竪山隼太くんも恐るべし✨

 

 

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神田沙也加さんのご冥福をお祈りします

2021-12-19 19:46:36 | 雑感

朝一番のニュースで沙也加さんの訃報を聞き、まさか冗談にもほどがある。。と思ってしまいました。

沙也加さんを初めて舞台で拝見したのは、宮本亜門さんのミュージカル  イントゥ・ザ・ウッドの赤ずきんちゃんでした。あれが初舞台だったんですね。それからいくつものミュージカル舞台で拝見し、最初は あの方のお嬢さん。。くらいにしか思っていなかったものの、どんどん輝きを増して、もはや「松田聖子さんの娘」という肩書きは余計なんじゃないかと思うくらい安定感を増していたように思います。

何があったのかはもうご本人にしかわからないことですが、静かにご冥福を祈りたいと思います。

合掌

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ガラスの動物園@シアタークリエ13列上手

2021-12-16 21:26:56 | 観劇/コンサート

作 テネシー・ウィリアムズ

翻訳 小田島雄志

演出 上村聡史

あらすじ

大恐慌の嵐が吹き荒れた1930年代のセントルイス。
その路地裏のアパートにつましく暮らす3人家族がいた。
母アマンダ(麻実れい)は、過去の華やかりし思い出に生き、
子供たちの将来にも現実離れした期待を抱いている。
姉ローラ(倉科カナ)は極度に内気で、
ガラス細工の動物たちと父が残した擦り切れたレコードが心の拠り所だ。
父親不在の生活を支える文学青年の息子トム(岡田将生)は、
そんな母親と姉への愛憎と、やりきれない現実への閉塞感の狭間で、
いずれ外の世界に飛び出すことを夢見ている。
ある日、母の言いつけで、トムが会社の同僚ジム(竪山隼太)を
ローラに会わせるために夕食に招待する。
この別世界からの訪問者によって、惨めだった家族にも、
つかの間の華やぎがもたらされたかのようだったが……。


テネシー・ウィリアムズの自伝的作品。。ということ以外になんの予備知識もなく劇場へ。

ネタばれ満載ですので改行します。これから観る方はご注意を。

 

 

いかにも路地裏というような暗いアパートに住む親子。これは「追憶の劇」であることをトムが語り始めます。

昔は良かった、こんなはずじゃなかった、何人もの青年紳士が自分を求めてやってきた。その人たちはみんな立派な人物になったのに、自分は顔や雰囲気で選んだ男と結婚してこんなことになってしまったと繰り返す母。足に軽い障害があり、超内向的でひきこもりがちな姉。父はふらっと家を出たまま帰らず、倉庫勤務をしながら閉塞感に苛まれながら家族を支えざるを得ない弟トム。

彼は仕事の後に映画を観て現実逃避をすることが日常らしく、そのことを「自分勝手」と母に罵られるのも毎度のことらしい。少ない賃金ながら稼いで養っているのは自分なのに、親としての権利を振りかざしてあれこれうるさく言う母に辟易し、姉もまた母の「保護」という名の呪縛から逃れられず、ガラスの動物だけを友としている。

うーん苦しい。息が詰まりそう。母のテンションが高ければ高いほど息苦しくなりそう。この、「昔は華やかだったけど今は」という痛い母、麻実れいさんがぴたりとはまってすごみあり。いるよなあこういう人。現実を生きることができない人。

そんな母の提案で姉になんとか素敵な相手をと、トムが家に連れて来た同僚のジムは、偶然にも姉ローラのハイスクール時代のあこがれの人だった。驚き、混乱するローラ。でも、停電というハプニングの中、二人で話す機会を持ち、その中でジムがローラに言います。悩みの種は人間としての自信の欠如だ。大事なのは、自分が何かの点で人より優れていることだ。だからその「長所」が何かを見つけさえすればいいんだと。君はいままで自分が出会ったどんな人とも違う。君は美しい。

そしてローラの手をとり、ワルツを踊ります。そしてキス。

次第に高揚し、自然な会話ができるようになり、大切なガラスの動物たちについて語るローラ。

でも、次の瞬間、ジムから出た言葉は、「期待に応えられない」

え~っっつなにそれここまで上げといてそれはないっしょ

と、いうわけでジムの接待のためにひっぱりだしたアマンダの素晴らしいお衣装もごちそうも全ては無駄となり、ジムは婚約者の元に帰り、母は息子を罵り、ローラは再び引きこもり、トムは絶望して家を出ていくのですが、どこへ行っても姉の存在を自分の中から消すことができず。。暗転。。。幕

いやあ、なんともひりひりする話ではありました。逃れようとし逃れることのできない家族のしがらみ。。

でもね、ほんとに一瞬だけだけど、ローラは光を見たと思うんですよ。「光」というのはジムじゃなくて、「自信を持つことで自分が変われるかもしれない」という光。その光を掴むかどうかはやっぱり自分次第なんですよね。ジムはローラの期待には応えられなくても「誰も気づかないようなささいな欠点を自分の想像力で何千倍にも拡大してるんだ。自信を持つことだ」って言ってくれてるじゃないですか。親も言ってくれなかったことを。「自信」は大事。誰かが、他の誰でもない自分を認めてくれたということが、どんなに嬉しいことか。それは自分の中のいろんな可能性を信じてもいいと感じることにつながると思うんですよ。

ジム自身、ハイスクール時代は生徒会長で、バスケ部のヒーローで、歌もうまけりゃ人望も厚く、偉い人になるに違いないと言われてたにもかかわらず、今じゃトムと一緒に倉庫で働く普通の人という状態ながら、絶望せずに勉強し、ずっと上を目指して生きている。彼自身が「光」なんだろうな。

だから、ジムに関しては、人を持ち上げといてまた絶望に突き落としたとは、あまり思いませんでした。(さっきはそう書いたけど)実生活では、テネシー・ウィリアムズのお姉さんは這い上がることができずに人生を終えて(ロボトミー手術を受けて廃人のようになり、一生、テネシー・ウィリアムズが面倒をみたらしいです)しまったようですが、ローラはいつかこの闇から這い上がれるといいなあ。。などと思ったのでした。

岡田将生さんが舞台に立ち続けるのは、蜷川先生にそう言われたからと、どこかで読みました。ジムが文学青年のトムのことを「シェイクスピア」と呼んでるのもツボでした。ネクスト出身の竪山隼太さん、蜷川先生の作品に数多く出られているだけあって、演技がくっきりしていて本当に素晴らしいです。ワルツも素敵。シェイクスピア劇は舞踏会の場面も多いから鍛えられているんでしょうね

なんとも感じることの多い舞台でした。もう一回行っちゃうかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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