八国山だより

ノーサイレントマジョリティ!ごまめの歯ぎしりといえど、おかしいと思うことはおかしいと自分の意思を発信しなければ

フロンティア分科会は国民にとって果たして有益か

2012-07-07 15:29:02 | 政治
 日本人が「希望と誇りある日本」を取り戻す上で重要なのは、中長期的に目指すべき国の将来像を示すことであり、その実現のため、切り拓いていくべき新たなフロンティアを提示することです。フロンティア分科会は、2050年までを視野に入れた我が国の将来像を描くとともに、国際的・社会的環境が大きく変化すると予想される2025年に向けた方向性を検討し、その内容を中長期ビジョンとして取りまとめていきます

■分科会メンバー
座長 大西隆(東大教授)
座長代理 小林光(慶大大学院教授)
委員
 安倍彩(国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長)
 上村敏之(関西学院大教授)
 隠岐さや香(広島大准教授)
 刈部直(東大教授)
 柳川範之(東大教授)
 栗栖薫子(神戸大大学院教授)
 武田洋子(三菱総合研究所 政策・経済研究センター主席研究員)
 中西寛(京大教授)
 永久寿夫(PHP研究所専務)


というのがフロンティア分科会なる組織の趣旨だそうだが、集団的自衛権を容認するということは、自衛隊が米軍の補助兵になるということ。それが「希望と誇りある日本」を取り戻すことになるだろうか。日本を守る意思を持って入隊したものが遠い異境の地で命はてる事態にもなりかねない。日本はフロントランナーとなって打ち破っていくことによって、いろいろなものを教訓として得たものが、世界のモデルになっていくような話とは野田の言葉だが、それであれば憲法9条を現状のまま維持していくことこそが「世界のモデルになっていく」話ではないのか。ペシャワール会医師として長くアフガニスタンなどで活動されている中村哲氏は、憲法9条によって命拾いをした、9条を変えて軍隊を派遣できる普通の国になるべきだという意見は、戦争の実態を身をもって体験していないからであり、それこそが平和ボケの最たるもの、と。 「紛争屋」として東チモール、シエラレオネ、アフガニスタンで武装解除を手がけてこられた伊勢崎賢治氏もまた憲法9条は日本外交の資産であり、半世紀他国に戦争をしかけなかった日本だから信用しようと言われたとのこと。
 フロンティア分科会の考え出した結論は、海外を、戦争知らないものの机上の空論、「希望と誇りある日本」を捨て去るものであると思う。分科会の面子をみるにつけ日本の防衛、安全保障をどれだけ理解しているのかはなはだ心許ない。

 また【記事1】にある40歳定年制、「雇用流動化で経済を活性化させる」どころか、40歳を過ぎての転職が困難な現状、非正規社員の増大が懸念される。はなゆーの記事のコメントには「この狙いは要するに「解雇規制の撤廃」であると思われる」と」あったが、小泉政権下で拡大された経営者側有利、労働者側不利の法制度をさらにいびつなものにするようにしか思えない。総じてフロンティア分科会は国民にとって有益な存在には思えない。





【記事1】


フロンティア分科会:40歳定年制など提言 実現は不透明

毎日新聞 2012年07月06日 22時10分(最終更新 07月06日 22時40分)

 2050年の日本のあるべき姿を検討してきた有識者会議「フロンティア分科会」が6日、首相に提出した報告書は、雇用流動化で経済を活性化させるための「40歳定年制」の導入や、高所得者への社会保障給付の削減など大胆な政策を提言した。現状への危機感を踏まえたものだが、どこまで実現するかは見通せない。

 報告書は、現状のままでは日本はグローバル化に乗り遅れ、「坂を転げ落ちる」と予測。多様な個人や組織が結びつきながら新たな価値を創出する「共創の国」を目指し、規制改革や環境変化に強い人材育成などが必要と説いた。

 そのための施策として、少子高齢化に対応して75歳まで働ける雇用環境を整備する一方、40歳定年を選べる制度作りも提案。働き盛りでひとまず定年を迎え、成長企業に転職することなどを想定している。財政再建や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加の必要性も指摘した。

 報告書は「ただちに政府の方針にならない」(古川元久国家戦略担当相)が、首相は「世界に先駆的な国家モデルを提示することが必要だ」と述べた。【久田宏】



【記事2】

集団的自衛権容認盛る 政府 戦略会議分科会が提言

東京新聞 2012年7月7日 朝刊


 中長期的な国家ビジョンを検討している政府の国家戦略会議のフロンティア分科会は六日、集団的自衛権の行使容認を提言する報告書を野田佳彦首相に提出した。政府は、集団的自衛権の行使は憲法で禁じられているとの解釈を堅持してきたが、政府が報告書を基に近くまとめる日本再生戦略に盛り込まれれば、将来的な解釈変更に道を開きかねない。 

 報告書は二〇五〇年の日本のあるべき姿を提言した。安全保障分野では、同盟国などが武力攻撃を受けた場合、応戦する集団的自衛権に関し「解釈など旧来の制度・慣行の見直しを通じて協力手段の拡充を図るべきだ」と明記した。

 野田首相は報告書提出を受け「考え方を日本再生戦略の中に存分に反映させたい。社会全体で国づくりに向けた議論を喚起することにつながることを期待したい」と述べた。首相は就任前、著書で集団的自衛権の行使を主張していたが、今年二月の国会答弁では「政府としては行使できないという解釈をしてきた。現時点でその解釈を変えることは考えていない」と述べている。




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