静かで清々しいい朝の大阪城公園。比較的気温も低く園内を歩くにはちょうどいい。
ただし鳥は期待できない。例年のとおり。
カメラマンも数人。どうやらアカショウビンを期待している。
過去の記録を開いてみると、春は5月がもっとも多く6月は記録がない。この春アカショウビンは無理かもしれない。
私が初めてアカショウビンを見たのは、30年近く前、琵琶湖の北から福井へ続く、北国街道から外れてしばらく走った場所だった。
数時間に1台の車も通らないような場所。
ダムの予定地で、小さな集落ごと移転して年月が経過したのだろう、ほとんどの家屋は崩壊しわずかに面影を残しているだけ。
知人から届いた手紙と照らし合わせたどり着いた。
少し大きな民家の庭先らしき場所に車を止めた。今晩はここに車中泊予定。
途中、各所に立ち寄りながら来たので、到着した時はすでに夕刻。持参したビールとワインを紐に吊るして2メートルほど下の谷川につけておく。
左右は緑の山が迫って、その底に谷川が流れ、少しの平坦地に十数軒の民家があった。
周辺を歩いて探鳥するも、特に気になる鳥と出会いなし。
数百メートル先の山手からブッポウソウやアカショウビンの声が聞こえる・・・。
居た!と思うも、姿どころか、声でもかろうじて聞こえるだけ。今ならこの声も聞こえないだろう。
そこに1台の車。下りてきた男性が名刺を出して挨拶する。
その男性は、図鑑や写真集で目にしていたのでよく知っている名前。憧れのカメラマンの一人だった。
こんな有名な人が、こんなところに来るんだ!!
ただただ驚き。
嵐ファンの孫娘の前にニノが突然現れたようなもの。
夕刻になって彼は帰った。
私は、インスタントラーメンに野菜や肉を入れていつもの鍋。谷川から引き上げた酒で少し酔う。
まさに暗闇。人工の照明は一切ない。
かつて人が暮らしていただろう集落跡。酔ってなければ不気味で恐怖も。
翌朝は暗いうちから、ブッポウソウの鳴き声で目が覚めた。私の車の周辺でうるさく鳴く。
朝飯を食べていると、彼が再びやってきた。湖北か福井辺りに宿をとっていたに違いない。
「飲みますか?」 とヤクルトを差し出す。昨日会ったばかりなのに気さくな人物であった。
彼は 「テープを流してもいいですか?」 と聞く。
私は意味が分からず 「ハイ」
彼はアカショウビンの鳴き声を山に向かって流し始めた。
すると、数百メートル先から、「キョロッ!キョロッ!キョロッ!」
声がどんどん大きくなって近づいてくる。
どんどん近づいてくる。100メートル。50メートル。30メートル。10メートル。
「キョロッ!キョロッ!キョロッ!」
どんどん近づいてくる。肉眼で見える。
とうとう私の頭の上、数メートルを過ぎて谷川の木にとまった。
アカショウビンを初めて見た。驚きは、プロカメラマンってこんなことして撮影してるんだ。という事。
絶対とは言えないが、繁殖への影響は多少あるかも知れない。
鳥が好きでこの世界にのめり込んだ。なのであのような方法は衝撃の出来事ではあった。
あれ以来、彼とは一度も出会ったことはない。最近は書籍などで目にすることもない。
少し年上の方だったので、ひょっとしたらすでに鬼籍に入っておられるかも知れない。
オオムシクイが飛騨の森と水上バス乗り場で計2羽。
ツバメが、音楽堂西側上、南外堀、空堀、内堀などで9羽。
カワウが南外堀2羽。
ますます鳥が少なってきた。
これからは、大阪城公園で繁殖している鳥だけになる。しかも目立たぬようにひっそりと過ごしている。
ただし鳥は期待できない。例年のとおり。
カメラマンも数人。どうやらアカショウビンを期待している。
過去の記録を開いてみると、春は5月がもっとも多く6月は記録がない。この春アカショウビンは無理かもしれない。
私が初めてアカショウビンを見たのは、30年近く前、琵琶湖の北から福井へ続く、北国街道から外れてしばらく走った場所だった。
数時間に1台の車も通らないような場所。
ダムの予定地で、小さな集落ごと移転して年月が経過したのだろう、ほとんどの家屋は崩壊しわずかに面影を残しているだけ。
知人から届いた手紙と照らし合わせたどり着いた。
少し大きな民家の庭先らしき場所に車を止めた。今晩はここに車中泊予定。
途中、各所に立ち寄りながら来たので、到着した時はすでに夕刻。持参したビールとワインを紐に吊るして2メートルほど下の谷川につけておく。
左右は緑の山が迫って、その底に谷川が流れ、少しの平坦地に十数軒の民家があった。
周辺を歩いて探鳥するも、特に気になる鳥と出会いなし。
数百メートル先の山手からブッポウソウやアカショウビンの声が聞こえる・・・。
居た!と思うも、姿どころか、声でもかろうじて聞こえるだけ。今ならこの声も聞こえないだろう。
そこに1台の車。下りてきた男性が名刺を出して挨拶する。
その男性は、図鑑や写真集で目にしていたのでよく知っている名前。憧れのカメラマンの一人だった。
こんな有名な人が、こんなところに来るんだ!!
ただただ驚き。
嵐ファンの孫娘の前にニノが突然現れたようなもの。
夕刻になって彼は帰った。
私は、インスタントラーメンに野菜や肉を入れていつもの鍋。谷川から引き上げた酒で少し酔う。
まさに暗闇。人工の照明は一切ない。
かつて人が暮らしていただろう集落跡。酔ってなければ不気味で恐怖も。
翌朝は暗いうちから、ブッポウソウの鳴き声で目が覚めた。私の車の周辺でうるさく鳴く。
朝飯を食べていると、彼が再びやってきた。湖北か福井辺りに宿をとっていたに違いない。
「飲みますか?」 とヤクルトを差し出す。昨日会ったばかりなのに気さくな人物であった。
彼は 「テープを流してもいいですか?」 と聞く。
私は意味が分からず 「ハイ」
彼はアカショウビンの鳴き声を山に向かって流し始めた。
すると、数百メートル先から、「キョロッ!キョロッ!キョロッ!」
声がどんどん大きくなって近づいてくる。
どんどん近づいてくる。100メートル。50メートル。30メートル。10メートル。
「キョロッ!キョロッ!キョロッ!」
どんどん近づいてくる。肉眼で見える。
とうとう私の頭の上、数メートルを過ぎて谷川の木にとまった。
アカショウビンを初めて見た。驚きは、プロカメラマンってこんなことして撮影してるんだ。という事。
絶対とは言えないが、繁殖への影響は多少あるかも知れない。
鳥が好きでこの世界にのめり込んだ。なのであのような方法は衝撃の出来事ではあった。
あれ以来、彼とは一度も出会ったことはない。最近は書籍などで目にすることもない。
少し年上の方だったので、ひょっとしたらすでに鬼籍に入っておられるかも知れない。
オオムシクイが飛騨の森と水上バス乗り場で計2羽。
ツバメが、音楽堂西側上、南外堀、空堀、内堀などで9羽。
カワウが南外堀2羽。
ますます鳥が少なってきた。
これからは、大阪城公園で繁殖している鳥だけになる。しかも目立たぬようにひっそりと過ごしている。