名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

スポンサー優先を露呈した平昌冬季五輪

2018-03-02 13:40:45 | Weblog
2018.3.2(金)
 平昌冬季五輪は、開催国・韓国の努力もさることながら、アスリートたちの熱戦によって大いに盛り上がり、成功裏に終えることができた。
 しかし、韓国と同じ時差の日本での観戦時刻が深夜に及ぶことが多く、テレビ観戦した多くの聴衆は最初は不思議に感じたものであった。しかも平昌は極寒の地であり、多くの競技が真夜中で行われたことから、アスリートもそれを観戦する観客も厳しいものがあったと伝えられていた。
 例えば、スキー・ジャンプ競技のスタートは午後9時半過ぎで、気温は氷点下12度まで下がり、葛西紀明選手などは「こんなの中止でしょうと心の隅で思った」と語っている。フィギアスケートは全種目が午前10時頃のスタートで、調整難からか有力選手の転倒が相次いだ(中日新聞から)。
 何故こんなことになったのか。伝えられるところによると、米国やヨーロッパの公式スポンサーらの要望に応えるために、IOCが決めた競技ごとの開催時間によったとのことである。
 ヨーロッパと日本では8時間の時差がある。アメリカとの時差も14時間から17時間もある。韓国と日本とは同じ時差だから同じ時差となる。欧米でテレビ観戦する丁度良い時刻は、日本や韓国では真夜中というわけだ。これを強要するのが多額のスポンサー料をIOCに負担する企業である。トランプ米大統領流に言えば、アスリート・ファーストではなく、スポンサー(企業)・ファーストである。
 中日新聞によると、こうしたスポンサー優先の規制は日本でも行われている。JOCは、公式スポンサーや自治体以外の企業や学校が開く壮行会などを報道陣らに公開することを不正便乗商法として規制しているという。そのため、急きょ壮行会を非公開にしたり、パブリックビューイング(PV)を自粛するケースが全国で相次いだ。
 筆者はかつて兼松江商の社長・会長で、IOCの副会長を務められた清川正二氏とIOCの会議に参加したことがあるが、清川さんはいつもオリンピックの商業主義を厳しく排除され、純粋なスポーツ精神を主張しておられたことを記憶している。現在のIOCやJOCの姿を見ると嘆かれるに違いない。