強欲な名人戦交渉と将棋博物館閉鎖

2006-11-11 00:00:09 | しょうぎ
名人戦主催問題は、朝日、毎日の対決構造から一転して、朝日・毎日共催の方向に進んだのだが、それで解決したわけではなかった。今度は、将棋連盟×朝日・毎日連合という新しい対決軸に変っていた。スポンサーが二社なのを狙って、将棋連盟が高いことを言い出したわけだ。NIKKEI NETでは新提案について、以下のとおり報じている。


(11/8)<表>朝日・毎日両社に対する連盟の提示額
-----------------------------------------------------
8日分かった日本将棋連盟から朝日・毎日両社に対する提示額は次の通り。

◆将棋連盟の提示額
・朝日・毎日両社に対し
 名人戦契約金 年 各 2億円(5年契約)
 名人戦振興金 年 各 3000万円(5年間)
 普及協力金  年 各 1億円(5年間)
    (小計 年  6億6000万円)
・毎日に対し
 王将戦契約金 年 7800万円以上
・朝日に対し
 朝日オープンに代わる新棋戦契約金 年8000万円

◎両社合計 年8億1800万円

◆現状
・毎日
 名人戦契約金 年3億3400万円
 王将戦契約金 年7800万円(スポーツニッポン新聞社と共催)

・朝日
 朝日オープン契約金 年1億3480万円

◎両社合計 年5億4680万円

(参考)朝日が今年3月に提示した名人戦単独主催の契約金額
 名人戦契約金  年3億5500万円(5年契約)
 普及協力金   年1億5000万円(5年間)
 臨時棋戦契約金 年 4000万円(5年契約)

合計 年5億4500万円

実は、手前ミソだが、今年5月16日「毎日・朝日共催案」は妙手か悪手かにほとんど同じようなことを予測して書いたのだが、コメント欄で非難されたように、「そんなことありえないはず」が「あり得るはず」のような交渉展開に実際になってきた。

要するに、毎日に対しては、今も4億1200万円払っているのだから、一度失いかけた名人戦が掲載できるのだから、4億0800万円払いなさいというものだ。今より400万円少ない。(ただし、王将戦には7800万円以上と「以上」の文字が付け加えられているのが少しおかしい。払うわけないだろう)

朝日に対しては、もともとの提案は5億4500万円なのだから、4億1000万円ですむのだから1億3500万円も得ではないか、と言っている。

要するに、三方一両得ではないかと言いたいのだろうが、どうも一方千両得の構造のようだ。さらに名人戦のレートが6億以上になることを、竜王戦主催の読売にぶつけて、「名人戦より安ければ、棋戦順位一位の座は返上していただきたい」とか脅して2、3億のプラスアルファーを要求するのだろうし、産経、日経が主催の安い棋戦の主催料も少しずつ上積みしようということなのだろう。

もう少し、良識がある人たちではないかと思っていたのだが、これではバブル貴族と同じように思える。

そして、以前、問題定義した将棋博物館は、10月末で、突然、閉館してしまった。こちらも説明抜きだ。儲からないから、やめるのだろうが、そんなものでいいわけないだろう。要するに、おカネ以外興味なしということだろう。

さらに、将棋博物館には、目録がないということで、コレクションの中心であった、江戸の家元大橋家に伝わる大橋コレクションと、14世名人木村義雄氏が私財で集めた木村コレクション、そしてその他の小品などが、混ざってしまって、誰から貰った物かわからなくなってしまっているそうだ。しかし、目録のない博物館など聞いたことがない。少なくても、一点ずつの写真とかでもあれば分離できるのだろうが、「全部混ざったこどものおもちゃ箱」になっているということだ。

b04fe834.jpgそして、もちろん実社会のバブル紳士はすべて全滅してしまったのではあるが、将棋連盟の強欲プランはどうなるのだろうか?おそらく、難航するだろうとは予測できるのである。



さて、前々回出題の詰将棋の解答は、こちらへ。

指しにくい手が3連発になる。理想的には、美しい筋の手と、重く指しにくい手と、気付きにくい好手をすべて取り込んだ作品がいいのだが、そうもいかないのが浮世の常である。

b04fe834.jpg今週の問題のヒントは、糸口をつかむことと、6手目の変化を解決すること。以前、ネット上で某氏の作品を改造していたところ、まったく似てもないものになってしまったもので著作権1/2、ここだけで発表。

解けたと思われたら、コメント欄に最終手と手数をいただけば、正誤判定。  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿